安心感を感じられないあなたへ~オキシトシンで安心感を育てる5つのセルフケア

この記事の内容

いつも安心できないと感じていませんか?


「人と一緒にいると、心が落ち着かない」
「家にいても、どこか気を張っている気がする」

そんな感覚を抱える人は少なくありません。


とくに、過去のトラウマや
傷つき体験がある人は、安心感を感じることが
難しい場合があります。

これは「性格が弱い」とか
「努力が足りない」という話ではなく、
心と体の神経のはたらきに深く関係しています。

私たちの安心感を支える
大事なホルモンのひとつに
オキシトシンがあります。



別名「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも
呼ばれ、人とのつながりや
ぬくもりを感じるときに分泌される物質です。

この記事では、このオキシトシンが安心感に
どう関係しているのか、
そして日常の中でオキシトシンを
増やしていくための具体的な方法を
やさしく解説します。



オキシトシンとは?心の安心感をつくるホルモン


オキシトシンは、脳の視床下部で作られ、
下垂体から分泌されるホルモンです。


本来は出産や授乳のときに
多く分泌されることで知られていますが、
それだけではありません。

近年の研究では、
信頼できる人とのやりとりやスキンシップ、
優しい言葉を交わすときにも
オキシトシンが分泌される
ことが
わかっています。



その作用は心にも体にも大きく関係しています。

たとえば、

  • ストレスホルモン(コルチゾール)を抑える

  • 副交感神経を優位にし、
    リラックス状態をつくる


  • 不安や恐怖を感じる脳の部位(扁桃体)の
    活動を落ち着かせる

といった働きがあるのです。

実際に、ハグや手をつなぐ、
信頼できる人と穏やかに話すといった
時間のあとに「ホッとする感覚」がある人も
多いでしょう。


それは、まさにオキシトシンのはたらきに
よるものです。

オキシトシンの働きによるホッとする感覚のイメージを、寄り添う二匹の猿の画像で表現



なぜトラウマサバイバーは安心感を感じにくいのか


トラウマのある人が「安心感」
感じにくいのは、決しておかしなことでは
ありません。

過去に危険や不安を伴う出来事を経験すると、
脳は「人との関わり=危険かもしれない」
無意識のうちに記憶します。



その結果、安全な場にいても神経系が
常に緊張状態になってしまう
ことがあります。

この状態では、

  • オキシトシンが分泌されにくい

  • 分泌されても、それを受け取る神経系が
    “安心”として認識しにくい

ということが起こります。

「安心したいのに、安心できない」
「人といると疲れる」
「リラックスすると逆に不安になる」

そんな矛盾する感覚を抱えるのは、
あなたの心が弱いからではなく、
体のシステムがそうなっているからです。

安心感を取り戻すには、まずこの仕組みを
理解することが第一歩になります。



オキシトシンが分泌されると起こる心と体の変化


実は私自身、小学生の頃
「ブランケット症候群」でした。



ボロボロになったタオルケットを、
毎晩ぎゅっと抱きしめて寝ていたんです。



洗って少し硬くなったり色が褪せても、
あのタオルケットだけは手放せませんでした。



あのとき私は、
無意識のうちに肌触りの良いもので
安心感を得る方法を知っていた
のだと思います。



これはまさにオキシトシンのはたらきで、
触覚から心を落ち着ける効果を
体はちゃんと知っていたのです。



オキシトシンが分泌されると、心と体には
いくつかの穏やかな変化が起こります。

  • 呼吸が深くゆっくりになる

  • 筋肉の緊張がやわらぐ

  • 心拍数や血圧が落ち着く

  • 不安感や孤独感が軽くなる

  • 他人とのつながりを感じやすくなる

たとえば、信頼できる人と穏やかに話したり、
ペットをなでたりしたあと、
「ふわっとあたたかくなる」ような感覚を
覚えることがありますよね。
それがオキシトシンの効果です。

これは一気に強く感じるものではなく、
少しずつ、静かに心と体に広がっていく感覚
です。



日常でオキシトシンを増やす5つのセルフケア


オキシトシンは、特別なことをしなくても、
日常の小さな行動のなかで少しずつ増やすことができます。



ここでは、トラウマサバイバーの方でも
安心して取り入れやすい方法をご紹介します。


① やさしく自分をなでる(セルフタッチ)

