怒りの奥にある本当の気持ちとは?──「怒り」があなたを守ってくれている理由
怒りの奥には、別の感情がある
私たちは怒りを感じたとき、「なぜこんなに腹が立つのか」と、その理由を出来事の中に探そうとします。
確かに、誰かからの嫌味や理不尽な言葉、無責任な態度など、怒る理由はそこにあるように思えます。
でも実は──
怒りの原因は、外側にある出来事そのものではないのです。
本当の理由は、もっとずっと深いところにあります。
怒りは二次感情
心理学では、怒りは「二次感情(にじかんじょう)」と呼ばれています。
つまり、怒りの前には必ず、もっと別の感情──「一次感情」があるということ。
たとえば、
- 傷ついた
- さみしかった
- 無力感を感じた
- 見捨てられたように思った
こうした感情を抱いたとき、それをそのまま感じることが苦しすぎるから、「怒り」として表現されてしまうのです。
怒りは、自分の心の奥にある繊細な部分を守るための、無意識の防御反応なのです。
怒りの裏にあるものを、例で見てみましょう
たとえば、職場でこんな出来事があったとします。
例:職場で嫌味を言われた
上司や同僚からの嫌味にカチンときた。
「なんであんな言い方するの?」「バカにされてる?」と怒りがこみ上げたとします。
でも、心の中ではこんな流れが起こっていることがあります。
- 嫌味を言われた
↓ - 人から否定されたように感じた
↓
- 自分には価値がないのかもしれないと思った
↓
- 孤独、悲しみ、不安が押し寄せた
この「悲しみや孤独」を感じたくないからこそ、怒りが前面に出てくるのです。
怒りは、「それ以上傷つかないようにするための盾」
本当は、怒りの奥にこそ、その人の繊細な心が隠れているのです。

怒りの「種火」は、ずっと心の奥にある
私たちは皆、育ってくる中でたくさんの経験をしてきました。
その中で、悲しみや無力感を一人で抱えてきた人ほど、心の奥深くに「怒りの種火」を抱えています。
その種火は、普段は静かに眠っています。
でも、ふとした出来事が「着火点」になって反応してしまうのです。
怒りは、あなたの味方でもある
怒りを悪者にしないでください。
怒りはあなたを守ろうとしてくれています。
たとえるなら、心の奥にいる小さなあなたが「もうこれ以上傷つきたくない」と叫んでいるようなもの。
だから怒りを無理に抑えたり、我慢したりするのはとてもつらい。
まず必要なのは、「怒りの奥にある本当の気持ち」に気づいてあげることです。
でも、感情の奥にあるものを一人で見るのは怖いこと
怒りの奥にあるのが、深い悲しみやトラウマであることも少なくありません。
たとえば、
- 幼いころに抱いた「見捨てられた感覚」
- 誰にも理解されなかった「ひとりぼっちの記憶」
- 愛されたかったのに叶わなかった「絶望感」
これらは、ただ思い出すだけでも心をえぐられるような痛みを伴います。
だから、感情に向き合うことは、時に命綱が必要になるほどの「冒険」なのです。

トラウマに向き合うには「準備」が必要です
心の奥深くにある傷と向き合うには、それなりの準備がいります。
(関連記事:トラウマ克服には「準備」が必要です ─ 心の体力を育てて安心して向き合う方法)
トラウマのような深い傷には、防衛反応が働くのが自然なこと。
ですから、「ちゃんと向き合わなきゃ」と無理にこじ開けようとすると、逆に傷を深めてしまうこともあるのです。
感情に優しく寄り添うサポートがあります
カウンセリングでは、あなたの感情の状態を丁寧に見ながら、
- 今どこまで感情に触れて大丈夫か
- どんなサポートが必要か
- どんなふうに癒していけそうか
を、一緒に確認していきます。
あなたのペースを大切に、無理のない形で「怒りの奥にある本当の気持ち」に近づいていくことができます。
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