「歌うこと」で心が整う理由~体が安心を感じる“第三の神経”とは~
一人カラオケの時間から気づいたこと
先日少し時間が空いたので、
一人でカラオケに行ってきました。
私は友達と行くのも好きですが、
一人で行くのも結構好きなんです。
歌っていると、不思議と心と体が軽くなります。
それは単なる気分転換ではなく、
私たちの体のしくみにも関係しているのです。
歌うことが「心を整える」理由
以前、Instagramで「歌うと心が軽くなる
6つの理由」という投稿をしました。
その中のひとつに、「第三の神経が活性化する」というお話があります。
私たちの体には、よく知られている
交感神経(活動モード)と
副交感神経(休息モード)のほかに、
もうひとつ安心して人とつながる時に働く
“第三の神経”があります。
この「第三の神経」は、専門的には腹側迷走神経(ふくそくめいそうしんけい)と
呼ばれています。
少し難しい名前ですが、要するに
「リラックスしながら人とつながるための神経」なんです。
この神経が働いていると、
不安や怒りに振り回されず、
落ち込みやシャットダウンにも陥らずに、
穏やかに人と関われるようになります。
つまり、「体が安心を感じている状態」です。
顔や喉に影響する“安心の神経”
この第三の神経は、体の中でも特に
「横隔膜より上」、つまり顔や喉の働きに
関係しています。
たとえば、安心している人の表情は柔らかく、
目元や口角が自然に緩んでいます。
逆に、ストレスが強いと表情はこわばり、
眉間にしわが寄ったり、口がヘの字になったり。
うつ状態のときには、感情の読めない
「無表情」になってしまうこともあります。
これは、顔や喉の筋肉を調整するこの神経が、
うまく働いていない状態なんです。
歌うことで神経が“チューニング”される
そんな時におすすめなのが、「歌うこと」。
歌うとき、私たちは自然と表情筋や
喉の筋肉を動かします。
普段、固まっていた筋肉がやわらかくなり、
喉を震わせることで第三の神経(腹側迷走神経)が活性化されていきます。
この「震え」は実はとても大切な反応です。
人は強い恐怖やショックを受けたとき、
体が自然と震えることで緊張を放出します。
この震えをうまく出せる人は、トラウマを
体の外に流せるため、心身へのダメージが
残りにくいと言われています。
一方で、怖さを感じたまま
体が固まってしまうと、そのエネルギーは
体の中に溜まり、のちの不調に
つながることもあります。
歌うという行為は、喉を通して
やさしく自分を解放する方法でもあるのです。

お風呂で鼻歌でもOK
「カラオケは苦手」という方も大丈夫です。
お風呂で鼻歌を口ずさむだけでも、
十分効果があります。
歌うことは、呼吸を整え、心拍を落ち着け、
体を「安心のモード」に切り替えるスイッチ。
特別なことをしなくても、
日常の中で少しずつ取り入れるだけで、
心も体も安定しやすくなります。
私自身も、歌に救われてきた
思い返せば、私は子どもの頃から人前で話すのが苦手な、超内向的なタイプでした。
でもなぜか、カラオケだけは大好きで。
歌が特別うまいわけでもなく、
音楽の授業では嫌な思い出もあります。
それでも10代のころ、週に1~2回は
カラオケボックスに通っていました。
当時の私はたくさんの
怒りや悲しみを抱えていましたが、
今思うと「体が知っていた」のかもしれません。
歌うことで無意識に、心の中に溜まった
エネルギーを解放していたのだと思います。
「歌うこと」は、自分をやさしく癒すセルフケア
「歌うこと」は、単なる娯楽ではなく、
自分の心と体を整えるセルフケアです。
第三の神経(腹側迷走神経)が穏やかに
働き出すことで、表情が柔らかくなり、
人との関わりが少し楽になることもあります。
心が緊張しているとき、
何となく元気が出ないときぜひ一曲、口ずさんでみてください。
あなたの体は、ちゃんと安心を感じる力を
持っています。
その力を、歌うことで思い出していきましょう。

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