毒親の世代間連鎖が起こる本当の原因とは?親の背景を知り自分を救う方法
毒親の世代間連鎖が起こる本当の原因とは?
「なぜうちの親はあんなに怒りを
爆発させていたんだろう?」
「自分が悪い子だったから
ひどい扱いをされたの?」
そんな風に、理由のわからない生きづらさに
悩んでいませんか?
実は、親の性格や生育環境だけでなく、
私たちのルーツに隠された「あるトラウマ」が
関係しているかもしれません。
先月観たドキュメンタリー映画
「父と家族とわたしのこと」の感想とともに、
毒親や虐待の世代間連鎖が起こる本当の原因と、
そこから自分を救い出す方法について考えます。
なぜ「優しかった人」が恐ろしい親になってしまうのか
これは3人の方の姿を追った
ドキュメンタリー映画です。
演じているわけではないので、その生々しさが
リアルに突き刺さります。
3人の方々はいずれも、親族が戦争に行き、
戦争トラウマを背負った人たちの子孫です。
親が子供を虐待する時、
親自身の性格や生育環境だけでなく、
この「戦争トラウマ」も、表に出にくいものの
大きな影響を及ぼしています。
「人を殺してはいけない」という
当たり前の価値観で生きていたのに、
ある日突然戦地に行かされ、
真逆の生き方を迫られる。
出兵する時はみんなが旗を振って
見送ってくれたのに、終戦後戻ってきたら、
世間は「なんで戻ってきたんだ」という
空気になっている。
こうしたぶつけようのない怒りが、
一番出しやすい「家庭」の中で、
妻や子供に向けられてしまうのです。
今回映画に登場した方の父親は、
戦争に行く前は周りから「優しくていい人」だと
言われていたそうです。
優しくていい人だからこそ、
心が壊れてしまったのかもしれません。

虐待の世代間連鎖が起こる理由「無自覚のトラウマ」
子供は、
なぜ父親が自分を虐待するのかわからない。
ただただ神経を張り詰めて、
息を潜めて生きるしかない。
でも、大人になって自分が親になった時、
あれほど嫌っていた親と同じように、
我が子に暴力を振るう自分に愕然とする。
原因がわからないから、
無自覚のまま虐待は世代間連鎖します。
戦争トラウマを抱えた男性の多くが、
家族を虐待したのち、
自死かそれに近い亡くなり方を
されているそうです。
直接戦争で命を落とさずとも、
戦争によって間接的に命を落とし、
その家族の心と体をも大きく傷つけている。
もうこんなん、どこにも救いがないやん。
観ながら、そんな風に思えたりもしました。
【心中ごっこ】
【いつでも逃げられるように普段着で寝る】
など、サバイバーだからこそのエピソードには、
「あぁ、私もそうだった」と
私自身と重なる部分が多くありました。
私の父は終戦時まだ子供でしたし、
祖父が徴兵されたという話は
聞いたことがないのですが、
なぜ父があれほど常に怒りを爆発させていたのか
を考える時、私の知らない戦争トラウマが
あったのかもしれません。
私は父に何が起こっていたのか、
なぜ私たちはあんな扱いを
受けなければならなかったのかを、
今後も知りたいと思っています。
科学で証明された「警戒モード」の遺伝(エピジェネティクス)
「私の親は戦争に行っていない」と
思われる方もいるでしょう。
でも、私たちの先祖の誰かが
戦場に行っていなかったとしても、
何らかの形で戦争
(いつ死ぬかわからない恐怖、飢え、絶望)を
体験しています。
それらは、人を人でなくしてしまうものです。
例えば「エピジェネティクス
(遺伝子発現の制御に関する研究)」によると、
先祖が極限状態のストレス(飢餓や生命の危機)
を経験すると、ストレスに対処するための
遺伝子の働き(オン/オフのスイッチ)に
変化が起こり、それが子や孫の世代に
遺伝することがわかっています。
つまり、「警戒モード」が最初から高めに
設定された身体を持って生まれてくる
可能性があるのです。
(※エピジェネティクスについては、以前書いたブログ『性格は変えられる~エピジェネティクスが教えてくれる「何者にでもなれる」理由』もよかったら参考にしてくださいね)
自分を被害者の生き方から救う「加害者研究」とは
最後に、日本に「アダルトチルドレン」という
言葉を広めた第一人者である、
信田さよ子先生の言葉がとても心に残りました。
「被害者が加害者から距離を置き、
加害者研究をすることで、
初めて自分の人生を生きることができる」
加害者が何を抱えていたかを知ることが、
自分を被害者の生き方から
救う方法なのだと思います。
映画の3名の方も、最後はお墓参りや、
父親が勾留されていたシベリアを訪れたり
されていました。
親の人生に何が起こっていたかを知ることで、
ご自身の人生を取り戻していかれる姿に、
神々しささえ感じました。
人は時にあまりにも残酷で無力ですが、
それと同時に、
とてつもない回復のパワーも
持ち合わせているのです。
私が昨年12月に行った書籍ご購入者様へ向けての
お話し会でも、こんな話をしました。
「相手に何が起こっていたかを知ることは、
相手を許すことではなく、
自分が悪い子だからひどい扱いをされたのでは
ないという『自分を救う』ことになる」
これが、信田先生のおっしゃる
「加害者研究」なんだと思います。
被害者側が加害者の都合を知ろうとすることは
正直苦しいことですが、
それによって「自分に落ち度はなかった」と
証明することにもつながるのです。
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生きづらさの連鎖は、私たちの代で断ち切ることができる
戦争は無関係な昔の話ではありません。
戦争トラウマの影響を知ることが、
機能不全家族の世代間連鎖を止める
第一歩になります。
トラウマは身体や無意識に刻まれますが、
それは固定された呪いではありません。
自分たちの代で
その「生きづらさのパターン」に気づき、
安全な環境でケアを行うことで、
次の世代への連鎖を断ち切ることは
十分に可能なのです。
ですが、長年かけて心と身体にしみついた
「警戒モード」を一人きりで解いていくのは
簡単なことではありません。
頭では「もう安全だ」と分かっていても、
身体がキュッと強張ってしまうのは、
神経系の自然な防衛反応だからです。
だからこそ、どうか一人で抱え込まずに、
専門的なサポートを頼ってください。
私のカウンセリングでは、
お一人おひとりの身体の緊張や
無意識に刻まれたトラウマに
優しくアプローチし、
神経系のチューニングを
本来の安心できる状態へと戻していく
お手伝いをしています。
「もう、この苦しい連鎖を終わりにしたい」
「自分の人生を、自分の足で歩んでいきたい」
そう感じた時は、
いつでもお気軽にご相談くださいね。
あなたの中に眠る「回復のパワー」を、
一緒に呼び覚ましていきましょう。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
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