トラウマがあると疲れやすいのはなぜ?エネルギー不足を招く体のしくみ

この記事の内容

なぜ理由もなく疲れやすいのか


「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」
「特別なことをしていないのに、
毎日ぐったりしている」

そんな状態が続いているとしたら、
それは気合いや年齢のせいでは
ないかもしれません。



トラウマや慢性的なストレスを抱えている人の
体では、エネルギーを作る力そのものが
落ちている
ことが多いのです。


トラウマを抱えている方の多くが、
「自分はそんなに頑張っていないのに」
「他の人と同じ生活をしているだけなのに」
と感じながら、強い疲労感を抱えています。

これは気の持ちようでも、
根性不足でもありません。



トラウマを経験した脳と体は、
常に周囲を警戒しながら生きている状態
なっています。
(関連記事:トラウマが生む不安からの解放~安心感を育てて心と体をゆるめる方法

一見、普通に生活しているように見えても、
体の内側ではずっとアクセルを踏み続けて
いるようなもの。



それでは、エネルギーが消耗してしまうのも
無理はありません。



トラウマとストレスが体のエネルギーを奪う


私たちの体は、呼吸をすることも、
心臓を動かすことも、考えることさえも
エネルギーを使っています。



そのエネルギーを作っているのが、
細胞の中にあるミトコンドリアです。
(関連記事: 【ミトコンドリア×ストレス】疲れやすさ・不安の理由は“細胞のエネルギー不足”だった

トラウマや強いストレスが続くと、
脳は「今は危険だ」と判断し、
ストレスホルモンを出し続けます。



この状態が長く続くと、
ミトコンドリアは疲弊し、十分なエネルギーを
生み出せなくなってしまいます。


トラウマ反応は、
「過去の出来事を思い出している時だけ起こる」
というものではありません。

実際には、

  • 人の表情
  • 声のトーン
  • ちょっとした沈黙
  • 空気感



こうした無意識レベルの刺激に対して、
体が先に反応しています。

頭では「大丈夫」とわかっていても、
体や神経は「危険かもしれない」と
判断してしまう。



その積み重ねが、慢性的な疲労に
つながっていくのです。

慢性的な疲労のイメージを、暗い部屋のロウソクの火の画像で表現



ミトコンドリアが弱ると何が起こる?


ミトコンドリアが元気を失うと、

  • 疲れが取れない
  • 朝から体が重い
  • 回復に時間がかかる
  • 気力がわかない

といった状態が起こりやすくなります。
これは「怠け」ではなく、
体のシステムとして起きている反応です。



トラウマを抱えた人がやってはいけないこと


ここで、特に注意してほしいことがあります。

それは
断食・極端な糖質制限・無理なファスティング

エネルギーを作るためには、
酸素や栄養素だけでなく、
ブドウ糖(糖)が必要です。



疲れやすく、エネルギーが不足している状態で
食事を抜くと、体は「飢餓状態」だと
判断します。

デトックスどころか、
生きるためのエネルギーすら枯れてしまう
危険があります。



栄養を摂っても回復しない理由


「じゃあ、栄養をたくさん摂ればいいの?」
そう思われるかもしれません。

でも、ストレスホルモンが
出っぱなしのままだと、いくら栄養を摂っても
ミトコンドリアは元気になれません。



なぜなら、ストレスホルモンを出すかどうかを
決めているのはだからです。
(関連記事:ストレスホルモンが増えるとき~心だけでなく体もSOSを出している


ストレスホルモンが分泌されること自体は、
悪いことではありません。
本来は、命を守るための大切な反応です。

ただし問題なのは、
「出っぱなし」になっていること

ストレスホルモンが出続けている体では、

  • 消化や吸収がうまくいかない
  • 回復モードに切り替われない
  • 睡眠の質が下がる

といった状態が起こりやすくなります。

その結果、栄養を摂ってもエネルギーに
変換されにくくなり、
「ちゃんと食べているのに疲れる」
という悪循環に入ってしまいます。



なぜ「我慢強い人」ほどエネルギーが枯れやすいのか


トラウマを抱えている方の中には、
とても我慢強く、責任感が強い人が多いです。

  • 人に迷惑をかけたくない
  • 弱音を吐いてはいけない
  • これくらい我慢すべき

こうした思いが、知らず知らずのうちに
体を緊張させ続けます。

体は休んでいるつもりでも、
神経はずっと戦闘態勢。
だから、休んでも回復しないのです。



回復のカギは「安心感」


現代社会でストレスをゼロにすることは
できません。
でも、ストレスの強さを下げることはできます。

以前は些細なことで大きく緊張していた人が、
「そこまで反応しなくていい」と
体が学習していくだけでも、
ストレスホルモンの分泌は
確実に減っていきます。

そのために欠かせないのが、安心感です。



「安心しよう」と言われてもできない理由


よく
「リラックスしましょう」
「安心してください」
と言われることがありますが、
トラウマを抱えた体にとって、
これは簡単なことではありません。

安心とは、頭で考えて作るものではなく、
体が感じるもの
だからです。

体が緊張したままでは、
どんなに前向きな言葉をかけても、
安心は入ってきません。

だからこそ、
「考え方を変える」よりも先に、
「体がどう感じているか」に目を向けることが
大切になります。



体から整えるという選択


体が緊張している状態で、心だけを
リラックスさせるのはとても難しいものです。


だからこそ、体からのアプローチが効果的です。

  • 心地よい香りを感じる
  • 温かさを味わう
  • やさしく体に触れる
  • 肌触りのいいものに触れる

五感を使って「心地いい」
体に伝えてあげてください。

体が緩むと、脳や神経も少しずつ警戒を解き、
心も安心できるようになります。

リラックスのイメージを、湯気の出ているコーヒーカップと、本、ブランケットの画像で表現



今日からできる小さなケア


大きなことをしなくて大丈夫です。

  • 自分の体に意識を向ける
  • 無理をしていないか感じてみる
  • 基本的な生活習慣を大切にする

栄養・運動・睡眠、そして体を冷やさないこと。
こうした積み重ねが、弱っていたエネルギーを
少しずつ回復させてくれます。



回復は「ゆっくり」が正解


エネルギーが枯れている状態のとき、
「早く元気にならなきゃ」
「もっと頑張らなきゃ」
と思うほど、回復は遠のいてしまいます。

弱っているミトコンドリアを回復させるには、
急がないこと、無理をしないこと
何より大切です。

焦らず、少しずつ。
それが、結果的に一番の近道になります。



自分を責めないで


もし今、
「何もできない自分が嫌だ」
「昔みたいに動けない自分が情けない」
そんな思いを抱えていたとしたら、
それはあなたが弱いからではありません。



これまで、体が必死に
あなたを守ってきただけです。

まずはそのことに、気づいてあげてください。



まとめ


・トラウマと疲れやすさには、体の仕組みとして理由がある

・エネルギー不足の状態での断食や過度な制限は危険

・回復の鍵は「安心感」と「体へのやさしさ」

・小さな積み重ねが、神経とエネルギーを整えていく




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もしこの記事を読んで
「これ、私のことかもしれない」
そう感じたなら、それは体が助けを求めている
サインかもしれません。

トラウマや慢性的なストレスは、
意志の力だけでどうにかできるものでは
ありません。



安心できる関わりの中で、少しずつ体と神経を
整えていくことが大切です。

一人で抱え込まず、必要なときは
専門家のサポートを頼ってください。


あなたのペースを大切にしながら、
心と体の回復をお手伝いしています。


もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
エッセイはこちら

 

 

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