自分を「ディスカウント」していませんか？〜アダルトチルドレンと自己肯定感のお話〜

この記事の内容

「どうせ私なんて・・・」が口ぐせになっていませんか？

「どうせ私なんて」
「私が我慢すればうまくいくし」
「こんなことをお願いしたら迷惑だよね」

そんなふうに、自分をどこか軽んじてしまう言葉や態度が、あなたの中にいつの間にか染みついていませんか？

これは心理学で「ディスカウント」と呼ばれる状態です。

スーパーのディスカウントセールのように、「値引きする」という意味の言葉ですが、心理学では「自分や他人の価値を過小評価してしまうこと」を指します。

ディスカウントとは？

たとえば、

「どうせ私は大した人間じゃない」
「私なんかが何を言っても意味がない」
「あの人には無理だから、私が全部やってあげなきゃ」

こういった考えや態度は、自分の価値や相手の力を“引き下げて”しまっている状態。つまり、ディスカウントしているんです。

私たちは無意識のうちに、自分自身や他人に対してこうした「見下げた目線」を向けてしまうことがあります。

でもそれは、根っからの性格というよりも、多くの場合「子どものころに身につけてしまった心のクセ」だったりするのです。

アダルトチルドレンとディスカウント

「アダルトチルドレン（AC）」とは、機能不全な家庭環境で育った影響を大人になっても受け続けている人のことを指します。

たとえば、

親の顔色を常にうかがっていた
怒られないように、空気を読みすぎていた
愛されるために、いい子を演じ続けていた

そんな環境で育つと、自分の本音を押し殺したり、自分の感情や欲求を「価値がないもの」として扱うクセがついてしまうんですね。

「私は愛されるに値しない存在なんだ」
「誰かに必要とされるためには、がんばらないと」
「迷惑をかけるぐらいなら、我慢した方がマシ」

こういった思い込みが、無意識のうちに自分をディスカウントしてしまう原因になります。

自分をディスカウントすることの影響

自分をディスカウントしてしまうと、心の中で次のようなネガティブなサイクルに陥りがちです。

自分に自信が持てない

自分の価値を低く見積もっていると、他人と比較してしまい、「私はダメだ」と思い込んでしまいます。
自己批判が強くなる

小さな失敗や間違いが、自分を責める材料に。

「もっと頑張らないと」「私はまだまだ」と、自己批判の声が強くなる一方です。
他人に頼れなくなる

自分を信じられないからこそ、他人にも頼るのが怖くなり、すべてを一人で抱え込んでしまいます。

結局、心も体も疲れ果ててしまうのです。

これが、自己肯定感の低さが生む悪循環です。

自分をディスカウントしていると、どんどん自分を大切にすることが難しくなります。

アダルトチルドレンの影響を解き放つには？

アダルトチルドレンとして育った背景を持つ人たちは、無意識に自分をディスカウントするクセがついてしまいます。

でもそのクセを変えることは、決して難しいことではありません。

まず大切なのは、自分に対する理解を深めることです。

自分がどんな思い込みや心のクセを持っているのか、そこに気づくことが第一歩です。

自己肯定感を高める方法

自分をディスカウントしがちなあなたにとって、まず試してほしいのが「自分を少しずつ大切にする」ことです。

そのためには、少しずつ自分に対する考え方を変えていくことが大切です。

自分を大切にするためには、どんな行動を取ればいいのでしょうか？

1. 小さな成功体験を積む

「私は何もできない」と感じているあなたへ。

小さなことから始めて、成功体験を積み重ねていきましょう。

たとえば、毎朝「今日も元気に起きた！」というだけでも、それは立派な成功です。

自分ができたことに対して、ちゃんと「よくやった！」と自分を褒めてあげることが大切です。

「こんなことできるはずがない」と思うかもしれませんが、自分を認める一歩が、自己肯定感を高めるきっかけになります。

自分を肯定することは、他人と比較するのではなく、「自分にできること」を見つけることです。

少しずつでも、自分の成長を感じることで、自分に対する信頼が生まれますよ。

2. 自分の声を大切にする

自己肯定感を高めるためには、自分の声に耳を傾けることも重要です。

たとえば、「自分はどうしたいのか」「自分が嫌だと思うことは何か」といった、自分の気持ちに気づき、それを大切にすることです。

何かを決めるときに、「人にどう思われるか」ばかり気にしてしまうことが多いかもしれません。

でも、それでは自分をディスカウントしてしまっていることになります。

あなたが本当に感じていることを大切にして、自分にとって何が一番大切なのかを考えてみてください。

自分の感情や気持ちを無視せずに、正直に向き合うことが、自己肯定感を育む一歩です。

3. 自分に優しくする

あなたが他人に優しくできるように、自分にも優しくしてあげてください。

たとえば、忙しいときや疲れているときに、無理に頑張りすぎないようにして、少しでも自分を休ませる時間を作ることが大切です。

「今日は少しだけ自分を甘やかしてもいい」と思えるようになると、心の中で自分を尊重する気持ちが芽生えてきます。

自分に優しくすることで、他人にも優しさを持って接することができるようになります。

それが、周りの人々との健全な関係を作り、結果的に自分の価値を感じることにつながります。

他人をディスカウントしないために

自分をディスカウントしないように心がけることが、他人をディスカウントしないための第一歩です。

自分の価値を認めることで、他人の価値をも尊重できるようになります。

1. 相手の可能性を信じる

過保護になりすぎてしまうと、相手を「できない人」と決めつけてしまいがちです。

でも、相手には相手のペースで成長する力があることを信じてあげてください。

あなたが過剰に世話を焼くことで、相手の成長のチャンスを奪ってしまうことにもつながります。

相手の可能性を信じることで、より尊重し合える関係が築けますよ。