インナーチャイルドを癒しても生きづらいのはなぜ?~トラウマ回復に必要な順番という視点
インナーチャイルドを癒しても生きづらいのはなぜ?
以前、あるクライアントさんと
お話ししている中で、
「これは多くの方に知っておいてほしいな」と
感じることがありました。
それは、
インナーチャイルドを癒したはずなのに、
生きづらさがあまり変わらない
と感じている方が、
実は少なくないということです。
インナーチャイルドとは何か
「インナーチャイルド」という言葉を、
聞いたことがある方も多いと思います。
一般的には、子ども時代に傷ついたまま心の中に残っている存在、
いわば「傷ついた子どもの自分」を指します。
インナーチャイルドを癒すと、生きやすくなる。
そんなふうに語られることも多く、
インナーチャイルドセラピーやイメージワークも
広く知られるようになりました。
私自身も、過去にインナーチャイルドセラピーを
受けたことがあります。
胸のあたりがじんわり温かくなり、
確かに「癒された」と感じる瞬間がありました。
それでも「生きづらさ」が残ることがある理由
ただ、ここには一つ大切な注意点があります。
インナーチャイルドを癒しても、
生きづらさが残ることがある。
それは、やり方や順番が合っていない場合です。
インナーチャイルドとは、
心に受けた傷の中でも、もっとも深い部分にあることが多い領域です。
私のトラウマセラピーでは
「インナーチャイルド」という言葉ではなく、
「チャイルドのパーツ」と表現しますが、
それは幼少期に最も深く傷ついた部分です。
そのパーツは、傷ついた当時のまま、
長い間、誰にも気づかれず、
守られることもなく、
心の奥に置き去りにされてきました。

準備なしに触れると、なぜ苦しくなるのか
そんな深いところに、何の準備もなく
いきなり触れたらどうなるでしょうか。
多くの場合、強い抵抗が起きます。
人によっては、
激しい不安やフラッシュバックが起き、
かえって体調やメンタルが
不安定になることもあります。
海外のトラウマセラピーでは、
チャイルドのパーツは回復の「最後の方」で扱う
というのが、一つのセオリーになっています。
でも日本では、
十分な見立てや準備がないまま、いきなり
インナーチャイルドセラピーを行うケースも
まだ少なくありません。
イメージが苦手な人に起きていること
また、インナーチャイルドセラピーは
イメージワークが中心になることが多いです。
もし
「イメージが浮かばない」
「体の感覚がよくわからない」
と感じるなら、それは向いていないというより、
そのチャンネルがまだ育っていないだけかも
しれません。
私たちはそれぞれ、
思考・感情・感覚・イメージなど、
いくつものチャンネルを持っています。
長い間、思考優位で生きてきた方ほど、
体の感覚やイメージは感じにくくなります。
それは、感じないことで、
これまでを必死に生き抜いてきた証でも
あるのです。
心だけでなく、体の土台が必要な理由
心と体は、切り離して考えることができません。
トラウマの影響は、
脳や自律神経だけでなく、
さらに深く掘り下げれば、
細胞レベルにまで及びます。
体の緊張が強いまま、
認知やイメージだけを書き換えようとしても、
一時的に前向きになった「気がする」だけで、
時間が経つと元に戻ってしまうことも
少なくありません。
だからこそ、
体を整えること、安心安全を感じられる土台を
作ることが、とても大切になります。
トラウマ回復に必要なのは「順番」
私はこれまで、
心理学やトラウマセラピーだけでなく、
脳科学、自律神経の理論、分子栄養学、
ヨガや整体、体の使い方、胃腸の整え方など、
さまざまな分野を学んできました。
それはただ一つ、
より安全で、より確実に回復していく道を
探したかったからです。
トラウマの回復には、
正解は一つではありません。
一人ひとり、必要な順番も、ペースも違います。
インナーチャイルドは悪者ではありません。
ただ、「今」触れる場所なのかどうかを、
丁寧に見極める必要があるのです。

あなたが悪いわけではありません
「インナーチャイルドを癒しても
生きづらいのはなぜ?」
その答えは、
あなたの努力が足りないからでも、
感受性が低いからでもありません。
心と体は、
これまであなたを守るために、
最善を尽くしてきました。
まずは、そのことに気づき、
今の自分に合った順番で、
少しずつ整えていくことが大切です。
カウンセリングのご案内
もし、
「今までいろいろ試してきたけれど、
あまり変わらなかった」
「インナーチャイルドに向き合うのが怖い」
そんな思いを抱えているなら、
それはあなたが弱いからではありません。
あなたの心と体に合った、
安全な回復の道があります。
私のカウンセリングでは、
無理に深いところへ入ることはせず、
今の状態を丁寧に見ながら、
心と体の両方から整えていきます。
一人で抱え続けなくて大丈夫です。
必要なタイミングで、
専門家のサポートを受けることも
大切な選択の一つです。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、
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気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
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