“安心できない私”に必要だったのは、頭じゃなくて身体の感覚だった

この記事の内容

「心が落ち着かない」のは、あなたのせいじゃない


「なんとなく不安」「いつも緊張している」「安心できる場所がない」

そんなふうに感じたことはありませんか?

しかもそれがずっと続くと、「私ってメンタル弱いのかな…」「なんでこんなに神経質なんだろう」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

でも実は、それってあなたが悪いわけじゃないんです。
(関連記事:「安心できない」と感じるあなたへ|トラウマ回復で見えてくる“小さな変化”とは?

それは、あなたの神経系(自律神経)が今もずっとがんばり続けているというサインかもしれません。

この記事では、身体の感覚を通して心を癒す「ソマティック心理学」の視点から、グラウンディングやセンタリング、そしてポリヴェーガル理論を組み合わせたトラウマケアの方法をご紹介します。


心と身体はつながっている ― ソマティック心理学の考え方



ソマティック心理学とは、“心と身体は切り離せない”という前提から生まれた心理学です。

トラウマや不安などの感情的な問題を、「身体の感覚」からもアプローチしていきます。

たとえば、怖いことが起きたとき、私たちは無意識に息を止めたり、身体を固くしたりします。

それは脳だけで起きている反応ではなく、神経系全体が“危険”と判断して防御している状態なんです。

だからこそ、心を癒したいときには、「今、自分の身体がどう感じているか?」に耳を傾けることがとても大切なんです。


「今、自分の身体がどう感じているか?」を手にけがをした画像で表現



グラウンディングとセンタリング ― 安心の感覚を取り戻すスキル


ソマティックなアプローチの中でも、特に重要とされているのがグラウンディングセンタリングです。

センタリング:自分の中心(胸やお腹のあたり、丹田)に意識を向けて、他人や環境に振り回されずに「自分に戻る」感覚。

グラウンディング:足の裏の感覚を感じたり、呼吸を整えたりして、「今ここに自分がいる」ことを身体で思い出すスキル。


トラウマを抱えている人は、過去の記憶や感情に引きずられて、「今ここ」にいられなくなることが多いです。

でも、グラウンディングやセンタリングを練習していくと、少しずつ安全な感覚が身体に戻ってきて、力がふっと抜ける瞬間が訪れるようになります。



ポリヴェーガル理論が教えてくれる“安心”のメカニズム


ポリヴェーガル理論とは、アメリカの神経科学者スティーブン・ポージェスが提唱した、自律神経系の新しい理解を唱えた理論です。

ざっくり言うと、私たちの身体は以下の3つの神経モードを行ったり来たりしています。

  1. 腹側迷走神経(安心・つながり)
  2. 交感神経(戦う・逃げる)
  3. 背側迷走神経(凍りつき・シャットダウン)

トラウマを持つ人は、この中の「交感神経」や「背側迷走神経」に長時間滞在しやすくなっています。

これは、神経系が「まだ危険があるかもしれない」と判断して、ずっと緊張状態をキープしてしまっているから。

でも、グラウンディングやセンタリングで「安全」を身体が感じられるようになると、腹側迷走神経が活性化して、自然とリラックスできる状態になっていきます。


グラウンディングのイメージを青い靴を履いて立つ画像で表現



なぜ、力が抜けるのか?


グラウンディングやセンタリングをしたときに「ふっと力が抜ける」「息が深くなる」と感じたことはありませんか?

それは、あなたの身体が「今は安全だ」と気づいた証拠なんです。

副交感神経の中でも「腹側迷走神経」がオンになると、筋肉がゆるみ、呼吸が自然に深くなり、内臓の動きも整ってきます。

つまり、力が抜けるのは「もう頑張らなくていいよ」という身体からのメッセージなんです。


神経系のリハビリとしてのトラウマケア


トラウマからの回復は、単に「過去を思い出す」ことではありません。

神経系が安心を取り戻していく“リハビリ”のようなプロセスなんです。

そのために大切なのが、小さな「安心の練習」

  • 足の裏の感覚を感じてみる
  • 呼吸に意識を向ける
  • 好きな香りをかぐ
  • 安心できる人とゆっくり話す

こんな小さなことで、少しずつ神経系は「安心していいんだ」と思い出していきます。

「安心安全」のイメージを森の画像で表現している



あなたの身体は、ちゃんと味方してくれている


「ちゃんとしなきゃ」「落ち着かなきゃ」と頭で考えれば考えるほど、身体は逆に緊張してしまうことがあります。

でも、身体の感覚に意識を向けることで、少しずつ“今ここ”に戻ってくることができます。

あなたの身体は、本当はずっとあなたを守ってくれていた。

そして、安心を取り戻す力もちゃんと持っています。

グラウンディングやセンタリングは、そんな身体との再会のきっかけになるはずです。

焦らなくて大丈夫。

少しずつ、ゆっくり、自分の中の安心を育てていきましょう。




もしあなたが、「頭ではわかっているのに、どうしても安心できない」「力を抜く感覚がわからない」と感じているなら、ひとりで抱えずに相談してみませんか?

私のカウンセリングでは、ポリヴェーガル理論やソマティック心理学に基づいて、あなたの“安心の感覚”を少しずつ取り戻していくお手伝いをしています。

身体の声に耳を傾けながら、あなた自身のペースで。

あなたの中にある「もう大丈夫かも」と思える瞬間を、一緒に育てていけたらうれしいです。

まずはお気軽に、ご相談ください。




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