つらい記憶ばかり思い出すのはなぜ?脳の仕組みと今日を生き抜くための知恵

この記事の内容

つらい記憶ばかりが鮮明に残っていませんか?


こんにちは、トラウマセラピストmiwakoです。



7月10日(金)から18日(土)まで
お休みをいただいておりました。



実は十数年ぶりに両親の故郷へ、
先祖代々のお墓参りに行ってきました。

その準備の過程で、
驚きの「あるもの」が見つかったのです。


あなたは過去を振り返ったとき、
「なぜかつらい記憶ばかりが鮮明に残っている」
と感じることはありませんか?

今回、実家の片付けをしていたところ、
私の小学校4年生の時の文集が出てきました。



その文集をめくったことで、
私は人間の「記憶」に関する
驚くべき事実に直面することになったのです。

この記事では、
私の個人的なエピソードを交えながら、
人間の脳がつらい記憶を優先する仕組みと、
傷ついた心をねぎらうための
ヒントをお届けします。

つらい記憶のイメージ



十数年ぶりの帰省準備で見つかった、小学4年生の文集


私は学校の先生という存在が苦手で、
過去に恩師と呼べる人はいません。



しかし、小学4年生の時の担任だけは、
唯一、私の中で良いイメージとして残っています。
そんな懐かしい時代に作られた文集です。


その文集を開いてみると、
全員共通の作文だけでなく、
本人が4年生の間に書いた読書感想文や
作文の宿題の「原本」も
一緒に綴じられていました。

つまり、みんなと同じ部分もありつつ、
世界に一つだけの、
自分だけの文集でもあるのです。



そんな中で、
当時の私の作文を読んでみたところ、
自分でも驚きの事実が判明しました。



記憶の不一致。作文に書かれていた「優しい父」の姿


私は著書の中で、
父について色々書いています。



しかし、そのほとんどが
つらかった記憶です。



もちろん、すべてが
つらい思い出だったとは思っていませんが、
その記憶が鮮明すぎて、
楽しかった記憶がすっかり
抜け落ちてしまっていました。

そんな、忘却の彼方にあった私の記憶を、
小学4年生の私が作文を通して
訴えかけてきたのです。


「わたしのお父さん」


わたしのお父さんは、
とてもゆかいでやさしいお父さんです。



悪いことをするとおこるけれど、
いつもはじょうだんを言って楽しませてくれます。



わからないことや勉強を熱心に教えてくれます。



日曜日や休日には、
外でバレーボールなどをして遊んでくれます。



お父さん、これからもずっとずっと長生きしてね。
(一部省略)



大体、このような内容が
当時の私の字で書かれていました。


これを読んだ私、「マジか?」と思いました。

私には、父が勉強を教えてくれた記憶も、
バレーボールをしてくれた記憶も
まったくありません。


しかも最後には、
父の長寿を願っているではないですか。

ビックリです。
こんなことを書いた覚えは一切ありません。
早く死んでほしいとまでは
思っていなかったにせよ、
長生きを願った記憶なんて皆無です。

「これは本当に私が書いたのか?」

文字は間違いなく私の字ですが、
まるで狐につままれたような気持ちでした。



学校に提出する作文なので、
もしかしたら多少は良く見せようと
脚色したのかもしれません。



だとしても、私の性格上、
まったく存在しない架空のエピソードを
ゼロからでっち上げることはしないと思うのです。

だしたら、父に勉強を教わり、
バレーボールをしてもらった時間は、
過去に確かに存在していたのでしょう。




1年後の家庭内暴力と、父への軽蔑


父の家庭内暴力がひどくなったのは、
この作文が書かれた1年後です。

当時はすでに
怒鳴られることが日常茶飯事でしたが、
それでもまだ、私は父の優しい面を
感じることができていたのだと思います。

いつからかはハッキリ覚えていませんが、
私は成長するにつれて、
ずっと父を軽蔑していました。



自分の感情もコントロールできず、
理不尽で、大して頭もよさそうに思えない
この男を、心の中でバカにしていたのです。



実際、今考えても
その扱いが不当だとは思えないほど、
父は私を傷つけました。

だけど、それが父の100%ではなかった。

頭ではわかっていたつもりでしたが、
いかんせん記憶がないので、
「まぁ、多少は楽しい思い出もあったのだろう」
という程度にしか捉えていませんでした。




しかし、ここに確かな
「物証」が出てしまったのです。




まるで、何十年も前の
タイムカプセルを見つけたようでした。


私はこの文集を見て、
思わず父の仏壇に話しかけました。

「わたし、こんな記憶ないけど、
ホンマに勉強教えてくれてたん?」


もちろん、父からの返答はありません(笑)
でもきっとあの世で、
「忘れてたんか、ひどいな~」と
笑っているような気がします。



なぜ「つらい記憶ばかり」が脳に残ってしまうのか?


今回の件で、私は改めて
人間の記憶の仕組みについて
深く考えさせられました。



なぜ私たちは、楽しかった思い出を忘れ、
つらい記憶ばかりを
鮮明に覚えてしまうのでしょうか。


生命維持のために脳が備えている仕組み


実は、人はつらいことや怖いことの方を、
優先して脳に強く記憶するようにできています。



これは、危険を察知して生き延びるための
「生命維持の仕組み」です。

過去の痛みを忘れてしまうと、
また同じ危険に飛び込んでしまう
可能性があるため、
脳があなたを守るために、
つらい記憶をあえて鮮明に残しているのです。

だから今、この記事を読んでくれているあなたが、
もしつらい記憶ばかりに苦しんでいたとしても、
それがあなたの人生の100%ではないはずです。


記憶は完璧ではない。都合よく改ざんされるもの


記憶とは実に曖昧で、
時に自分の都合のいいように改ざんされたり、
都合の悪いものはなかったように
消されてしまったりします。

これは決して、
「あなたを傷つけた相手の良い面を無理に見よう」
と言いたいわけではありません。



ただ、あなたの人生のすべてが、
つらいことばかりで
埋め尽くされていたわけではない
、ということ。

忘却や改ざんも、
あなたが今日まで生き抜いてくるために
必要な防衛本能だったのだと思います。

つらい人生を生き抜いてきたイメージ



つらい記憶ばかりでも、それがあなたの人生の100%ではない


記憶は完璧ではありません。
つらい記憶ばかりがリフレインして、
心が苦しくなる日もあるかもしれません。



でも、それはあなたの脳が、
今日まであなたを一生懸命に守り、
生き抜かせてくれた証拠でもあります。

過去のすべてが不幸だったわけじゃない。
そして、それらを忘れてしまうほど
必死に闘ってきた自分がいる。

今、生きているだけで大正解です。
ぜひ、そんな自分を
「よく頑張って生きてきたね」と、
ちょっとだけねぎらってあげてくださいね。


もし今、過去のつらい記憶が
何度も頭をよぎって苦しかったり、
頭ではわかっていても
心が追いつかなかったりするときは、
一人で抱え込まずに相談しに来てください。

あなたの脳があなたを守るために
懸命に閉じ込めてきた記憶や感情を、
カウンセリングという安心できる空間で、
一緒に少しずつ解放してあげましょう。



あなたが次のステップへ進むための心の整理を、
丁寧にサポートいたします。


まずはどうぞ、
お気軽にお話を聞かせてくださいね。



もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
エッセイはこちら

 

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