体の感覚がわからない理由とは?~ トラウマと内受容感覚の関係をやさしく解説 ~

この記事の内容

体の声がわからないという違和感


「お腹がすいてるのかもわからない」

「安心しているのか、不安なのかも曖昧」

「体の痛みには敏感だけど、それ以外は鈍感」

そんなふうに感じたことはありませんか?

それはあなたが“鈍い”わけでも、“おかしい”わけでもありません。もしかしたらそれは、「内受容感覚(ないじゅようかんかく)」という、大切な体の感覚システムがうまく働いていないサインかもしれません。

そして、そこには“トラウマ”“過去のつらい経験”が大きく関係していることがあります。



内受容感覚ってなに?


内受容感覚とは、「自分の体の内側の状態を感じ取る力」のこと。

たとえば、

  • 心臓の鼓動の変化に気づく
  • 呼吸の速さや深さを感じる
  • 空腹や満腹、のどの渇きに気づく
  • 緊張やリラックスなど、体の反応をキャッチする


つまり、自分の身体の内側で起きていることに気づく力なんです。



これは、体の“センサー”のようなもので、わたしたちが「今、自分は安心している」「今、不安になってる」などと自分の状態を知るための土台になります。



なぜ内受容感覚が鈍くなるの?


これは、トラウマや慢性的なストレス、家庭環境などが大きく影響しています。

たとえば、アダルトチルドレンのように幼少期に安心できる居場所がなかった人は、

  • 体の違和感に気づく前に「無視するクセ」がついていたり
  • 怒られる前に空気を読む必要があって、自分の感覚よりも“相手の顔色”に集中していたり


こんなふうにして、自分の体の感覚を感じることが「後回し」になってしまうんです。



ポリヴェーガル理論が教えてくれる「安全」の感覚


ポリヴェーガル理論では、「人は安全を感じているときにだけ、社会的に関わることができる」と言われています。

つまり、安心してこそ、人とつながれたり、自分の感情を感じられたりするんです。

でも、トラウマがあると脳や神経は「危険だ!」と誤作動しやすくなっていて、本当は安全なのに、常に緊張していたり、体が硬くなっていたりします。

そうなると、内受容感覚もブロックされてしまいます。

安心して体の声を聞けないと、どんどん「自分がどう感じているのか、わからない」状態になってしまうんです。

自分の感覚がわからないイメージを、考え事をしている女性の画像で表現



ソマティック心理学の視点:体を通して感情に気づく


ソマティック心理学は、「体と心はつながっている」という考えを大切にしています。

たとえば、体の中にある「ギュッと縮こまった感覚」「胸のあたりのモヤモヤ」に意識を向けることで、そこにある未処理の感情やトラウマのエネルギーに気づくことができるんです。

このとき、「内受容感覚」が鍵になります。

内受容感覚が回復してくると、

  • 自分が本当に疲れていることに気づけたり
  • 小さな幸せを“体で感じられる”ようになったり
  • 「ああ、今は安心してるな」と感じられたり

体と心の「つながり」が回復していくんです。



よくある「誤解」と「誤作動」


「痛みにはすごく敏感なのに、それ以外の感覚には鈍い」という人も多くいます。

これ、実はよくあることです。

トラウマを抱えていると、体は“危険信号”だけに過敏になりがちなんです。

だから、「痛み」「不快」「緊張」にはすぐ反応するけど、「快適さ」「安心感」「満たされた感じ」には反応しにくくなってしまう。

これは“感覚の偏り”なんです。

そして、その偏りがずっと続くと、「体=しんどい」「感じる=つらい」という認識になりやすく、ますます「自分の体に意識を向けること」が苦手になってしまうんです。



少しずつ、取り戻す方法


では、どうすれば内受容感覚を取り戻していけるのでしょうか?

ポイントは「少しずつ、今ここに意識を向ける」こと。

たとえば、

  • 朝、目が覚めたときに「呼吸のリズム」を感じてみる
  • 食事中に「今、どんな味がするかな」と丁寧に味わってみる
  • お風呂で「お湯の温かさ」をじんわり感じてみる


どれも、ほんの数秒でいいんです。

「体ってこんな感じなんだな」「ここに感覚があるんだな」と気づくことが、内受容感覚を育てる一歩になります。



自分の体を味方にできたら


自分の体の感覚に敏感になるって、ちょっと怖いかもしれません。

つらい記憶や感情が出てきそうで、無意識に避けてしまうこともあると思います。

でも、自分の体を敵じゃなく“味方”にできたとき、あなたは「自分に優しくできる力」を取り戻すことができるんです。

不安になったときも、緊張したときも、「呼吸してる」「胸がドキドキしてる」「でも大丈夫」って、自分で自分を落ち着かせられるようになる。

それって、すごく大きな安心感です。



感じることをあきらめないで


もし今「よくわからない」「感じられない」と思っていたとしても、大丈夫。

内受容感覚は、育て直すことができます。

あなたの体は、ずっとがんばってきました。

感じることを一度手放したのも、生きるために必要だったから。

でもこれからは、安心の中でもう一度、感じることをゆるしていい。

そんなふうに思えたなら、あなたの人生はきっと、少しずつ変わっていきます。


人生が少しずつ変わるイメージを、日の当たる森の画像で表現



カウンセリングという安心の場で


もし、自分の体や感情と向き合うことに不安があるときは、ひとりでがんばらなくても大丈夫です。

安心して話せる場所、あなたのペースで「感じること」を取り戻せる場所として、カウンセリングを活用してみませんか?

あなたの体と心が少しずつ回復していくためにサポートいたします。




もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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