アダルトチルドレンは、なぜ自分と他人の境界線が曖昧なのか?
人との境界線が曖昧な人がいます。
他人の問題なのに、自分が過剰に責任を感じてしまったり、
または自分の問題に他人を介入させてしまいます。
自分と他人の問題の区別がつかず、責任の所在がどこにあるのかわからなくなります(関連記事 【アダルトチルドレン】問題がごっちゃになりがち!)
機能不全家族に育ったアダルトチルドレンには、自分と他人の境界線が曖昧な人が多いです。
今日はその理由についてお話しします。
子供にとって親の存在は絶対です。
自分で生きる能力のない子供にとって、親から見捨てられると命の危機です。
親から見捨てられないために、子供は無意識に親の意向に添うよう振る舞います。
親の言うことを聞かずに自分の意見を通すというのは、子供にとってとてもリスクがあるからです。
親自身がきちんと自他の境界線を引ければいいのですが、そうではなかった場合、子供に自由に選択させず親がなんでも先回りしてしまい、子供の境界線に踏み込んでしまいます。
また親自身が不機嫌になって子供に言うことを聞かせようするのは、自分の不機嫌の責任を子供に取らせようとする行為であり、これは自分の境界線に子供を引き込んでいます。
それでも子供は親の行為の善悪の判断がつきませんから、親の望むように振るまいます。
親が自分の意見を押し付けてきたら反論できませんし、親が不機嫌なら必死で親の機嫌が良くなる方法を考えます。
そうして子供自身も知らないうちに、親と自分の境界線がわからなくなり、そして境界線が曖昧なまま社会に出て、他人との人間関係に苦しみます。

しかし幼い頃から当たり前のように境界線に踏み込まれたり踏み込んだりしていたために、何がおかしいのかに気づけません。
他の方法を知らないからです。
どんなに生きづらいと感じていても、その方法しか知らずに育ったからです。
大人になり、いざ適切な人との距離感を掴もうと思っても、恐れの感情に襲われます。
子供の頃、親から見捨てられるかもしれないと感じた恐怖が大人になった今でも、自分が他人から拒絶されるのではないか?という恐れとなって、怖くなるのです。
また他人の世話を焼きすぎたり、過剰に人に尽くしすぎた人が、いざ境界線を引こうと思っても「こんな自分は冷たい人間なのではないか」と、罪悪感にさいなまれる場合もあります。

親が自他の境界線が曖昧だと、子供も境界線が曖昧なまま育ち、その後人間関係で苦労します。
でも他の方法を知らなかったのだから、仕方なかったんです。
それは性格がどうとかではありませんので、自分を責める必要はありません。
気づいた人から、新たに境界線を構築すればいいんです。
そうすれば、あなたの後の代に連鎖させることはありません。
不安や恐れも当然出てきますが、ゆっくり時間をかけて自分の境界線を確立させていきましょう。
カウンセリングでは、その人に合わせた方法で境界線を構築する様々なワークをご提供しております。

境界線は人間関係における基本です。
また私たち人間は人間関係なしに生きてはいけません。
あなたも自分の境界線をしっかり引いてみませんか?