強い不安を和らげる方法
不安の強い人がいます。
常に不安感がつきまとい、心が安らぎませんし、とても疲れます。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
家庭内で安心できずに育った子供は、常に家の中で緊張しています。
虐待などのわかりやすい危機がなかったとしても、両親が不仲だったり、親の機嫌がいつも悪かったり、口うるさく言われたり、無視されたりという状況があれば、子供にとって家の中は安心できる場所ではありません。
常に緊張して身を守る必要があったのです。
そうすると、脳の最も原始的な部分が命を守るため、常に危険を察知する能力を高めてしまうのです。
他の人が気にならないようなささいなことでも、脳は「危険だ」と勘違いし、常に心と体を緊張状態にします。
幼少期、家庭内で安心して過ごせなかった人は、人より危険を察知する能力が高い分、不安を感じやすいのです。

人の脳の仕組みとして「ニューロセプション」があります。
それは「今この場所が安全なのかそうでないのか?」を無意識に判断する神経的なプロセスです。
人は家の中が危険だと感じた場合、神経が危険に対応するような「逃げる」「闘う」「凍りつく」などの反応を無意識に選択するのです。
危険な場所で無防備にリラックスしていると、命を落とす危険があるからです。
こうして人一番不安を感じやすい神経状態になるのです。

では不安は悪いものなのか?というと、そうではありません。
不安があるからこそ事前に準備をして備え、大きな危険を回避できているとも言えます。
人は少しの緊張や不安があった方が、よいパフォーマンスができるという研究結果もあります。
不安が湧いてきた時は悪い点ばかりに目を向けるのではなく、この不安があったからこそ今日まで生き抜くことができたと捉えることもできるのです。
かと言って過剰な不安を感じ続ければ、心身ともに疲弊していきます。
そこで、不安感を弱めるにはどうしたらいいのか?をお伝えします。
①安心感を育てる
安心感を感じられる人とのつながりを作り、安心できる空間や時間を確保する。
②体の感覚を取り戻す
常に危険を察知するため神経過敏になっていると、体の感覚を感じにくくなります。
安心安全な時間を増やしながら、少しずつ自分の体に意識を向けていきます。
③基本的な生活習慣を整える
人は疲れていたり、寝不足だったりするとさらに不安が増します。
またカフェインで覚醒すると、不安が強くなります。
適度に休む、しっかり食事を摂る、睡眠時間を確保する、体を冷やさないなどの基本的な生活習慣を見直すことも重要です。
カウンセリングでは「安心感」を育てるための様々なワークを提供しております。
またカウンセラーというあなたの心に寄り添う存在とのつながりは、安心感を育てます。
不安が強くて悩んでこられた方ほど、一生懸命現実に適応しようと頑張ってこられた方なんです。
どうか、ご自分を責めたり嫌いになったりしないでくださいね。