幼少期で変わる?第三の神経を育てて自律神経を整える新しいトラウマケア
幼少期の安心感が、自律神経“第三の神経”を育てる鍵だった
「なんで私は、すぐに落ち込んでしまうんだろう」
「どうしてあんなに些細なことで怒ってしまったんだろう」
そんなふうに、自分を責めてしまうことはありませんか?
でもそれは、あなたの“性格のせい”ではないかもしれません。
実はそれ、自律神経のバランス――とくに「第三の神経」が影響しているかもしれないのです。
自律神経には、実は「3つの役割」がある
よく知られている自律神経には、2つの主なはたらきがあります。
- 交感神経:緊張や興奮、活動モードにする神経
- 副交感神経:リラックスや休息、回復モードにする神経
でも実は、私たちの体にはもうひとつ大切な神経があります。それが 「第三の神経」 とも呼ばれる 腹側迷走神経系(ふくそくめいそうしんけいけい)。
この神経が働いているとき、私たちは 「安心できるつながり」 を感じられます。
人と一緒にいてホッとできる、ひとりでいても穏やかに落ち着いていられる――そうした状態が、まさにこの神経が働いているサインなんです。
この神経は、“安心の土台”がないと育たない
この「第三の神経」は、生まれたときから自然に働くわけではありません。
赤ちゃんの頃、泣いたときにすぐに抱き上げてもらったり、お腹がすいたときにちゃんと応えてもらったり、気持ちに寄り添ってもらう体験を繰り返すことで、
「あ、世界は安全なんだ」
「私の気持ちはちゃんと聞いてもらえるんだ」
という、安心感の「体験」が体の中に積み重なっていきます。
この体験こそが、「第三の神経」を育てる土壌になるのです。

安心感がないと、自律神経のバランスが崩れやすくなる
でももし、親がとても忙しかったり、逆に怖い存在だったりして、そういった安心の体験が少なかった場合。
その子は、「安心する」という感覚を、体が知らないまま大人になります。
すると、
- 感情がすぐに高ぶってしまう
- 一度落ち込むと、立ち直れない
といった状態に、無意識に陥りやすくなるんです。
それは“性格”じゃなくて、“神経のクセ”
よく、「私は感情の起伏が激しい」「私って豆腐メンタルだから」と、自分を責めてしまう方がいます。
でも、これはあなたが弱いからではありません。
それは、安心を感じにくい神経のパターンが定着しているだけなのです。
たとえるなら、それは「体に染みついたクセ」のようなもの。
無理に矯正するのではなく、「ああ、私はこういう反応が出やすいんだ」と気づくことから始めればいいんです。
安心感は“あとからでも育てられる”
ここで希望をお伝えしますね。
最近の研究では、幼少期に安心感を得られなかったとしても、大人になってからでも「安心感」は育てられることがわかってきました。
それは、心の持ち方や考え方ではなく、体の感覚を通して神経に伝えるというやり方です。
例えば、
- 静かに呼吸を整える
- セラピーでゆったりと話しながら体を感じてみる
- 安心できる空間で「ほっとする」感覚を体験する
これらはすべて、「第三の神経」を少しずつ活性化させる、大切な一歩になるんです。
トラウマと自律神経 ― あなたの苦しさの根っこ
怒りっぽさ、落ち込みやすさ、不安、自己否定。
それらはすべて、「心が弱い」のではなく、「神経が過敏になっている」ことの表れかもしれません。
これは、トラウマの影響で脳や神経が「危険だ」と反応しやすくなっているから。
でも大丈夫。
神経は “安全”を感じる体験 によって、少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

あなたの“今ここ”に寄り添うケアが必要です
もし今、あなたが
- 自分にいつもダメ出ししてしまう
- 周りと比べてばかりで苦しい
- 怒りや悲しみを抑えられない
そんな悩みを抱えていたら、まずはその状態を「責める」のではなく、「理解」してあげてください。
それは 体と神経の反応。
だからこそ、体に寄り添うケアが必要なのです。
カウンセリングで「安心の神経」を育てるサポートを
トラウマや生きづらさを感じている方にとって、本当の癒しは「話すこと」ではなく、「安心を感じること」です。
当ルームでは、無理に過去を話すことは求めません。
あなたの「今ここ」に寄り添いながら、安心できる感覚を一緒に育てていきます。
「泣いてもいい」
「何も話せなくてもいい」
「ただそこにいてくれるだけでいい」
そういう関わりを大切にしています。
第三の神経が育つと、人生が穏やかに変わり始める
少しずつ、少しずつ。
焦らずに、あなたの神経と対話しながら、安心できる毎日を取り戻していきませんか?
あなたの中には、すでに「癒える力」が備わっています。
それを一緒に育てていくカウンセリングを、ぜひ体験してみてください。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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