怒りを意志ではコントロールできないたった一つの理由



アンガーマネジメントという言葉が流行りました。



アンガーマネジメントとは、怒りを抑えられない人の怒りの感情をコントロールするための技術や考え方のことです。


怒りについての関連記事(怒りの感情はどこから湧いてくるのか?)




私自身はアンガーマネジメントを学んだ経験はありませんので、アンガーマネジメントについてはネット上で調べた範囲の知識しかありません。


方法としては6秒ルールとか、怒りを数値化する、ビリーフを緩める、怒りのトリガーを知る、自分の気持ちの伝え方を変える、リフレッシュする方法を知るなどがあります。



6秒ルール以外は、効果的ではないかなと個人的には思います。



なぜ6秒ルール以外なのかと言うと、そもそも6秒我慢できないから困っているんではないかと思うのです。



瞬間的に怒りが出てしまうのは精神論ではなく、体の反応だからです。



過去に何かしらのトラウマがあると、脳の扁桃体という部分の活動が過剰になります。



扁桃体は感情の処理を行う場所なのですが、特に怒りや不安、恐怖などのネガティブな感情に強く反応します。



ネガティブな感情が湧くというのは、命の危機の可能性があるので、扁桃体は即座に反応し逃げるか闘うかの判断を下さないといけないのです。

脳疲労




幼少期、家庭内で安心して過ごせなかった人は、扁桃体の活動が活発です。



特に大きな出来事がなかったとしても、日常的に家庭内で不安を抱えていたら常に扁桃体の活動が過剰になり、その状態が長く続くと不安障害やパニック障害のリスクが高まります。



人の脳には理性や判断力をつかさどる「前頭前野」という部分があり、扁桃体がパニックを起こしても前頭前野が冷静に「本当に危険なのか?」と判断できるのですが、あまりにも日常的にストレスが多いと、前頭前野のコントロールが効かなくなり、扁桃体が暴走してしまうのです。



そのため、6秒我慢できずに怒りを爆発させてしまう人がいるのです(もちろん6秒我慢できる人もいます)



もし6秒我慢できないのであれば、扁桃体が暴走している可能性があります。



扁桃体が暴走している人は、怒りを意志でどうこうはできないのです。



脳や神経の働きは人の意志とは関係ありません。



いくら今は命の危険がなくても、長年繰り返されてきた扁桃体の過剰な活動は、意志の力では止められません。



扁桃体が興奮していると、前頭前野の働きも抑えられてしまいます。

疲れた脳



前頭前野は以下のように沢山の働きをしてくれており、きちんと働いていればストレスに強くなり、怒りや不安もコントロールでき、人間関係もスムーズになります。

前頭前野の働き

①意思決定・判断力

②感情のコントロール

③計画・目標設定

④注意力・集中力の維持

⑤創造性・問題解決能力

⑥社会性・コミュニケーション能力





また、扁桃体の過剰活動を抑え、前頭前野の働きを活発化させるには以下の方法が効果的です。

前頭前野の働きを活発化させる方法

①読書・学習

②運動

③瞑想・マインドフルネス

④呼吸法

⑤社交活動



しかし、何をするにも土台に「安心感」が必要です。



何事も「安心感」という土台の上に、積みあがっていきます。



安心感を育てるには、

①体に覚えさせる

②人とのつながりの中で育てる



全く知らない人であっても、目が合った時にニコっとされると私たちは安心します。


哺乳動物である我々人間は、人との温かい交流の中で「安心感」を育てる生き物なのです。


猫




まとめ

怒りを意志ではコントロールできない理由

「体の反応」だからです。





過去の何らかのトラウマで今も扁桃体が過剰活動をしていて、前頭前野の働きを妨げている場合、まずは体にアプローチして体に安心感を覚えさせてあげましょう。



当カウンセリングルームでは、単に聴くだけ話すだけではなく、体にアプローチする方法で少しずつトラウマで固まった心と体を緩めていきます。



今までのカウンセリングで思うような効果の出なかった方も、トラウマセラピーで体の緊張を解いていきましょう。




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