手を胸に当てる、腕をそっと包み込むだけでも、
自分の体に「安心していいよ」
伝えることができます。


この触覚刺激は、オキシトシン分泌を
促す効果があり、心拍や呼吸を穏やかに
することも分かっています。


トラウマで人とのふれあいが難しい場合も、
自分自身を優しく抱きしめることで、
安心感を育むことができます。


② 呼吸を深く、ゆっくりする

深呼吸を意識的に行うだけでも、
体と心はゆるやかに落ち着きます。


副交感神経が優位になり、
心拍数や血圧が下がることで、
安心感を感じやすくなります。

さらに、この「安心できる状態」が
オキシトシンの分泌を促します。


つまり、呼吸を整えることは
オキシトシンを出す準備を体にさせる行為
考えられるのです。

ポイントは力まないこと。
肩の力を抜き、鼻からゆっくり吸って
口から吐く。


数分でも続けることで、体は「安全だ」と
認識し、自然にオキシトシンが分泌され、
心がほっと落ち着く感覚を感じやすくなります。



深呼吸には副交感神経を優位にし、
オキシトシンの分泌を助ける効果があります。


「吸う」よりも「ゆっくり吐く」
意識してみましょう。
1日1分からでも大丈夫です。


③ ペットや植物とのふれあい

動物や植物との接触は、
オキシトシンを分泌させる研究もあります。


猫や犬を撫でたり、植物に水をあげたり
することで、「安心・穏やかさ」
体験しやすくなります。


触れ合いを通じて、脳が「安全な環境だ」と
認識し、オキシトシンが分泌されることで、
心がほぐれていくのを感じられます。

動物や自然との接触は、
オキシトシン分泌を促すことが
複数の研究で報告されています。


犬や猫をなでる、観葉植物の手入れをするなど、
自分に合った方法を見つけましょう。

④ 信頼できる人との小さなふれあい

特別な会話でなくても大丈夫です。
「話を聞いてもらう」
「優しいまなざしを向けてもらう」だけでも、
オキシトシンが分泌され、
安心感や信頼感が高まります。


安心できる人との安全な関係は、
トラウマで傷ついた神経系を
少しずつ回復させる助けにもなります。



無理のない範囲で「安心できる人」と
過ごす時間を少しずつ増やしていくのが
ポイントです。

⑤ 「安全だ」と感じる空間をつくる

自分だけの「安心スイッチ」を見つけましょう。
ふかふかのブランケット、好きな香り、
やわらかい照明など、触覚・嗅覚・視覚で
安心感を感じられるものを用意するだけでも、
オキシトシン分泌が促されます。


小さな工夫で「ここは安全だ」
体が認識できる空間をつくることは、
心がリラックスするための第一歩です。



外の世界が怖いときも、まずは自分の
「安心の巣」をつくることから
始めてみましょう。

オキシトシンを増やすために観葉植物と触れ合うイメージを、二つの観葉植物の画像で表現



オキシトシンは“育てていく”感覚でいい

まとめ
  • まずは自分との関係を整えることから始める

  • 小さな積み重ねでオキシトシンは育つ

  • 触覚・呼吸・人とのふれあい・安全な空間が、自然に心を落ち着けるサポートになる


トラウマがあると、「安心しなきゃ」
「もっと信じなきゃ」と焦ってしまうことが
あります。


でも、安心感は一気に手に入るものでは
ありません。

オキシトシンは、少しずつ、繰り返し
育てていくことで、神経系に「安全」を
学習させていくことができます。

ほんの小さなことでも大丈夫です。
1日のうち、たった1分の深呼吸や
セルフタッチが、あなたの神経に
「安全」を伝えるサインになります。

安心できるようになる力は、
ちゃんとあなたの中にあります。


その力を、ゆっくりと呼び覚ましていきましょう。



安心感を取り戻す一歩を踏み出そう


「安心できない」のは、あなたの心が
壊れているからではなく、守ろうとしてきた結果です。



オキシトシンを少しずつ増やしながら、
心と体が安全を再び感じられるようになると、
世界の見え方が少しずつ変わっていきます。

自分ひとりでは難しいときもあります。
そんなときは、安心をいっしょに育てていく
カウンセリングがあります。

あなたのペースで、無理のない一歩を
踏み出していきましょう。




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