自分を隠して生きるのはなぜ?心が疲れる本当の原因

この記事の内容

自分を隠して生きていませんか?


本日のテーマは
「自分を隠して生きるとは?」です。

カウンセラーを目指す時、
まず最初に言われるのが
「自己一致が大切」という言葉です。

自己一致とは、
自分の中に矛盾のない状態
のこと。

これは何もカウンセラーだけに
当てはまる話ではありません。



自己一致できていない状態とは、
言い換えると「自分を隠して生きている状態」
誰にでも起こりうる、とても身近なテーマです。



自己一致をわかりやすく表す、パンストの例え


私が以前カウンセリングを学んだ先生が、
自己一致についてとてもわかりやすい例え話を
してくださいました。



今でも印象に残っているので、
今日はそのお話をシェアします。

例えば、外出先で
パンストが破れてしまったとします。

伝線しているパンストは、
なんとなく恥ずかしいし、
格好悪いと感じますよね。



だから人にバレないように、
必死で隠そうとします。
(この場では、新しく買い替えるという選択肢は
ないものとします)

しかも場所は、後ろのふくらはぎ。
目立つ場所なので、隠すのも一苦労です。

カバンを後ろに回したり、
歩き方が不自然になったりして、
どこか挙動不審になります。

伝線をどう隠すかに気を取られ、
心も体もとても疲れてしまいます。



隠さなくていいと思えたら、何が起こる?


でももし、
「パンストが伝線しているのは仕方ないよね」
「別に悪いことじゃない」と思えたら、
どうでしょう。

今まで伝線を隠すために使っていた
エネルギーは、もう使わなくて済みます。

怪しい挙動不審もなくなり、
自然に振る舞えるようになります。



心の中でも同じことが起きている


実は、これと同じことが
心の中でも起きています。

本当は不安が強く、人付き合いが苦手。

でも「そんな自分ではいけない」
「弱い自分は出してはいけない」と
思っていると、他人の前では
穏やかで優しい自分を演じようとします。

不安が強い自分(パンストの伝線)を隠し、
穏やかで優しい自分(伝線していない風)を
装う。

そのために、とても大きなエネルギーを
使います。

実際は演じているだけなので、
どこか不自然さがつきまとい、
疲れやすくなってしまうのです。

これが「自己一致できていない状態」
「自分を隠して生きている状態」です。



なぜ私たちは自分を隠してしまうのか


パンストの伝線そのものは、
決して悪いことではありません。

それでも私たちは、

・恥ずかしい
・人からどう思われるだろう
・嫌われたらどうしよう
・こんな自分には価値がない

そんな思いを、心の奥深くで
信じてしまっています。

その結果、
ありのままの自分でいることができず、
隠し、装い続ける人生になってしまうのです。

自分を隠して生きるイメージを、テーブルに隠れる白黒のぬいぐるみの画像で表現



自分を隠して生きることを手放す第一歩


今がどんな自分であっても、
「良い・悪い」で判断しないこと。


それが、自分を隠して生きることを手放す
第一歩だと私は思います。

今の自分は、過去のさまざまな困難を
なんとか今日まで生き抜いてきてくれた存在。

いわば、人生の戦友です。

だから、隠さなくていい。

「これが今の私なんだ」と、
まずは認めてあげること。

そして、もっとこうなりたいと思う
部分があれば、少しずつ変えていけば
いいのです。



隠すことにエネルギーを使いすぎると


隠すこと、装うことに膨大なエネルギーと時間を
使っていると、心の余力がなくなります。

気づけば、隠すことだけで疲れ切ってしまう。

でも、パンストが伝線していても大丈夫。

だって、今あなたは
ちゃんと生きているのだから。


伝線している自分が「今の自分」

まずは、その事実を認めてあげてください。



その価値観は、本当にあなたのもの?


「こんな自分ではダメだ」と、
頑なに信じている価値観。

それは多くの場合、親や周囲の人、
社会の中で繰り返し受け取ってきた言葉や態度に
よって、少しずつ心の中に
刷り込まれたものです。

子どもの頃、

・我慢することが良いこと
・弱音を吐くのは弱い人間だ
・人に合わせないといけない

そんな空気の中で育つと、
自分を隠すことが「生きるための工夫」に
なっていきます。



自分を隠しているときに現れやすいサイン


もし、次のような状態に心当たりがあれば、
それはあなたが無意識に自分を隠して生きている
サインかもしれません。

・人と会うと、どっと疲れる
・本音を言う前に、相手の反応を考えてしまう
・嫌われないように、つい無理をしてしまう
・一人になると、ホッとするけれど罪悪感もある
・「本当の自分を知られたら離れていかれそう」と感じる

これらは性格の問題ではなく、
これまでの環境の中で身につけた
心の防衛反応です。



自分を隠さなくなったときに起こる変化


少しずつでも「今の自分」を
否定せずにいられるようになると、
心と体にはこんな変化が起こり始めます。

・人前で無理に頑張らなくなる
・理由のない緊張や不安が減る
・人との距離感を自分で選べるようになる
・エネルギーを消耗しにくくなる

自分を変えようと頑張らなくても、
「隠すのをやめる」だけで
楽になることは多い
のです。

自分を隠さなくなって楽になったイメージをしゃぼん玉の画像で表現



最後に・・・


今回は「自分を隠して生きるのはなぜ?」という
視点から、心が疲れてしまう原因について
お伝えしました。

自分を隠して生きることは、
あなたが弱いからでも、ダメだからでも
ありません。


それは、これまでの環境の中で
必死に身につけてきた、生きるための工夫です。

もし今、 「一人で抱えるのが少ししんどいな」
「頭ではわかるけど、心がついてこない」
そんな感覚があるなら、
誰かのサポートを借りてもいいのかもしれません。

私のカウンセリングでは、
無理に変わろうとするのではなく、
今のあなたの心の状態を一緒に理解すること
大切にしています。

自分を隠さずにいられる感覚を、
少しずつ取り戻していきたい方は、
必要なタイミングで、そっとカウンセリングへの
扉を叩いてみてくださいね。



もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
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