「深読みしすぎる自分はおかしいの?」と感じるあなたへ。考えすぎる理由とやさしい対処法
「深読みしすぎる私」には理由がある!
ふとした出来事に、心がざわついた経験はありませんか?
たとえば、職場ですれ違いざまに挨拶をしたのに、相手が返してくれなかった。
たったそれだけのことなのに、なぜか頭の中で「もしかして嫌われてる?」「何か変なことしちゃったかな?」と、ぐるぐる考えてしまう。
「気にしすぎだよ」
「そんなこと考えても仕方ないって」
周りからそう言われても、止めたくても止まらないこの“深読みぐせ”。
もしかして、私っておかしいのかな?
こんな風に感じてしまうあなたに、今日は少しだけ安心してもらえるお話を届けます。
「深読みしすぎる」のは、心が頑張ってきた証かもしれません
人の表情や声のトーン、言葉の裏の意味・・・
そういったものを敏感に感じ取って、相手の気持ちを予測しようとするクセ。
それは、あなたが元々「繊細な人」だからというだけでなく、もしかしたら、子どもの頃に“空気を読むことで身を守ってきた”経験があるのかもしれません。
たとえば…
- 家族の中でピリピリした空気を感じ取って、怒られないように静かに過ごしていた
- 親の機嫌によって態度が変わるため、「怒らせないように」と先回りして行動していた
- 自分の気持ちよりも、周りにどう思われるかを優先してきた
そんな経験があると、人間関係の中で“察する力”が自然と強くなっていくんです。
それは、あなたのこころが一生懸命「安全でいるため」に身につけた、大切な力でもあります。
なぜ、深読みすると苦しくなるの?
でも、この「察する力」が強くなりすぎると、ちょっとした出来事に過敏に反応してしまいます。
さきほどの「挨拶を返されなかった」例もそう。
相手がたまたま聞こえなかっただけかもしれないのに、
- 無視された?
- 嫌われた?
- 私、何かした?
と、まるで警報のスイッチが入ったように、不安や怖さが膨らんでいきます。
この反応は、実は「こころとからだの防衛反応」なんです。
私たちの身体には「安全かどうか」を常にチェックしているシステムが備わっています。
ちょっと難しい言葉でいうと「神経系の安全システム」なんですが、要は、脳やからだが無意識に“危険かも”と判断すると、心も身体も過敏になる仕組みなんです。
この状態になると、些細なことも「危険サイン」として受け取ってしまい、ぐるぐると深読みが始まります。

「深読みする私」を責めないで
ここで大切なのは、「どうしてそんな風に感じてしまうのか?」という背景を、自分でちゃんと理解してあげること。
過去に、怖かったりつらかった経験があればあるほど、人は「似たような状況」を敏感に察知しようとします。
たとえば…
- 「嫌われる」という経験をしたことがある人は、似たような出来事を前もって察知しようとする
- 「怒られた」記憶が強く残っている人は、少しの沈黙や目線でも「怒ってるかも?」と感じやすくなる
これは、あなたの中に「その出来事を忘れていないパーツ(部分)」がいるから。(パーツ心理学とは?)
心の中にはいろんな“自分”がいて、今でも「また傷つかないように」と頑張って守ってくれているパーツが存在しています。
「おかしい」のではなく、「そうせざるを得なかった」だけ
深読みしすぎるあなたは、おかしくなんかありません。
むしろそれは、これまでを一生懸命に生きてきた証拠です。
人と関わるたびに緊張してしまう
小さなことに深く傷ついてしまう
自分を責めすぎてしまう
そんな自分に苦しさを感じるときこそ、「私はよくがんばってきたね」と、自分の心に寄り添ってほしいのです。
「思い込み」は優しさから生まれることもある
アダルトチルドレンと呼ばれる方たちは、とても繊細で、周囲への思いやりにあふれています。
ただ、その優しさゆえに、
- 相手の気持ちを気にしすぎてしまう
- 空気を読みすぎて疲れてしまう
- 自分よりも他人を優先してしまう
・・・というように、自分の感覚よりも“相手がどう思うか”を最優先してしまうのです。
その結果として、
- 何も言われていないのに「きっと嫌われた」と思ってしまったり
- 返事がなかっただけで「私が悪いことをしたのかも」と感じてしまったり
・・・という“思い込み”が生まれやすくなります。
思い込みのサイクルから抜け出すために
思い込みは、一度始まると「自分の中の真実」になっていきます。
- 嫌われたと思う
- ぎこちなく接してしまう
- 相手も気まずくなる
- また「嫌われた」と確信する
こうして“思い込み→行動→現実→さらに思い込み”というサイクルが出来上がります。
このサイクルを断ち切るためには、いくつかのステップがあります。
1. 自分の反応に気づく
「あ、いま私、深読みしてるかも」と気づくことが第一歩です。
否定せず、「そう感じてるんだね」と受け止めてあげましょう。
2. 安心を感じられる行動をとる
ゆっくり深呼吸をしてみる、やさしい音楽を聴く、温かいお茶を飲む。
身体を落ち着かせることで、心も落ち着きやすくなります。
3. 自分の“思い込み”に問いかけてみる
「本当に嫌われたのかな?」
「相手に他の理由があったのかもしれないよね?」
自分の中にいる“深読みパーツ”に、やさしく話しかけてあげてください。
少しずつ、“今ここ”の安心を取り戻していこう
あなたが感じている不安や深読みのクセは、決して「間違っている」わけではありません。
でも、それが苦しさを生んでしまっているなら、少しずつでも「安心できる自分」に戻っていくことは可能です。
心の中のパーツたちに、安心感を与えてあげることで、あなた自身の生き方はどんどん変わっていきます。

ひとりで抱えずに、安心できる場で話してみませんか?
もし、今あなたが「しんどいな」「考えすぎて苦しいな」と感じているのなら、それをひとりで抱える必要はありません。
私のカウンセリングでは、
「考えすぎてしまう」「人間関係が怖い」
そんな方が、安心して自分らしさを取り戻していけるお手伝いをしています。
やさしく丁寧に、あなたのこころに寄り添いながら、一緒に深読みぐせの奥にある「本当の気持ち」と向き合っていきましょう。
あなたは、決しておかしくなんてありません。
これまでがんばってきた心に、まずはそっと「ありがとう」と言ってあげてくださいね。
カウンセリングの詳細は、こちらからご覧いただけます。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら