リラックスが苦手な人へ。過緊張の体をゆるめる“脱力のコツ”
リラックスできないあなたへ 「休みたいのに休めない体」
「リラックスしてください」と言われても、
どうしたらいいのかわからない。
そう感じたことはありませんか?
力を抜きたいのに、抜けない。
休みたいのに、体のどこかが
いつも緊張している。
そんな状態が続くと、心も体もずっと
「戦闘モード」のままです。
私自身、長い間
過緊張の中で生きてきました。
肩こりや腰痛はもちろん、顎の変形症、巻き爪、外反母趾…。
「姿勢が悪いのかな」「運動不足かな」と
思っていたけれど、
本当の原因は“常に体に力を入れて
生きていたこと”だったのです。
がんばることが当たり前になっていた私は、
自分が「力を入れている」ことすら
気づいていませんでした。
今日はそんな過緊張の人に向けて、
リラックスが難しい時に取り組みやすい
“脱力のコツ”をお伝えします。
過緊張とは? 脳が“危険”を感じている状態
過緊張とは、常に体や心が
「危険に備えている」状態のこと。
神経の働きで言えば、交感神経が優位に
なっている状態です。
つまり、脳が「今は安全ではない」と
判断しているのです。
たとえば、ライオンに追われたら、
人は全身の筋肉に力を入れて逃げます。
でも、現代の私たちはもう
ライオンに追われることはありません。
代わりに、人間関係や仕事、過去の記憶などが、
脳にとって“危険信号”として働くことがあります。
だから、
「リラックスしなさい」と言われても
難しいのは当然のこと。
脳がまだ“危険”だと思っているのに、
体だけゆるめるなんて無理なんです。
これは意思の弱さではなく、
脳と体の防衛反応なんです。

私の体が語っていた「過緊張のサイン」
私が過緊張だった頃、
体はずっと訴えていました。
「もう頑張るのをやめたい」と。
けれど私は、その声を聞けずにいました。
常に肩に力が入り、呼吸は浅く、
夜になっても気持ちが張り詰めたまま。
食いしばりで顎が変形し、
体のゆがみから外反母趾や腰痛にも
悩まされました。
「自分がちゃんとしていないからだ」
「もっと努力しなきゃ」
そんなふうに、自分を責めていたのです。
でも、あるとき気づきました。
私は“真面目”なんじゃなくて、
“過覚醒”していたんだ、と。
常に危険を感じている神経が、
私の体をずっと守ろうとしていたのです。
体がこわばることには、理由があります。
それは「怖かったから」「不安だったから」。
体は、ずっと私を守るために
緊張してくれていたのです。
リラックスが難しいのは「悪いこと」ではない
過緊張の人にとって、
リラックスは“挑戦”のようなもの。
「力を抜こう」としても、かえって体が固くなる
ことがあります。
それは、脳がまだ安心していないから。
つまり、「力を抜けない」=「まだ安心できていない」だけ。
悪いことではありません。
あなたの体は、ちゃんとあなたを
守っているのです。
だから、まずは“気づくこと”が大切。
「いま、肩に力が入ってるな」
「呼吸が浅いな」
そんな小さな気づきから始めましょう。
無理にリラックスしようとするより、
「今、私は少し緊張してるんだな」
と優しく受け止めること。
それが、神経を落ち着かせる第一歩になります。
“一度力を入れてから脱力する”というリラックス法
過緊張の人にとって、
いきなり「力を抜く」よりも
効果的な方法があります。
それが、一度力を入れてから脱力するという
やり方。
手順
- 肩や腕、手、足などにギュッと力を入れて5秒キープします。
- そのあと息をふーっと吐きながら力を抜く。
- 「今、どんな感じがするかな」と
体の感覚を感じてみましょう。
力を入れたあとに抜くと、体が「今は安全だ」と感じやすくなります。
これは筋肉の反射を使った自然なリラックス法。
緊張を無理に抑え込むのではなく、
「ゆるむことを体に思い出させていく」
感覚です。
実際、私もこの方法を取り入れるように
なってから、肩の力が少しずつ抜けて、
呼吸が深くなっていくのを感じました。
「リラックスしよう」と頑張るのではなく、
「脱力の練習をする」と思うだけで、
心が軽くなりました。
少しずつ“安心”を体に思い出させる
リラックスとは「安全を感じること」。
だから、心地よい刺激を日常に少しずつ増やしていきましょう。
たとえば、
・朝と夜に1分間、脱力の練習をしてみる
・温かい飲み物をゆっくり飲みながら
呼吸を感じる
・お気に入りの香りや音楽を使って
“安心”を思い出す
神経は「繰り返し」で変化します。
少しずつ、「ここは安全だよ」「もう大丈夫だよ」と
体に伝えていくことで、
過緊張はゆるんでいきます。
そして何より、
「頑張りすぎた体を休ませてあげたい」
という気持ちが、回復の第一歩です。
ゆるめることは、怠けることではなく、
勇気の表現なんです。
(関連記事:緊張を緩める方法~トラウマでガチガチになった心と体をほぐすシンプル習慣)

頑張り続けてきた体を、少しずつ休ませてあげよう
過緊張は、弱さではありません。
ずっと頑張り続けてきた証です。
安心を知らないまま、
必死で生き抜いてきた体が、
ようやく「休みたい」と言っているだけ。
もしあなたの体も、
いつも力が入って抜けないなら、
一人でゆるめようとせず、誰かの安心の中で
ほどいていくのもいいと思います。
私のカウンセリングでは、
体と心をつなぐ神経の働きを丁寧に見ながら、
「安心して力を抜く練習」を
お手伝いしています。
頑張りすぎた体に、もう一度“安心”を
思い出させてあげませんか?
もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
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