「自分を大切にする方法」――まずやるべきは“やらないこと”を決めること
「自分を大切にする」って、どうやるの?
「自分を大切にすることが大事だよ」
そんなふうに言われたことはありませんか?
でも、実際のところ、
「何をどうしたら“大切にしてる”ことになるの?」と、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。
特に、これまでずっと「誰かのために」とがんばってきた方にとっては、「自分を大切にする」という言葉は、ちょっと曖昧で、つかみどころのないものに感じるかもしれません。
それに、自分を後回しにしてきた歴史が長ければ長いほど、「いきなり自分優先にする」ことへの違和感や罪悪感も出てきますよね。
自分を大切にするって、特別なことじゃなくていい
「旅行に行く」「エステに行く」「好きなものを食べる」
こういった行動ももちろん「自分を大切にすること」のひとつかもしれません。
でも、トラウマや過去の傷を抱えていたり、日々いっぱいいっぱいで心も体もすり減っている状態の中では、そういった“プラスの行動”をする余裕すらないこともあるんです。
だからこそ、私がおすすめしたい「自分を大切にする最初のステップ」は、“やることを増やす”のではなく、“やらないことを決める”というアプローチです。
自分を大切にするために、まずやってほしいこと
それは、
やらないことを決めること。
新しいことを始める前に、まずは「今、自分の中にある“いらないもの”を減らす」ことから始めてみませんか?
もうすでに心も体も疲れきっている状態で、「これからは自分をもっと大切にしてね!」と言われても、どこから手をつけていいかわからないし、何かを足すのもしんどいんですよね。
だからこそ、まずは「削る」こと。
やらなくてもいいこと、無理して続けてきたこと、気が進まないこと――
そのひとつひとつを減らしていくことで、自然と余白が生まれてきます。
そしてその余白の中に、「本当の自分の望み」や「癒し」「エネルギー」が戻ってくるのです。

見直してほしい3つの“やめていいこと”
ここからは、具体的に「まずやめてみてほしい3つのこと」についてお話しします。
① なんとなくやり続けてきたこと
特に理由もなく、なんとなく続けてきた習慣や予定、ありませんか?
・毎週なんとなく見ているテレビ番組
・SNSで延々とタイムラインを眺めてしまう
・興味は薄いけど付き合いで続けている趣味の集まり
これらは一見、負担が少ないように見えますが、少しずつあなたのエネルギーを奪っている「小さなストレス源」だったりします。
まずは、「本当にこれ、今の私に必要?」と問いかけてみてください。
やめても何も困らない、罪悪感も少ないようなことなら、そこから手放してみるのがいいスタートになります。
② 「やらないといけない」と思い込んできたこと
これは本当に多くの方が抱えているパターンです。
・家事はすべて完璧にやらなきゃ
・返信はすぐ返さないと失礼
・頼まれごとは断れない
これらはすべて、「~しなきゃ」「~であるべき」という“思い込み”や“刷り込み”がつくり出したもの。
でも、それって本当に“あなたが”やらなきゃいけないことですか?
誰かにお願いしてもいいかもしれない。
もっとラクなやり方があるかもしれない。
そもそも、やらなくてもいいのかもしれない。
一度立ち止まって、自分の「~しなきゃ」に目を向けてみてください。
③ やりたくないのに我慢してきたこと
「ほんとはイヤだけど、角が立つのがイヤで続けている」
「嫌われたくないから、行きたくない飲み会にも参加している」
「無理して笑顔を作ってる」
――こうした我慢を続けていると、少しずつ、自分の本音がわからなくなってきます。
そして、「自分の気持ちなんて大切にされない」という無力感が蓄積していきます。
でも、あなたがあなたの本音に背を向けてしまったら、もう誰もそれを代わりに守ってはくれないんです。
まずは、全部やめなくていい。
参加回数を減らす、一度断ってみる――それだけでもいい。
小さな一歩が、自分を大切にする確かな実感につながります。

イヤなことを減らすと、心に余白ができる
「自分を大切にすること=何かをすること」と思っている人は多いけれど、実は「やらないことを選ぶこと」も、立派な“自己ケア”のひとつです。
本当にやりたいことや、自分を喜ばせることって、心と時間に余白がないと見えてこないもの。
まずは、今の自分にとって「これはいらない」と思うものを見直すことから始めてみてください。
そして、無理せず、できるところから減らしてみましょう。
【まとめ】自分を大切にする方法は、やらないことから始まる
✔ なんとなくやり続けてきたこと
→ 惰性でやっていることは、見直してみて。
やめても意外と困らないかもしれません。
✔ 「やらないといけない」と思い込んでいたこと
→ 本当に“あなたが”やらなきゃいけないのか、問い直してみよう。
✔ 我慢してやってきたこと
→ 無理に合わせすぎてない?まずは回数を減らすことからでもOK。
これからのあなたへ
「自分を大切にする」というのは、“わがまま”や“自己中”とはまったく違います。
本当に自分を大切にできるようになると、人にも優しくできるし、もっと自然体で生きられるようになります。
まずは今日、「これ以上、自分をすり減らさなくてもいい」と自分に許可を出してあげてください。
カウンセリングで、一緒に「自分を大切にする力」を育ててみませんか?
ひとりでは気づけない“やらなくていいこと”、「本当はどうしたかった?」という気持ちの整理、そして「自分を守っていい」という感覚――
カウンセリングでは、それらを一緒に見つけていくことができます。
ずっとがんばり続けてきたあなたへ。
これからは、自分を傷つけない生き方にシフトしていきませんか?
「自分を大切にする方法」、一緒に見つけていきましょう。
あなたの歩みに、そっと寄り添います。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら