話すだけのカウンセリングでは、トラウマ症状がなくならない理由



カウンセリングと言うと、カウンセラーが話を聴くというイメージが強いかと思います。



「傾聴」はカウンセリングの基本ですし、クライアントに対して無条件の受容、共感的理解をすることはカウンセラーの基本的な態度条件です。



しかし傾聴だけのカウンセリングでは、トラウマ症状はなくなりません。

トラウマ症状の一つフラッシュバックについての記事はこちら(ほとんどの人が誤解しているフラッシュバックについて)



トラウマは単に心だけの問題ではなく、体にも影響を及ぼすからです。



何らかのトラウマを抱えている人は、体にも症状が現れています。



それはつらい体験をし、今日まで生き抜くのに体を固めて生きてきたからです。




幼少期、家庭内が安全でなかった子供は、家の中でもいつも危険を感じ、緊張しています。


一人で生きていけない子供にとって、親から見捨てられては生きていけないので、たとえどんな親だったとしても必死に環境に適応しようとします。



親から虐待を受けてもやり返したりできません。ぐっと耐えます。



親から暴言を吐かれたり、不機嫌をぶつけられても、じっと耐えるしかありません。


泣く子供



日々、「今日は親の機嫌がいいだろうか?」という緊張感の中で生きていると、体をリラックスさせるなんてできません。



そうして、常に緊張して生きるようになり、本来リラックスするような場面でもリラックスできなくなるのです。



常に体が緊張状態というのは、体にとってとても負担の大きなことです。



呼吸が浅く早くなり、心拍数も高くなり、血流も悪くなります。



そうすると体のあちこちに痛みが出たり、消化吸収力も落ちます。



こんな状態が長く続けば病気にもなりますし、常に体調不良を感じるようになります。

緊張





このように、トラウマは心だけでなく体にも大きな影響を与えます。



話を聴くだけのカウンセリングでは、心はいくらか楽になっても体が楽になるのは難しいのです。



体が緊張しているのに、心だけリラックスできないように、体の緊張は心と密接につながっています。



ですので、体にアプローチする方法がトラウマ克服には必要なのです。


体が緩むと心もほぐれます。



寒い外から帰って温かいお風呂に入った時、思わず「ハーっ」と声が出ませんか?


体が温まって緩んだため、心もほぐれて思わず声が出てしまうのです。


お風呂のアヒル





人の体の緊張は、意志の力でなんとかできません。



自律神経の反応なので、意志や思考では変えられないのです。



だからソマティック(身体思考)のセラピーが、トラウマ克服には効果があります。



過去のトラウマが心と体の緊張をまねき、様々な不調や生きづらさにつながっています。



骨折をした時、医師が話だけ聞いていたのでは良くならないように、トラウマ克服も話を聴くだけでは良くなりません。



体へのアプローチが必要なのです。





当カウンセリングルームでは、様々なトラウマ症状に合わせた身体的アプローチで、症状の軽減をサポートしています。





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