不機嫌な親を持った子供の末路・・・
不機嫌な親を持った子供はどうなるのでしょうか?
子供の頃、親がいつも不機嫌だった。
いつもイライラしていて、家の中がピリピリしていた。
口を開けば誰かの悪口だった。
何事もまず否定から入る。
こんな親を持った子供は大変です。

小さい子供にとっては、どんな親だろうが親が全てなのです。
親に捨てられたら生きていけません。
なんとかその環境に適応しようと、常に親の顔色をうかがうようになります。
「今日はお父さん(お母さん)の機嫌はどうだろうか?」
「今なら話しかけても怒られないだろうか?」
常に親の顔色、場の空気を読んで生活するようになります。
これはとっても疲れる習慣です。
本来なら必要のないことに沢山のエネルギーと時間を奪われます。
そして毎日グッタリと疲れてしまうのです。

しかし、悲劇はこれだけではありません。
他人に対しても顔色をうかがったり、場の空気を読んでしまうので、家でも外でも気の休まる時がありません。
そしてさらに、あれほどイヤだと思っていた親の不機嫌な態度を、いつの間にか自分もしてしまっていることに気づきます。
親の間違ったコミュニケーション方法を、子供は善悪の判断がつかないうちに無意識にコピーしてしまいます。
他にお手本がいなかったので「お手本にしよう」と思ったわけでなくても、その方法しか知らなかったのでそっくりそのままコピーしてしまうのです。
そして不機嫌で他人をコントロールしようとするその間違ったコミュニケーション以外にも、親から引き継がれるものがあります。
それが「神経状態」です。
親が常にピリピリ・イライラしていたのなら、子供にもその神経状態は引き継がれます。
近くに不機嫌な人がいるとこっちまで落ち着かなくなるのは、相手の神経状態に影響を受けているからです。
私たち人間は、他人の神経状態が伝染する生き物です。
ましてや家庭内で不機嫌をまき散らしていた親と長年暮らしていれば、親の神経状態はしっかりコピーされるのです。
不機嫌な親がいる家の中というのは、子供にとっては安心できる場所ではありません。
家の中でも常に緊張し、危険を察知する必要があります。
そうするとリラックスすることができず、心身共に張りつめてしまうのです。
この状態で長く生きてくれば、ストレス耐性も低くなりますし、体の不調も抱えやすくなります。
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不機嫌な親を持った子供は、親の間違ったコミュニケーションだけでなく神経状態をも引き継ぎ、なぜだかよくわからないまま人生がハードモードになってしまうのです。

でも気づいた人は大丈夫。
親からの不幸な連鎖を断ち切れるのは、気づいた人だけです。
まずは危険を感じ続けてきた心と体に、安心感を覚えさせてあげましょう。
もう世界は怖いところではないよ、もう危険はないよということを心と体に教えてあげる必要があるのです。
今まで大変な中を生き抜いてきたご自身をぜひ労ってあげてください。
もうピリピリ・イライラの世界で生きていかなくてもいいよと伝えてあげましょう。
カウンセリングでは、過去のトラウマによる緊張状態の体を少しずつ緩めてあげるワークをご提供しています。
体の不安が少し減ったら、他人との正しいコミュニケーションを覚えていきましょう。
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