「動きたい。でも動けない」脳がいつも考えている2つのことが、生きづらさのカギだった
その「生きづらさ」、あなたのせいじゃない
「安心したいのに、なぜか緊張がとれない」「何か始めたいけど、すぐ疲れてしまう」——
そんな風に、自分を責めてしまうことありませんか?
でも、それにはちゃんと理由があります。
あなたの“脳”が、今この瞬間もずっと「2つのこと」を考え続けているから。
脳がいつも考えている2つのこと
私たちの脳は、生き延びるために2つのシンプルな問いを常に投げかけています。
①ここは安全か?
②エネルギーをできるだけ使わずに済むか?
①「ここは安全か?」を探し続ける脳
脳はまず「この環境は自分にとって安全か?」を瞬時に判断します。
これは、私たちの祖先がサバンナで猛獣から身を守っていた時代の名残。
現代でも、人混み・音・人の表情・雰囲気などから無意識に安全性をチェックし続けています。
子ども時代に安心できる環境が少なかった人ほど、この「安全確認スイッチ」が常にオンの状態。
だから、些細な刺激でも緊張や不安が高まりやすいんです。
②「エネルギーを節約したい」と願う脳
脳はとても燃費の悪い臓器。
だから、なるべく「新しいこと」「変化すること」は避けたいと思っています。
脳にとっては、「今のままでいよう」とすることが、省エネで安心な選択なんです。
でも、その“省エネ”が私たちの変化や挑戦を邪魔してしまうこともあるのです。
安心できない人ほど、「変われない」に悩む理由
安心できない人ほど、「変わらなきゃ」と焦ります。
でも、焦るほど脳は防衛反応を強めてしまうのです。
たとえば、
- ダイエットや習慣改善が3日坊主で終わる
- 楽しいはずのことも「何か起こるんじゃないか」と不安になる
- 急に泣きたくなる、落ち込む、イライラが止まらない
こうした反応は、あなたの意思が弱いからではありません。
すべては「安全を守り、省エネで生きたい」という脳の本能的な働きなんです。

不安の回路しか知らない脳
安心を感じる経験が少ないと、脳は「不安の回路」ばかりを使うようになります。
不安や緊張が日常になると、それ以外の選択肢がないように感じてしまう。
でも、それは「他を知らなかっただけ」。
安心・心地よさの回路は、今からでも育てられる
脳には「可塑性(かそせい)」があります。
これは、何歳からでも新しい神経回路を育てられるという希望です。
だからこそ、今から安心の感覚を少しずつ育てていけばいいのです。

脳の仕組みを使って、無理なく変わる方法
カウンセリングでは、脳と体の仕組みを理解した上で、以下のようなステップでサポートします。
- 小さな安心体験を繰り返す(神経の書き換え)
- 緊張しやすい体に優しくアプローチ
- 安心を土台にした小さな挑戦
- 脳が気づかないくらいの小さなステップを積み重ねる
「変われない自分」を責めそうになったら、脳の仕組みを思い出して
「またできなかった」「やっぱり私ってダメだ」——
そう思ったときは、脳が「怖いからやめよう」とあなたを守ってくれているのかもしれません。
無理やり動かすよりも、まずは立ち止まって「よくがんばってるね」と声をかけてあげてください。
それだけで、脳は少しずつ安全だと感じ始めます。
あなたの「安心回路」を一緒に育てていきませんか?
当カウンセリングルームでは、脳や神経のしくみに沿った安心感の育て方を大切にしています。
ポリヴェーガル理論やパーツ心理学、身体的アプローチなども取り入れながら、あなたの中にある「安心できる感覚」を一緒に探し、育てていきます。
つらさを我慢する人生から、安心して、心から笑える毎日へ。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら