NOが言えないのは弱さじゃない。~人に流されず、自分の気持ちを伝えるために大切なこと~
NOが言えない私がしんどい・・・人に振り回されず、自分の気持ちを伝えるには?
「断れない」「自分の意見が言えない」「相手に合わせてしまう」
そんなふうに感じて、生きづらさを抱えていませんか?
たとえば、
- 嫌われたくなくて、つい無理してでも相手の誘いを受けてしまう
- 本当はしんどいのに、ニコニコして「大丈夫」って言ってしまう
- 「自分がどうしたいか」よりも、「相手がどう思うか」が優先になってしまう
これは単に「気が弱い」とか「優しすぎる」からではありません。
もしかすると、あなたの中にまだ子どもの頃の心の傷や、安心できなかった環境の名残があるのかもしれません。
NOが言えないのは、「弱さ」じゃなくて「生き抜くための知恵」だった
子どもの頃、家の中がピリピリしていたり、親の顔色をうかがって育ってきたりしませんでしたか?
・怒らせないように先回りする
・「わがまま言っちゃダメ」と言われてきた
・自分の気持ちより、大人の気持ちを優先してきた
そうやって、本当の気持ちを抑えることで、なんとか安全を保とうとしていたんです。
これはポリヴェーガル理論でいう「社会交流システム」がちゃんと働いていない状態。
「NOを言う=危険」と、あなたの神経系が今も記憶しているのかもしれません。
つまりNOが言えないのは、あなたが悪いからじゃない。ちゃんと生き延びてきた証なんです。

頭では「断っていい」とわかってても、体が言えないのはなぜ?
これをパーツ心理学の視点で見ると、さらに理解しやすくなります。
「断ったら嫌われるかも」「傷つけてしまうかも」
そう思ってしまうとき、あなたの中の“過去の子どもパーツ”が、当時の記憶をもとに反応してるんです。
そのパーツは、「誰かを怒らせたら危ない」「いい子でいないと愛されない」と信じて、必死で守ってくれてる存在。
だから「NOを言いたい自分」と「NOを言えない自分」が、心の中でせめぎ合ってしんどくなるんですね。
「私はこう感じてる」と伝えるだけでも、心が楽になる
そんなときに、少しずつ練習できるのが「I(アイ)メッセージ」での伝え方。
たとえば休みの日に気の乗らない誘いを受けた場合、こんなふうに言ってみるのはどうでしょう?
「私は休みの日は、家族との時間を大切にしたいと思ってるんです。
だから今回はごめんなさい。でも、誘ってくれてありがとう。」
ポイントは、
- 相手を責めない
- 自分の気持ちを主語にする(I=私)
- 相手の好意はちゃんと受け取る
こうすることで、相手を大切にしながらも、自分の気持ちも守ることができます。
これは「NO」というより、「私の大切なものを伝える」行為なんです。
「主語を私にする」だけで、関係性がぐっと変わる
たとえば、誰かの言動にモヤッとしたときに、
- 「あなたっていつもそう!」→相手は責められたように感じる
- 「私はそれを聞いて、ちょっと悲しくなった」→相手も受け取りやすい
同じ状況でも、「主語」が変わるだけで、印象も関係も大きく変わってきます。
言いたいことを言う=ケンカになる、って思ってる人が多いですが、本当は「自分の気持ちを穏やかに表現するスキル」さえあれば、むしろ信頼関係は深まるんです。

自分を大事にすると、人との関係もラクになる
自分の気持ちを押し込めてばかりいると、だんだん「私って何がしたいんだろう?」ってわからなくなってきます。
これは、心と体が「もう無理」ってサインを出している状態。
まずは、小さなことからでいいので、「本当はどうしたい?」って、自分に聞いてあげる時間をつくってみてください。
最初はうまく言えなくても大丈夫。
それでも少しずつ、自分の内側の感覚が戻ってきます。
「NOが言えない自分」も、ちゃんと守ってきた証
「断れない私」「合わせてしまう私」
その姿にもちゃんと意味があったし、頑張ってきた理由があります。
でも、もう一人で背負わなくていいんです。
あなたが安心して「自分の気持ちを伝える」練習ができる場所もあります。
一緒に「自分を大切にする練習」してみませんか?
もし今、「NOが言えない自分がつらい」「でも、どうしていいかわからない」って感じているなら、
その気持ち、どうか一人で抱え込まないでください。
わたしのカウンセリングでは、あなたの心の中の“言えなかった声”に、やさしく耳を傾けながら、
少しずつ「自分の気持ちを伝える力」を育てていくお手伝いをしています。
あなたがあなたらしく、心地よい人間関係を築いていけるように。
まずは、今のあなたの「しんどさ」を、安心して話せる場所として、使ってくださいね。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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