アダルトチルドレン6つのタイプと特徴|トラウマ・家庭環境との関係とは
「なぜ私だけ、生きづらいの?」そんなあなたへ
「私って、なんでこんなに生きづらいんだろう」「うまくやろうとしても、いつも心が苦しくなる」
そんな風に感じている方の中には、「アダルトチルドレン(AC)」という言葉にピンときた方もいるかもしれません。
アダルトチルドレンとは、機能不全な家庭環境で育ったことにより、大人になってもその影響を強く受けている人たちのことを指します。
たとえば、親の顔色を伺って育ったり、感情を表に出すことを許されなかったり、安心して「子どもらしく」いられる時間がなかったり・・・
そんな環境で身につけた「生きるための方法」は、大人になってからも無意識に繰り返され、自己肯定感の低さや人間関係の悩み、過剰な不安感などにつながることがあります。
今回は、アダルトチルドレンの代表的な「6つのタイプ」に加え、パーツ心理学の視点から、それぞれの行動の“奥にある思い”にも触れながら解説していきます。
タイプは“ラベル”ではなく、“理解のための入り口”
まず大前提としてお伝えしたいのは、「あなたはこのタイプだからダメ」とか「このタイプに当てはまるから問題がある」ということではありません。
人はもっと複雑で、多面的な存在です。
ここで紹介するタイプは、あくまでも自分の内面を優しく見つめるためのヒントとして活用してくださいね。
1. ヒーロー(英雄タイプ)
頑張ることで愛されようとした、健気なあなたへ
家族の中で「優等生」として振る舞っていた方に多いタイプです。
勉強やスポーツで良い成績を出したり、家の手伝いをたくさんしたり。周囲から「すごいね」「立派だね」と言われることで、自分の存在価値を感じていたかもしれません。
でも、本当はどうだったでしょうか?
「頑張らないと愛されない」「弱さを見せたら見捨てられる」
そんな思いを、誰にも見せずに胸の奥で抱えていませんでしたか?
パーツ心理学で見てみると・・・
ヒーロータイプの中には、「必死に頑張るパーツ」と「頑張らないと不安で仕方ないパーツ」が共存しています。
そして、もっと奥には「本当は甘えたかった」「安心したかった」という“傷ついたインナーチャイルド”がいることも。
その子が安心できる環境を少しずつ作っていくことで、頑張りすぎない自分を許せるようになっていきます。
2. スケープゴート(いけにえタイプ)
問題行動の裏にある「わかってほしい」の叫び
家庭内でトラブルメーカーのように見られていた方に多いタイプです。
不登校、非行、自傷行為、家庭内暴力。これらの行動は、一見すると問題行動に見えるかもしれません。
でもその根底には、「誰か気づいて」「私はここにいるよ」という強い願いがあったのではないでしょうか。
パーツ心理学で見てみると・・・
スケープゴートタイプには、怒りや反発を表に出すパーツと、その奥に「見捨てられる痛み」を抱えたパーツがいます。
行動の裏側には「本当は愛されたかった」「安心したかった」という傷ついた感情があります。
「問題行動をした私」は悪ではなく、精一杯のSOSだったのです。
3. ロストワン(いない子タイプ)
「気配を消して」生き延びようとした静かな勇者
親や周囲に迷惑をかけないように、できるだけ目立たず、感情も表に出さずに生きてきた方に多いタイプです。
「いい子」「静かで手がかからない」と言われることも多かったかもしれません。
けれど、その分だけ、自分の本音や欲求を感じることが難しくなってしまった方も少なくありません。
パーツ心理学で見てみると・・・
ロストワンタイプは、「感じないことで自分を守る」パーツを持っています。
このパーツはとても頑張り屋で、自分の感情を閉じ込めることで家の中をなんとかやり過ごしてきました。
でもその奥には、「本当は見てほしかった」「安心して甘えたかった」気持ちがあるかもしれません。
4. クラウン(道化師タイプ)
明るく振る舞うことで家族を守ろうとしたあなた
冗談を言ったり、場を和ませたりして、家庭内の雰囲気を明るく保とうとした方に多いタイプです。
周りの空気を読むのが得意で、人の感情に敏感な人が多い一方で、自分の本音が分からなくなってしまうこともあります。
