自己否定を減らす方法|不安で自分を責めてしまうあなたへ
自己否定してしまうのは「弱さ」じゃない
「どうして私は、いつも不安になってしまうんだろう」
「誰も責めていないのに、なぜこんなに自分を責めてしまうの?」
そんなふうに、自分の感情や思考に戸惑い、苦しんでいませんか?
でもそれは、あなたが「弱い」からでも、「おかしい」からでもありません。
実はその背景には、あなたなりの理由や意味がちゃんとあるのです。
この記事では自己否定がなぜ生まれ、どう向き合っていけばいいのか、専門的な視点も交えながらやさしくご説明いたします。
起こっていない未来に怯えてしまう理由
たとえば、まだ何も起きていないのに、「もしこうなったらどうしよう」と先回りして不安になることはありませんか?
本当は、起こる可能性は低いと頭ではわかっているのに、つい最悪のケースを想定して備えてしまう。
それは、あなたの中の「不安」が、これ以上傷つかないように守ろうとしているサインかもしれません。
不安は、未来の危険を予測しようとする心の動きです。
必要以上に働きすぎてしまうとしんどいですが、本来は「身を守るため」に備わっている大切なシステムなのです。
誰にも責められていないのに、自分を責めてしまう
何か失敗したわけでもないのに、「私って本当にダメだな…」と自分を責めてしまうことはありませんか?
それも、実は心を守ろうとする反応のひとつです。
「他人から批判される前に、自分で先に責めておこう」
そうすることで、誰かに責められたときのショックを軽くできる…
無意識のうちに、そんな防衛策をとっていることもあるのです。
「守るため」の自己否定だった
私たちが不安になったり、自己否定してしまうのは、一見ネガティブに思えますが、実はすべて「これ以上傷つかないようにするための反応」でもあります。
・先回りの不安 → 未来のダメージから身を守るため
・自分への批判 → 他人からの批判のショックをやわらげるため
そう考えると、あなたの中にある「不安」や「厳しさ」は、ずっとあなたを守ってくれていた存在だったとも言えるのです。
自己否定を減らす第一歩は、「見方」を変えること
「なんで私はこんなにネガティブなんだろう」
「もっと前向きに考えないと…」
そんなふうに、自分の感情にさらにフタをしようとしていませんか?
でもまずは、「自己否定をやめる」ことよりも、「なぜそうなるのか」に目を向けることが、変化の第一歩になります。
あなたが自分を責めてしまう背景には、必ず理由があります。
その理由に気づくことができたら、「自己否定しちゃダメ!」ではなく、「そっか、私はそうやって自分を守っていたんだな」と、少しやさしい目で自分を見られるようになるのです。

完璧主義や不安も、本当はあなたの味方かもしれない
たとえば、完璧主義な自分に疲れている人も多いかもしれません。
「完璧じゃないと不安になる」
「ミスをしてはいけない」
でもそれも、もしかすると
「失敗したら、誰かに見放されるかもしれない」
「ミスで迷惑をかけたら、愛されなくなるかもしれない」
そんな不安が根っこにあることもあります。
つまり、あなたの完璧主義や不安は、「愛されるために」「安全でいるために」
がんばってくれていた一部なのです。
自分の中のいろんな「私」を知っていく
私たちの心の中には、いろんな「私」がいます。
・不安でいっぱいの私
・がんばりすぎてしまう私
・自分を責めてしまう私
・本当は休みたいのに言えない私
そうした一人ひとりが、それぞれ違う理由で動いていて、どれも「悪い」わけではなく、あなたを守るために役割を果たしてくれていたのです。
(関連記事:心の中はまるで“大家族”──厳しさも不安も、すべてはあなたを守るためだった)
(関連記事:自分の中にはどんな「自分」がいるの?多面的な心を知り、生きづらさを和らげるヒント)
どんな「私」も排除するのではなく、「ありがとう」と声をかけていくことで、少しずつ心がほぐれていきます。
自己否定はやめなくていい、少しずつ「薄めていく」
「自己否定をやめましょう」と言われても、長年続けてきたパターンをいきなり手放すのは難しいものです。
それに、自己否定してしまうことにも意味があるなら、無理にやめる必要はありません。
大切なのは、「少しずつ、その声のボリュームを小さくしていく」こと。
たとえば、こんなふうに言い換えてみるとどうでしょう?
×「私はなんてダメなんだ」
→「今はうまくいかなかったけど、次はどうしようかな」
自己否定の言葉を、少しだけやわらかくしていく。
それだけでも、心の中の空気が変わっていきます。

カウンセリングでは、自分と仲直りするお手伝いをしています
自己否定の声を止めるのではなく、その背景にある思いや役割を知り、少しずつその存在と仲良くなっていく。
カウンセリングでは、そんなプロセスを一緒に歩んでいます。
自分を責めるしかなかった過去、その理由がわかったとき、初めて「仕方なかったんだな」と自分にやさしくなれる瞬間が訪れます。
苦しい気持ちを、一人で抱えなくても大丈夫です。
どうぞ安心して、ご相談くださいね。
あなたの心に、少しでも穏やかさが戻るようにお手伝いできればと思っています。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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