不安のネガティブループから抜け出す方法 — 心地よさを育てる神経系アプローチ

この記事の内容

不安の正体と、なぜ繰り返されるのか?


「また不安になってしまった」「考えすぎだとわかっているのに止められない」——そんな経験はありませんか?
不安はただの気持ちの問題ではなく、実は脳や神経系の働きが深く関係しています。

脳には「シナプス」と呼ばれる、神経細胞同士のつなぎ目があります。
ここを通じて情報がやり取りされるのですが、同じ経路が繰り返し使われると、その通路はどんどん強化されていきます。

つまり、毎日のように「不安」を感じ続けていると、その不安の回路がどんどん太く、強くなってしまうんです。

この働きは「可塑性(かそせい)」といって、脳や神経系の柔軟な適応力を表します。
本来は新しいことを覚えたり、技術を習得するために必要な力なのですが、ネガティブな体験にもこの力は働いてしまいます。

たとえば、些細なミスで強く怒られた経験があると、次に同じような場面に出会ったとき、「また怒られるかも」と反応してしまう。これも不安の回路が強化された一例です。



なぜ「不安をなくそう」としても、うまくいかないのか?


「不安をなくしたい」「もう感じたくない」と願うのは、自然なことです。
けれども、そこに意識を向けすぎると、逆に不安が強まってしまう場合があります。

これは、「意識の焦点化」という心理的な働きが関係しています。
たとえば、「赤いものを探してください」と言われたら、途端に赤いものばかりが目につくようになりますよね。
それと同じで、「不安をなくそう」「不安が出てこないようにしよう」と思えば思うほど、逆に不安を探す脳のアンテナが高くなってしまうのです。

また、不安という感情は、命を守るために必要な信号でもあります。
危険を察知し、身を守るための大切なサインなので、「ゼロ」にしようとするのは、実はとても不自然なことなのです。

大切なのは、「不安を感じないようにする」ことではなく、「不安とどう付き合っていくか」
そして、そのために有効なのが、「別の神経回路を強化する」こと。
つまり、不安ではなく「心地よさ」「安心感」「喜び」などの感覚に意識を向けていくということです。



不安に支配されないための神経系アプローチ


不安の回路ばかりが強化されているとき、それとは逆の回路——つまり「安心感」や「心地よさ」の神経系を意識的に使っていくことで、脳の配線は少しずつ変わっていきます。

このとき大切になるのが、「心地よさ」や「今ここ」の感覚です。

たとえば、こんな経験はありませんか?

  • 美味しいお茶を飲んだとき、ふっと気持ちが落ち着いた
  • 静かな空間で深呼吸すると、少しホッとした
  • 安心できる人と過ごしていると、自然と笑顔になれた



これらは、すべて「安心」「心地よさ」の神経回路を使っている時間です。
神経系には「可塑性」があるため、意識的にこのような感覚を日常に取り入れていくと、次第にその回路が太く、使いやすくなっていきます。

これは「リソース(資源)構築」と呼ばれるアプローチです。
不安を減らすというより、「安心を育てていく」という考え方です。

ふっと落ち着くイメージをカフェラテの画像で表現



心地よさを育てる3つの具体的ステップ


1.五感を使って「今ここ」に戻る

不安が強いとき、人の意識は「未来の心配」や「過去の後悔」など、今ここではないところに飛んでしまいがちです。

そんなときこそ、「今ここ」を感じることが回復のカギになります。

たとえば、

  • 手のひらをこすり合わせて、温度や質感を感じてみる
  • 好きな香りをかいで、呼吸の深さを意識する
  • 飲み物をゆっくり味わいながら、舌触りや温度に注意を向ける

これらはどれも神経系を「安心モード(腹側迷走神経系)」に戻すための小さなワークです。

2.安心できる人・場所とつながる

神経系は「他者とのつながり」によって安定する性質があります。
人と目を合わせて笑い合ったり、誰かの声を静かに聴いたりするだけで、心が少し穏やかになることはありませんか?

それは、神経系が「この状況は安全だ」と判断してくれているからです。
だからこそ、安心できる人や空間とつながることが大切なのです。

「一緒にいるとホッとする人」「好きなカフェ」「落ち着く場所」など、自分にとっての“安心の場”を意識してみてください。

3. 小さな心地よい習慣をつくる

たとえば、

  • 朝起きたら一杯の白湯をゆっくり飲む
  • 寝る前に短く日記を書く
  • 好きな音楽をかけながら深呼吸する

こんな些細なことでいいんです。
心と体が「安心できる時間だ」と覚えていくことが、不安からの回復への第一歩になります。

小さな心地よい習慣として寝る前に日記を書くというイメージを、日記帳の画像で表現



カウンセリングでできること — 不安回路から安心回路へ変わる支援


カウンセリングは、「過去の出来事を詳しく掘り下げる」ことだけが目的ではありません。
特に不安やトラウマでお悩みの方にとって、過去の辛い記憶を繰り返し話すことが、かえって不安や苦しみを強めてしまうこともあります。

だから当カウンセリングルームでは、まずは「今ここ」のあなたの感覚を大切にし、無理なく安心感を育てることに重点を置いています。

1. 過去に囚われすぎないアプローチ

過去を語ることが必須ではなく、「今のあなた」がどう感じているか、「どんな時に安心できるか」を一緒に探ります。
これはあなた自身の「リソース(資源)」を見つけ、強化していくための大切なプロセスです。

2. 神経系に働きかけるワークの提供

呼吸法や簡単なボディワーク、五感を使ったリラクゼーションなど、神経系のバランスを整えるための方法をお伝えし、日常に取り入れられるようサポートします。

3. あなたのペースを尊重すること

心と体のつながりを取り戻すには時間がかかります。
焦らず、安心して進める環境を一緒につくっていきます。
時には話すことが難しい日もあるでしょう。
そんな時は無理に言葉にしなくて大丈夫です。



不安のネガティブループから抜け出し、安心を育てる旅へ


不安は決して「あなたのせい」ではありません。
不安を感じる神経回路は、あなたが生き抜くために懸命に働いてきた証拠です。

でも、その回路が強化されすぎると、日常生活に支障が出てしまいます。
だからこそ、「心地よさ」や「安心感」の神経回路を意識的に育てていくことが、回復の近道になります。

もし今、強い不安に押しつぶされそうなら、一人で抱え込まずに相談してください。
あなたの「安心回路」を一緒に育てていくサポートをいたします。



カウンセリングへのご案内


当カウンセリングルームでは、あなたの心と体が安心できる環境を提供し、神経系のバランスを整えながら、不安のネガティブループから抜け出すお手伝いをしています。

無理に過去を掘り下げることなく、今のあなたの感覚を大切にしながら、ゆっくりと安心感を育てていきましょう。

まずはお気軽にご相談ください。
あなたの心が少しでも軽くなり、安心感が増えることを心から願っています。


同じように「不安」に悩む方に向けて、他にも心に寄り添う記事を書いています。
よかったら、不安に関する記事一覧ものぞいてみてくださいね。
あなたにとって、小さな安心につながりますように。



もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら


 

 

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