職場・家族・友人、人間関係がスムーズになる「聞き手」側の5つのコツ
聞き方ひとつで人間関係は変わる
人間関係の悩みの多くは、話し手と聞き手の間のコミュニケーションギャップから生じます。
前回は「話し手」としての伝え方のコツをご紹介しましたが、今回は「聞き手」としての傾聴術に焦点を当てます。
「相手の話をちゃんと聞いてるつもりなのに、なぜかうまくいかない」 そんな風に感じたこと、ありませんか?
実は、聞き方にはコツがあるんです。
今回は、日常生活でも職場でもすぐに使える「聞き手側のコミュニケーションスキル」を、 心理学の視点や具体的な例を交えながら、わかりやすく解説していきます。

【聞くこと=ただ黙ること】じゃない!?
「傾聴(けいちょう)」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、 ただ黙って聞いていればいいというものではありません。
傾聴とは、相手の話の内容だけでなく、その背景にある気持ちや価値観を理解しようとする姿勢のこと。
それでは、聞き手側に求められる具体的なスキルや考え方を、ひとつずつ見ていきましょう。
①「主語・目的語・感情」をキャッチする
例:
友人:「なんか最近、職場の人と合わなくて、イライラするんだよね」
✕「でも、どこに行っても人間関係って大変だよ」
→ 相手の感情が受け取られていない印象に。
〇「そっか、誰とどんなことで合わないって感じてるの?」
→ 誰が(主語)、何に対して(目的語)、どう感じているか(感情)を整理しながら聞く。
②「答え」を出すことより、「理解」することを優先する
人はアドバイスよりも、「わかってもらえた」と感じることで癒やされます。
例:
家族:「最近なんか疲れてて・・・」
✕「じゃあ、早く寝たら?」
〇「毎日忙しいのかな。何が一番疲れるって感じてる?」
→ 解決策をすぐに出すのではなく、相手の内側にある気持ちに寄り添う。
③先入観を持たずに聞く
「たぶんこう言いたいんだろう」と予想して聞くと、本当の意味を聞き逃します。
例:
同僚:「最近、会議の雰囲気が苦手で・・・」
✕「また上司がうるさいからでしょ?」
〇「どんなときに苦手って感じる?」
→ 相手の話すペースや視点を大切にする。
④相手の言葉に感情移入しすぎない
感情移入しすぎると冷静に聞けなくなったり、自分の価値観で判断してしまいがちです。
例:
友人:「親からまた否定的なこと言われて・・・」
✕「ひどい!そんな親、私なら絶対距離置くわ!」
〇「またそんなこと言われたのね。どう感じた?」
→ 主語を“私”にせず、相手の世界にとどまる。
⑤「事実」「意見」「感情」の違いを意識して聞く
話の中には、事実・意見・判断・感情などが混ざっています。 これらを整理して聞くと、より深く理解できます。
例:
相手:「あの人って本当、自分勝手で嫌になる」
→ 「自分勝手」は判断、「嫌になる」は感情。
〇「そう感じたんやね。どんな場面でそう思った?」
→ 事実(どんなことがあったか)を丁寧に聞く。
聞き手が意識したい心のあり方
・「今この人は何を伝えたいんだろう?」と探る姿勢
・「正しいか間違ってるか」で聞かず、「どう感じたのか」を大切にする
・「聞ききる」ことで、相手の心がほぐれていく
話し手と聞き手、連携してこそ成り立つコミュニケーション

話し手のポイント | 聞き手のポイント |
---|---|
質問か意見か、明確に伝える | 先入観なく、純粋に相手の言葉に耳を傾ける |
経緯や背景を含めて話す | 主語・目的語・感情を意識して聞く |
アイメッセージで気持ちを伝える | 判断や評価ではなく、感情を受け止める |
相手がわかってる前提で話さない | 「理解しようとする姿勢」で聞く |
要点をまとめて、伝えたいことを明確にする | 感情移入しすぎず、冷静に聞ききる |
「聞く力」は誰でも育てられる
聞き方のコツを知っているだけで、人間関係がグッと変わります。
初めからすべてを完璧にする必要はありません。
「今日はこの部分だけ意識してみようかな」と少しずつ取り入れることで、 気づけばまわりとの関係性が穏やかに、安心感のあるものに変わっていくはずです。
もっと安心して話せる関係性を築きたいあなたへ
もし「家族や職場の人との関係に悩んでいる」 「聞いているつもりでも、うまく伝わらない」 「相手の話をもっと深く受け止められるようになりたい」
そんな思いがあれば、カウンセリングという形であなたのお力になれます。
私自身も人との関わりに悩んだ経験があり、 だからこそ、寄り添う気持ちを大切にしています。
ひとりで抱え込まず、安心して話せる場所で、 ゆっくりと本来の自分を取り戻していきませんか?
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら