アダルトチルドレンとは?~生きづらさの正体と、回復への道筋~
突然ですが、こんなお悩みありませんか?
- いつも人の顔色を気にして疲れてしまう
- 自分が何をしたいのかわからない
- 理由もないのに不安でいっぱいになる
- 感情のコントロールがうまくできない
- 人と親しくなるのが怖い、でも一人もつらい
- 「私さえ我慢すれば」が口癖になっている
もしかするとそれは、「アダルトチルドレン(AC)」という背景からくる生きづらさかもしれません。
アダルトチルドレンってなに?
「アダルトチルドレン」という言葉は、1970年代にアメリカで生まれました。
当初は、アルコール依存症の親を持つ子どもを指す言葉でしたが、現在では家庭の機能不全によって心に深い影響を受けた人全体を指して使われています。
機能不全家族とは?
「機能不全家族」とは、家庭の中で安心や安全、愛情が十分に与えられず、子どもが子どもらしくいられない環境を指します。(関連記事:「隠れ機能不全家族」とは?~特徴と、気づきにくいアダルトチルドレンの生きづらさ~)
例えば、
- 親が怒りや不安を子どもにぶつける
- 過干渉や過保護によって自由が奪われる
- 親が感情的に不安定で、子どもが「親のケア役」になる
- 暴力・暴言・無視などが日常化している
子どもにとって「家庭」が安心できない場所であると、心と身体の緊張が抜けないまま大人になっていくのです。

アダルトチルドレンの「生きづらさ」の正体
機能不全家族で育った子どもは、次のような特徴を持つことがあります。
- 自分に価値がないと感じる(無価値感)
- つい他人の期待に応えようと無理をする(自己犠牲)
- 「楽しんではいけない」と感じてしまう(罪悪感)
- 感情を押し殺してしまう(感情麻痺)
- 一人になると不安になるのに、人と一緒も苦しい(二重の孤独)
これらはすべて、「安心できない環境で生き延びるために身につけた戦略」なのです。
ポリヴェーガル理論から見る「安心の欠如」
ポリヴェーガル理論では、私たちの神経系は「安全・危険・生命の危機」の3つのモードに切り替わるとされています。
アダルトチルドレンの多くは、家庭という本来安心できるはずの場所で「危険モード」をずっとONにして生きてきました。
その結果
- リラックスして眠れない
- 人の表情や声に過敏になる
- 不安や恐れにすぐスイッチが入る
- 逆に、感情がフリーズしてしまうこともある
こうした反応は「神経の癖」であり、脳と身体が過去の体験に今も影響されていることを意味します。
ソマティック心理学:まず「身体の声」を聞く
ソマティック心理学では、「身体は心のメッセージを覚えている」と考えます。
- 胸がぎゅっとなる
- 胃がキリキリする
- 呼吸が浅い
- 無意識に肩に力が入っている
こんな体の反応も、無視できない「心の声」です。
ソマティックなアプローチでは、身体をゆるめ、安全感を体感することで、心の緊張もゆるんでいきます。
パーツ心理学:心の中にいる「いろんな私」
アダルトチルドレンの方の中には、自分の中にたくさんの「声」があると感じる方も多いです。
- 「頑張らなきゃ」と言う自分
- 「もうしんどい」と泣いてる自分
- 「誰かに頼りたい」と思う自分
パーツ心理学では、これらは「内なるパーツ」と呼ばれ、それぞれがあなたを守るために存在していると考えます。
大切なのは、その声を否定せず、対話していくこと。
「今、どんな気持ちのパーツが前に出てる?」と、丁寧に見つめることで、自分への理解と安心が育っていきます。
生きづらさから「生きやすさ」へ。はじめの一歩は?
ここまで読んでくださったあなたは、きっとご自身の生きづらさをどうにかしたいと願っている方だと思います。
解決の鍵は、「自分を安心させる方法を身につけていくこと」です。
それは一朝一夕ではなく、ゆっくりと、自分を知る旅のようなもの。
- 怖くても、人と心でつながる体験を少しずつ増やす
- 「今どんな気持ち?」と自分に問いかける習慣をつける
- 緊張してる体に気づいたら、深呼吸してあげる
- 頑張りすぎた自分に「ありがとう」と声をかける
これらすべてが、あなたの神経系に「もう大丈夫」と伝える大切なサインになります。

カウンセリングという「安心の場所」で
アダルトチルドレンの生きづらさは、一人では抱えきれないものです。
でも、安心できる関係性の中で、自分を少しずつ取り戻していくことは可能です。
私のカウンセリングでは、ポリヴェーガル理論やソマティック心理学、パーツ心理学の知見をベースに、安心・安全な関係の中であなたの心と身体に寄り添います。
「こんな自分でも、大丈夫なんだ」
「安心って、こういう感覚なんだ」
そんなふうに、少しずつ「生きやすさ」を育てていく時間をご一緒できればと思っています。
よかったら、あなたの「話してみたいタイミング」で、いつでもご連絡くださいね。
アダルトチルドレンについて、もっと知りたい・自分に当てはまるか気になるという方は、こちらのカテゴリー記事もご覧ください。
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気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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