自分を信じられない理由と、そこから回復するためのステップ
~「生きづらさ」から自由になるために~
「どうせ私なんて」「うまくいくはずがない」「また失敗するに決まってる」
そんなふうに、自分を信じられずに苦しんでいませんか?
頭では「自信を持った方がいい」とわかっていても、気持ちがついていかない。
挑戦したい気持ちはあるのに、怖くて前に進めない・・・
今回は、なぜ私たちは自分を信じられなくなってしまうのか、そして、そこから回復していくために必要なステップについて、トラウマケアの視点からわかりやすくお伝えします。

自分を信じられない理由とは?
「自信がない」の裏側には、いくつかの心理的な原因が隠れています。
特に、アダルトチルドレンやトラウマを抱えてきた方にとって、その背景には過去の人間関係や環境による深い影響があることが多いのです。
1. 否定された経験の積み重ね
幼少期に「なんでそんなこともできないの?」「あなたはダメね」などと繰り返し否定されると、子どもは「自分は価値のない存在なんだ」と感じるようになります。
このような経験が重なることで、自分に対する信頼感が育ちにくくなってしまいます。
2. 感情を受け止めてもらえなかった
悲しいときに「泣かないの!」「そんなことで怒らないで」と感情を否定されたり無視された経験があると、次第に「自分の感情は間違っている」「私はおかしいんだ」と感じるようになります。
感情を信じられないということは、自分自身を信じられないことにもつながります。
3. 安心できる居場所がなかった
安心・安全な環境がなかったり、いつもピリピリした空気の中で育った場合、「何があっても大丈夫」という土台が育ちません。
結果として、何かに挑戦しようとしたときに、「怖い」「不安」「どうせダメだ」と感じやすくなります。

自分を信じる力を取り戻す3つのステップ
過去の影響が深くても、自分を信じる力は取り戻すことができます。
大切なのは「無理やり前向きになること」ではなく、自分の内側に丁寧に寄り添っていくことです。
ステップ1:否定ではなく、理解する
まずは「自分を信じられない自分」を否定せず、「どうして私はそう感じているんだろう?」とやさしく問いかけてみてください。
自己否定の奥には、過去の経験で傷ついた“あなたの一部”がいるのです(関連記事:パーツ心理学とは?)
この部分を責めるのではなく、「今までよく頑張ってきたね」と理解し、労ってあげることから始めましょう。
ステップ2:安全な関係性を持つ
誰かとの間に安心できるつながりを持つことは、自分を信じる力を育むためにとても大切です。
カウンセリングや信頼できる人との対話を通して、「こんな自分でも受け入れてもらえる」「話しても大丈夫」という体験を重ねることで、少しずつ自己肯定感が育っていきます。
ステップ3:小さな成功体験を積み重ねる
最初から大きなチャレンジをする必要はありません。
「今日はちゃんとご飯を食べられた」「無理せず休めた」「本当の気持ちに気づけた」
そんな小さな成功体験を、自分でちゃんと認めてあげることが、自信の土台になっていきます。
自分を信じることは「やり方」ではなく「回復のプロセス」
よく「自信を持つ方法」として、ポジティブ思考や目標設定などが紹介されますが、トラウマを抱えている人にとってはそれだけでは不十分です。
なぜなら、自分を信じられない根っこには「こころの傷」があるからです。
その傷を無視して前に進もうとすると、逆に苦しくなってしまうこともあります。
だからこそ、やり方よりも“あり方”を大切にして、少しずつ心の安全を取り戻していくことが、真の回復への道になります。
あなたの中には、信じる力が眠っている
自分を信じられないのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ傷ついてきたということ。
でも同時に、その中を生き抜いてきた強さも、あなたの中にはちゃんとあるのです。
信じる力は、もともとあなたの中にあるもの。
焦らず、少しずつ、自分とつながり直すことから始めてみてくださいね。

一人で抱えず、安心して話せる場所があります
ここまで読んでくださったあなたは、きっとたくさんの不安や葛藤を抱えながらも、「変わりたい」「自分をもっと信じられるようになりたい」と願っている方だと思います。
自分を信じられない気持ちは、あなたが悪いのではなく、これまでの経験の中で身についたものです。
その背景を丁寧にひもときながら、少しずつ「本当の自分」とつながっていく――そんなプロセスを、ひとりで頑張らなくて大丈夫です。
当カウンセリングルームでは、安心・安全な関係の中で、あなたのペースに寄り添いながらトラウマケアを行っていきます。
「話してもいいかも」と思えたら、ぜひ一度ご相談くださいね。
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