自己受容が人生を変える~短所と長所をどう受け止めるか
自己受容のための実験から始まった気づき
先日、私は長年の付き合いがある大切な先輩と
ランチをしていました。
友人という言葉では表しきれない、
心の深い部分まで共有できる
「心の友」のような存在です。
その時間の中で、
私は少し変わった実験を試してみました。
「私の短所を教えてもらえませんか?」
普通なら聞きたくない質問を、
あえて投げかけたのです。
短所を指摘されて、なぜか嬉しかった私
30年近いお付き合いのある先輩は、
私のことをよく知っています。
先輩が選んでくれた言葉は
優しさにあふれていました。
指摘された瞬間、私は不思議と嬉しくなり、
「そうそう!私ってこういうところある!」と、
テンションが上がってしまったのです。
本来なら落ち込む人も多いであろう場面なのに、
私は逆にエネルギーが湧いてきました。
長所を褒められてもピンとこない違和感
次にお願いしたのは
「長所を挙げてください」ということ。
ところが、指摘された短所の時のような
感情の動きはありませんでした。
むしろ、「そうかな?」と
他人事のように受け取ってしまったのです。
私はそこで大きな違和感を覚えました。
「短所を指摘されると嬉しいのに、
長所を褒められても響かないなんて…」
人は短所には敏感、長所には鈍感
この経験から強く感じたのは、
多くの人が自分の短所はすぐに挙げられるのに、
長所にはなかなか気づけないということ。
短所は「欠けている部分」として
目につきやすい一方で、
長所は自分にとって当たり前すぎて
意識されにくいのです。
「私にとって普通」が、他の人にとっては
素晴らしい長所であることも少なくありません。

自己受容とは「短所と長所を同じ心で受け止めること」
今回の実験の目的は、短所を指摘されても、
長所を褒められても、同じように穏やかな心で
受け止められるかどうかを試すことでした。
しかし、結果は真逆。
短所を指摘されると喜び、
長所を褒められてもピンとこない。
これは、私自身がまだ
「褒められることに不慣れ」だということを
教えてくれました。
本当の意味での自己受容とは、
「どちらも同じ価値を持つ自分の一部」として
受け入れることなのだと気づかされました。
自己受容ができていないと起こること
もし自己受容が十分にできていない状態で
他人から短所を指摘されると、
心は強く揺さぶられます。
「やっぱり自分はダメなんだ」
「だから私は愛されないんだ」
そんな思考のループに陥り、
落ち込みや自信の喪失につながります。
一方で、自己受容が進んでいると、
短所さえも「これが私なんだ」と
受け止められるようになります。
短所は「欠点」ではなく「特性」
心理学的に見ても、短所と長所は表裏一体です。
たとえば、
- 「心配性」は「慎重で丁寧」とも言えます。
- 「頑固」は「信念を持っている」とも言えます。
- 「優柔不断」は「柔軟で相手を思いやれる」とも言えます。
短所だと思っていた部分も、
角度を変えれば立派な長所になり得るのです。
長所を受け取るのが苦手な理由
多くの人は、褒め言葉を受け取ることに
抵抗を感じます。
「そんなことないです」
「まだまだです」
と、つい否定してしまう。
これは、子どもの頃から「謙虚でいなさい」
「調子に乗ってはいけない」と言われてきた
文化や環境の影響が大きいのです。
でも、褒め言葉を否定するということは、
相手の思いをも拒絶してしまうことになります。
自己受容の第一歩は「そのままの自分を認めること」
自己受容のスタートは、短所や長所を判断せず、
「これが私」とただ認めることです。
できない日があってもいい。
失敗しても、
それがあなたの価値を下げるわけではない。
「完璧じゃなくても大丈夫」
「不完全な自分でいても、愛される価値がある」
そう思えるようになったとき、
人生は驚くほど軽やかに変わっていきます。
(関連記事:人は長所で尊敬され、短所で愛される~人間関係が深まる本当の理由)

自己受容を育てる3つの実践法
- 日記に「今日できたこと」を書く
小さなことでも「できた」を積み重ねる。 - 褒められたら「ありがとう」とだけ言う
否定せず、シンプルに受け取る。 - 短所を長所に変換してみる
たとえば「優柔不断 → 慎重で丁寧」と言葉を変えてみる。
短所も長所も「大切な私の一部」
今回の実験を通して、私は
「短所も長所も等しく自分の大切な一部」
として受け止めることの重要性を学びました。
どちらも欠けることなく揃っているからこそ、
今の私が存在しています。
もし今、あなたが
「自分の短所ばかり気になる」
「褒め言葉を素直に受け取れない」
と感じているなら、
それは自己受容を育てていく大切なサインです。
カウンセリングのご案内
自己受容の道は一人で歩むには
時間がかかることもあります。
誰かと一緒だからこそ、
安心して自分を見つめられる瞬間もあるのです。
私のカウンセリングでは、安心安全な場で
「短所も長所も丸ごとのあなた」を
受け止めるサポートをしています。
「ありのままの自分で生きたい」
「もっと心を楽にしたい」
そんな思いをお持ちでしたら、
ぜひ一度ご相談ください。
あなたが自分自身を優しく抱きしめられるよう、
伴走いたします。
(関連記事:否定せず受容することの大切さ~心が回復するカウンセリングの力)
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