悲劇のヒロインから抜け出せない理由と心の仕組み~自分を責めず生きづらさを手放す方法
悲劇のヒロインになってしまう私
「どうして私ばかりがこんなに不幸なんだろう」
「私は世界一不幸な人間なんじゃないか」
そんな風に思ったことはありますか?
かつての私は、ずっとそう思い込んでいました。
生まれ育った家庭の中で、
親からのひどい扱いを受け、病気にもなり、
「なんて私は可哀そうなんだ」と
心の中でつぶやき続けていました。
毎日がつらくて、生きているのが苦しくて、
「消えてしまいたい」と思う一方で、
同時に「悲劇のヒロイン」でいることに、
どこか不思議な心地よさを感じていたのです。
その心地よさがあるせいで、
なかなかその役割から抜け出せませんでした。
悲劇のヒロインでいることは「自己防衛」
今振り返ると、あのとき私が
「悲劇のヒロイン」でい続けたのは、
実は自分を守るための防衛反応でした。
心はとても賢いです。
あまりにもつらい現実を
そのまま受け止めてしまったら、
壊れてしまうほどの痛みを抱えることになる。
だからこそ、心は
「私は世界一不幸だから仕方ないんだ」
と理由をつけて、
なんとか正当化しようとしたのです。
「悲劇のヒロインでいること」は、
痛みをやわらげるための仕組み。
つまり、心が自分を壊さないように
してくれていたのです。

なぜ「心地よさ」を感じるのか
「不幸でいるのに心地よさ?」と
不思議に思うかもしれません。
でも、その心地よさは
「現実を直視せずに済む」
ことから生まれていました。
本当は
「なぜ私だけがこんなに苦しいのか」
と考えるのも辛い。
けれど「私は悲劇のヒロインだから」と
理由をつけておけば、痛みを薄められる。
その小さな安堵が
「変な心地よさ」につながっていたのです。
周囲からの誤解 ~不幸ぶっている」と言われる苦しさ
悲劇のヒロインでいると、
周りから「また大げさにして」
「悲劇のヒロインぶって」と
言われることがあります。
そう言われたとき、
とても苦しくなりますよね。
「本当につらいのに」
「私は好きでこうしてるんじゃないのに」
と思いながら、
ますます自分を責めてしまう人も多いです。
でも、実際にはそれは
「演じている」のではなく、
心があなたを守ろうとしている証拠。
弱いからでも、甘えているからでもありません。
どんな自分にも存在理由がある
私たちは、つい
「こんな自分はダメだ」と思いがちです。
悲劇のヒロインに限らず、
怒りを爆発させる自分、
嘘をつく自分、泣き叫ぶ自分・・・
けれど、それらすべてに
「存在する理由」があります。
生き延びるために必要だったから、
心がその役割を与えてきたのです。
一見「醜い」と思える部分であっても、
それはあなたを守ってきた大切な働きでした。
(関連記事:心の中はまるで“大家族”──厳しさも不安も、すべてはあなたを守るためだった)
自分を責めても変わらない
「こんな自分は嫌い」「消したい」と思って、
嫌いな自分にフタをしてもなくなりません。
見ないふりをしても、
その部分はしっかりと心の奥に存在しています。
大切なのは、
なぜその自分がいるのかを理解し、
「もうそんな風に頑張らなくても大丈夫だよ」
と安心させてあげること。
そうして初めて、
その役割は少しずつ手放されていきます。
自分を癒す第一歩~認めて労うこと
悲劇のヒロインをやめたい、
もっと自由になりたいと思ったときに
できることは、
「そんな自分を認めて労う」ことです。
「よくここまで生き延びてくれたね」
「そうせざるを得なかったんだよね」
そう声をかけるように、
自分の存在を受け入れてあげること。
その小さな一歩が、
あなたの心を確実に癒していきます。

悲劇のヒロインから自由になるために
悲劇のヒロインでいることは、
弱さや欠点ではありません。
心が必死にあなたを守ろうとした証。
けれど、いつまでもその役割に縛られていると、
本当の自分の人生が見えにくくなってしまいます。
だからこそ、「そんな自分もいていい」と認め、
少しずつ安心を積み重ねていくことが大切です。
カウンセリングのご案内
もし今、あなたが
「悲劇のヒロインから抜け出したいのに苦しい」
と感じているなら、
一人で抱え込まなくて大丈夫です。
カウンセリングでは、
あなたの心の中で
どんな防衛反応が働いてきたのかを
一緒に見つめ、
「もう頑張らなくてもいい」と
安心できるようサポートしていきます。
どんな自分も責めずに、
受け入れていけるようになると、
生きづらさは少しずつ軽くなります。
あなたの心が自由に羽ばたけるように、
ぜひ一度ご相談ください。
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気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
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