「空気を壊さないように」と明るく振る舞うことが、自分の気持ちにフタをすることに繋がっていたのかもしれません。
パーツ心理学で見てみると・・・
クラウンタイプには、「みんなを笑わせる役割を担ったパーツ」があります。
でもその奥には、「怖かった」「泣きたかった」「本当は助けてほしかった」感情が静かに眠っています。
無理に明るく振る舞わなくても、ありのままの自分でいて大丈夫だと感じられるようになると、心がふっと軽くなっていきます。
5. イネイブラー(支え役タイプ)
家族の代わりに“親”になった子どもたちへ
親の代わりに兄弟の世話をしたり、家事を引き受けたりして、家族を支えていた方に多いタイプです。
自分の気持ちを後回しにして「どうすれば家がうまく回るか」に必死だった日々。
「自分のことを考える時間」すら持てなかった人も多いかもしれません。
パーツ心理学で見てみると・・・
このタイプには「支えることで役に立とうとするパーツ」があります。
でもその奥には、「助けてって言いたかった」「もう限界って言いたかった」自分がいることも。
大人になった今だからこそ、自分自身を支えることを少しずつ練習していけます。
6. プラケーター(慰め役タイプ)
家族の痛みに寄り添いすぎて、自分を見失ったあなたへ
家族の愚痴を聞いたり、悲しみを癒そうとしたり。
感情面での“支え役”になっていた方に多いタイプです。
「お母さん、もう泣かないで」「お父さんを怒らせないようにしよう」
そんな風に、家族の感情を背負っていたことはありませんか?
その結果、自分の欲求や本音を抑え込み、罪悪感や共依存に苦しんでいる人もいます。
パーツ心理学で見てみると・・・
プラケータータイプには「人を癒すことで自分の存在価値を感じるパーツ」がいます。
その裏には、「自分も誰かに癒されたかった」「受け止めてほしかった」という深い想いが隠れていることも。
人を癒す優しさを、自分自身にも向けられるようになっていけたら、それはとても素敵なことです。

あなたの中の“いくつものパーツ”を否定しないで
ここまで読んで、「あれ、私っていくつも当てはまるかも?」と感じた方もいると思います。
実は、それはとても自然なことです。
人はひとつの役割だけで生きているわけではありません。
環境や状況によって、さまざまな“パーツ”が自分を守ろうとしてくれているのです。
そのすべては、あなたが生き延びるために選んだ、尊い「適応」のかたち。
だからこそ、自分を責める必要はないのです。
あなたには「変われる力」がある
アダルトチルドレンの影響は、人生のさまざまな場面で顔を出します。
でも、それは「あなたが壊れているから」ではありません。
それだけ必死に、懸命に、生きてきた証です。
そして今、その「かつてのあなた」を癒す時間がやってきました。
心の中のそれぞれのパーツに気づき、耳を傾け、優しく寄り添うことで、人生は少しずつ、でも確実に変わっていきます。
もし、ひとりでは難しいなと感じたら、どうか無理をしないでください。
あなたを責めることなく、そっと寄り添い、一緒に歩いていける人が必ずいます。
あなたが、あなた自身を取り戻していく旅を、心から応援しています。
(アダルトチルドレンに関する記事はこちら)

カウンセリングという選択肢もあります
自分のタイプがわかって、少しホッとした方もいれば、逆に「やっぱり私は傷ついていたんだ」と気づいて、胸がぎゅっと苦しくなった方もいるかもしれません。
でも、どんな感情が出てきても、それはあなたが“自分の気持ち”を感じる力を取り戻してきた証です。
私のカウンセリングでは、あなたの中のいろんなパーツに優しく寄り添いながら、「本当のあなた」を見つけていくお手伝いをしています。
✔ 自分の気持ちがわからない
✔ 人との関係でいつも疲れてしまう
✔ もう頑張るのをやめたい
そんな風に感じている方は、ぜひ一度、カウンセリングをご検討ください。
あなたの中にある「もうひとつの可能性」を、一緒に見つけていけたら嬉しいです。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら