親の我慢を見て育ったあなたへ「自分だけ幸せになるのが怖い」アダルトチルドレンの苦しみと癒し方
なぜか「幸せになるのが怖い」と感じてしまうあなたへ
「自分だけ楽しんではいけない気がする」
「つい我慢する生き方を選んでしまう」
「リラックスすることに罪悪感を感じる」
そんな思いを抱えていませんか?
もしかするとそれは、子どもの頃に親の“我慢する姿”を見て育った影響かもしれません。
アダルトチルドレン(AC)の方は、親の感情や行動に敏感に反応し、無意識のうちに「自分も同じように我慢しないといけない」と思い込んでしまうことがあります。
この記事では私自身の体験も交えながら、「親の我慢」と「自分の我慢」のつながりについて深く掘り下げていきます。
そしてその連鎖を断ち切り、自分を幸せにしてあげるためのヒントをお届けします。
親の我慢は、子どもにとって“生き方の手本”になる
私たちは子どもの頃、親の背中を見て生き方を学びます。
言葉よりも、行動や雰囲気、空気感の中で「人生ってこういうものなんだ」と感じ取り、知らず知らずのうちに価値観や信念を形成していきます。
もし、あなたの親がいつも「自分のことは後回し」「我慢が当たり前」「楽しむよりも耐えることが大事」という姿勢で生きていたなら、あなた自身もその価値観を取り入れている可能性が高いんです。
たとえば、こんな風に感じていませんか?
- 自分だけが楽しんでいると、周りに申し訳ない気がする
- 楽をすると罪悪感がある
- 幸せになりたいと思う反面、どこかで「そんな資格はない」と感じてしまう
これは、単なる「性格」や「考え方のクセ」ではなく、親との関係や家庭環境で自然に身についた“適応の結果”なんです。
わたしの体験:母の我慢が、私の人生を縛った
少しだけ、私自身の話をさせてください。
私は子どもの頃、ずっと疑問に思っていたことがありました。
「どうしてお母さんは、お父さんと離婚しないんだろう?」って。
父はすぐ怒鳴るし、キレるし、時には暴力も振るうような人でした。
母が泣いている姿も何度も見ました。
子ども心に「そんなに辛いなら離れればいいのに」って思っていたんです。
でも大人になってから知ったのは、母はずっと離婚を考えていたということ。
何度も親戚に相談していたけど、
- 子どもに不自由な思いをさせたくない
- 経済的にやっていけるか不安
- 「母親としてちゃんとしなきゃ」という責任感
こういった理由で、最終的に「離婚しない」という選択をしていたのです。
それを知ったとき、私の胸にはこんな気持ちが湧いてきました。
「私のせいで、お母さんは自由になれなかったんじゃないか」
「私さえいなければ、お母さんはもっと幸せな人生を選べたかもしれない」
そして、気づかないうちに自分の中にこんな思いが根付いていました。
「お母さんが我慢して生きたのだから、私も我慢しなきゃ」
「幸せになってはいけない」
「楽しんだら、申し訳ない」
こうして、私の中には「我慢することで愛を返す」という信念ができあがっていたのです。
アダルトチルドレンが抱える「我慢の価値観」
このような体験を持つ人は少なくありません。
親が我慢している姿を見た子どもは、「我慢=美徳」「我慢=愛」「我慢=正しさ」と信じてしまいます。
これが、アダルトチルドレンの特徴のひとつです。
- 「つらいけど頑張らなきゃ」
- 「自分の気持ちより他人を優先しなきゃ」
- 「幸せよりも、ちゃんとしていることの方が大事」
本当は誰だって幸せになりたいはずなのに「幸せになることに罪悪感」を抱えてしまうのです。
子どもは無条件に親を愛する──だからこそ、我慢を選ぶ
心理学では、子どもが親に対して持つ愛情を「忠誠心」と呼ぶことがあります。
これは、自分がどれだけ傷ついても、親のことを守ろうとする深い愛の形です。
たとえ親が冷たくても、暴言を吐いても、子どもはこう思います。
- 「私が悪いから怒らせたんだ」
- 「私がもっと頑張れば、お母さんは笑ってくれるかもしれない」
- 「私さえ我慢すれば、家の中は平和になるかもしれない」
つまり、親に合わせて「自分を抑える」ことで、愛を保とうとするんです。
その適応こそが、アダルトチルドレンの生きづらさの始まりになります。

無意識に続けてしまう「我慢の人生」を終わらせるために
この価値観は、簡単には気づけません。
そして、気づいたとしても、なかなか変えることができません。
なぜなら、「我慢」はあなたが生き延びるために選んだ大切な戦略だったから。
でも、大人になった今のあなたには、もうその我慢は必要ありません。
少しずつ、こんな風に自分に問いかけてみてください。
本当に我慢しないと愛されないの?
誰かのために自分を犠牲にする以外に、愛の形はないの?
楽しんでもリラックスしても、罪ではないはずじゃない?
未来へ希望をつなぐために──世代間連鎖を断ち切ろう
「我慢の連鎖」は、世代を超えて続いていきます。
あなたが親の我慢を見て育ったように、次の世代もあなたの姿を見て「人生とはこういうものだ」と学んでしまうかもしれません。
でも、あなたが「自分の人生を自分で選ぶ」ことを始めたなら、その連鎖をあなたの代で終わらせることができます。
今までたくさん耐えてきたあなたに、私はこう伝えたいです。
「もう、我慢しなくていいんだよ」
「楽しんでいい。笑っていい。幸せになっていいんだよ」
「それは誰かを裏切ることじゃなくて、あなた自身を大切にすることなんだよ」

やさしいあなたへ
親を思うあなたの優しさは、本当に尊いものです。
その優しさが、あなたを苦しめるものであってはいけません。
どうか、自分自身の人生にもっと自由を与えてあげてください。
「自分を幸せにしてあげる」という選択は、あなたが悪い人になることではなく、本当の意味で“誰かを思いやる力”を育てることでもあるのです。
あなたの心が、少しでも軽くなりますように
ここまで読んでくださってありがとうございます。
もし今、あなたが
「自分の我慢グセをやめたいけど、どうしたらいいのかわからない」
「我慢せずに生きることに罪悪感を感じてしまう」
そう感じているのなら、どうか一人で抱えこまないでくださいね。
カウンセリングでは、あなたのこれまでの人生や思いを丁寧に聴かせていただきながら、「我慢しない生き方」「幸せを受け取る練習」を一緒に進めていきます。
やさしくて強いあなたの心が、少しずつほどけていくように。
あなた自身の人生を、自分の手に取り戻すために。
\あなたのお話、ぜひ聴かせてください/
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら