ストレスで記憶力や集中力が落ちる理由と、脳が回復する5つの方法
ストレスで「心」だけじゃなく「脳」も傷つく
「昔のことをなかなか手放せない」
「些細なことで不安が止まらない」
「記憶力が落ちてる気がする」
そんな自分にがっかりしていませんか?
実はそれ、あなたの「心の弱さ」ではなく、脳がストレスの影響を受けているサインかもしれません。
脳の中でも、記憶や感情の処理を担う「海馬(かいば)」は、ストレスにとても敏感な部位。
今回は、この海馬がストレスで萎縮してしまうメカニズムと、そこからどうやって回復させていけるのかを、専門的な視点もまじえて、やさしくお話しします。
海馬とは? 〜感情と記憶の司令塔〜
海馬は脳の深い部分にある、小さくてカーブした器官で、「記憶の中枢」として知られています。
とくに新しい出来事の記憶を保存したり、過去の記憶と今の体験を照らし合わせて「どう行動するか」を判断したりする大切な役割があります。
また、感情やストレスとの関わりも深く、心が「安全」と感じているときには、海馬は安定して働きます。
でも逆に、ストレス状態が続くと、海馬の働きがぐっと落ちてしまうのです。
ストレスによって海馬はどうなるの?
強いストレスやトラウマ体験、慢性的な不安や緊張状態が続くと、海馬は次のような影響を受けます。
① 海馬の萎縮(体積の減少)
ストレスホルモンである「コルチゾール」が過剰に分泌されることで、海馬の神経細胞がダメージを受けて萎縮してしまうことがわかっています。
MRIなどの脳画像でも、慢性的なストレスやPTSDを抱える人の海馬は、小さくなっていることが確認されています。
② 記憶・学習・感情コントロールの低下
- 集中力が落ちる
- 物事をネガティブに記憶しがち
- 過去の嫌な出来事がフラッシュバックする
- 前向きに考えることが難しくなる
こんな変化が起きるのは、海馬がうまく働けなくなっているサインとも言えます。

海馬は「回復する可能性」がある!
ここからが希望の話です。
かつては「脳の細胞は一度失われたら再生しない」と言われていました。
でも現在では、海馬では「神経新生(しんけいしんせい)」が起こることが科学的に証明されています。
つまり、新しい神経細胞が生まれるということ。
つまり、正しいケアや環境づくりをすれば、ダメージを受けた海馬も回復していく可能性があるんです。
海馬を回復させる5つの具体的な方法
① 有酸素運動(リズム運動)
軽いウォーキング、ヨガ、スイミングなど、リズムよく体を動かすことで、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という神経を育てる物質が増えることがわかっています。
たった1日20分でも、「歩く」だけでOK。
身体が動けば、心も少しずつほぐれていきます。
② 良質な睡眠
睡眠は、海馬にとって「修復と整理の時間」。
夜中に目が覚めたり、寝つきが悪い状態が続くと、海馬の回復力も下がってしまいます。
お風呂で体を温めたり、スマホを寝る前に手放したり、「寝る前の安心感」を意識してみてください。
③ 栄養バランス(脳にやさしい食事)
- 青魚(DHA・EPA):神経細胞の材料になる脂肪酸
- 卵やナッツ、葉野菜:ビタミンB群やマグネシウムが豊富
- 発酵食品やきのこ:腸内環境を整え、脳にも良い影響を与える
食事は「毎日のケアの土台」です。心が不安定なときほど、できる範囲で体を大事にしてあげましょう。
④ 安心できる人とのつながり
「ひとりでがんばらなきゃ」と思ってしまう人ほど、つながりの力が回復の鍵になります。
安心して話せる人、ただそばにいてくれる存在、寄り添ってくれるカウンセラーなど、安全な関係性は脳を癒す環境そのものです。
⑤ マインドフルネスや瞑想
「今この瞬間」に意識を向けることで、脳の中での「扁桃体の過活動」が静まり、海馬が再び働きやすくなります。
とくに、呼吸に集中するだけの簡単な瞑想は、毎日1〜5分からでもOK。
慣れてくると、心の中に少しずつ“余白”が生まれてくるのを感じるでしょう。

自分を責めないで。脳の働きがそうさせているだけ
「すぐ不安になる私が悪い」
「前向きに考えられない私はダメ」
そう思ってしまう人ほど、実は海馬が疲れているのかもしれません。
それは性格でも甘えでもなく、脳の働きの問題なんです。
脳のケアをすれば、あなたの心は少しずつ穏やかさを取り戻していきます。
カウンセリングという「安心の土台」を選びませんか?
もし今あなたが、
「頭ではわかってるのに、不安が止まらない」
「何度も同じことをぐるぐる考えてしまう」
そんなふうに感じているなら、それは心だけではなく“神経系”が疲れているサインかもしれません。
私のカウンセリングでは、脳や神経のしくみもふまえながら、安心の土台を少しずつ育てていくサポートをしています。
心だけにアプローチするのではなく、体・神経・感覚の反応も大切にしながら、今のあなたに合った方法で進めていきます。
どうか、ひとりで抱え込まずに。
まずはお気軽に無料のメール講座や体験カウンセリングからどうぞ。
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気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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