アダルトチルドレンが陥りやすい心の悪循環~頑張りすぎて苦しくなる仕組みと抜け出すヒント~

この記事の内容

アダルトチルドレンが抱える悪循環の正体とは


「放っておいても大丈夫だと思った」

これはかつて、私が父からかけられた言葉です。


小さな頃から私は、父の怒号や暴力にさらされながらも、泣くことを許されず、怖いと訴えることもできず、ただただ耐える日々を過ごしてきました。
そして、大好きな母を守れない自分を「無力で、価値のない存在」と感じながら育っていったのです。

その中で私の中に芽生えたのが、

  • 「弱音を吐いてはいけない」
  • 「泣くのは弱い証拠」
  • 「自分のことは自分で解決すべき」

という“ねばならない”思考でした。

それらは、まるで鎧のように私を覆い、「強くなければ生きていけない」という思い込みに変わっていきました。

でもこの鎧を身につけたことで、逆に誰にも頼れず、誰にも甘えられず、ただ一人で戦い続ける苦しい人生になっていったのです。



幼少期の環境がつくる「強さの誤解」


アダルトチルドレンの方の多くが、「頑張りすぎる」「頼れない」「自分を後回しにする」傾向を持っています。

でも、それは性格ではありません。

ポリヴェーガル理論の視点から見ると、こうした状態は神経系のサバイバル反応ともいえます。

たとえば、安心できない家庭環境では、「社会交流(つながり)」の神経ルートが働きにくくなります。
その代わりに、「闘う・逃げる」あるいは「凍りつく」神経ルートが優位になる。
これが長く続くと、「頼る」や「委ねる」こと自体が危険だと脳が覚えてしまうのです。

つまり、子どもだった自分が必死に生き延びるために編み出した、無意識の戦略だったということ。



「頑張りすぎ」が悪循環をつくる理由


大人になってからもこの戦略を使い続けてしまうと、次のような悪循環が起こります。

  1. 頑張り続ける
  2. 頑張っても報われない
  3. 自分を責める
  4. さらに頑張る
  5. 限界を超える
  6. 倒れる or 急に無気力になる


そしてまた「自分はダメだ」と感じ、さらに自分を追い詰めてしまう・・・

このループから抜け出せないままでいると、心も体もボロボロになってしまいます。

自分を追い詰めるイメージを白黒のマーガレットの画像で表現



自分の中にいる「たくさんの私」に気づく


パーツ心理学では、私たちの心の中には「たくさんの自分=パーツ」がいると考えます。

たとえば、

  • 周りに迷惑をかけないように頑張る“いい子の私”
  • 自分に厳しく「もっとやれ!」と叱る“批判する私”
  • 怒りを出せずに我慢してきた“悲しんでいる私”
  • 本当は人に甘えたかった“甘えん坊の私”


これらはすべて、あなたが苦しい環境を生き延びるために生まれた大切な“パーツ”です。

問題なのは、それらがバラバラに、しかも過剰に働いてしまうこと。

たとえば「批判する私」が強すぎると、どれだけ頑張っても「まだ足りない」と自分を責め続けますし、「甘えん坊の私」がずっと押し込められていると、ふとした瞬間に爆発するような感情になることもあります。



回復の第一歩は「気づくこと」


この悪循環から抜け出すには、

まず、「今の自分は、過去の傷つき体験からできたパターンを繰り返しているのかもしれない」と気づくことがとても大切です。

  • どうして私は、こんなに頑張ってしまうのだろう?
  • どうして頼れないのだろう?
  • なぜ人を信用できないのだろう?


これらの問いかけに、優しく耳を傾けること。

これは、あなたの中にある「怖がりなパーツ」や「孤独なパーツ」と向き合うということでもあります。



安心感がもたらす、神経系の「つながり」モード


私たちの神経系には、「つながり」を感じているときに働くルートがあります。
これをポリヴェーガル理論では「腹側迷走神経系」と呼びますが、難しい名前は覚えなくても大丈夫。

大切なのは、人は安心していないと、心も体も本来の力を発揮できないということです。

あなたが誰かと一緒にいて「なんか落ち着くなぁ」「安心できるなぁ」と思えるとき、それは神経系が“安全モード”になっている状態。
逆に、常に気を張っていたり、頭がぐるぐるしていたり、感情を感じづらい状態は“サバイバルモード”です。

この安心のスイッチを入れることこそが、過去のパターンから抜け出し、回復への道を歩むための第一歩になります。



神経系を整える、安心の実践ステップ


「でも、どうやって安心すればいいの?」
そう感じた方もいるかもしれませんね。

ここからは、日常の中でできるシンプルな方法を紹介します。
難しいことは何もありません。

1. 「心地よい時間」を意識してつくる

忙しい日々の中でも、「ほっとできる時間」「好きな音楽を聴く」「お茶を丁寧に淹れる」など、小さな安心感を意識的に増やすこと。

それが、脳に「今は安全だよ」と伝える信号になります。

2. 体の感覚にやさしく意識を向ける

たとえば、深呼吸をしてみたり、手足の温かさや重さを感じてみたり。

体とつながることは、「今ここ」に意識を戻すことでもあり、不安や焦りのループから抜け出す大きな助けになります。

3. 信頼できる人とつながる

人との“穏やかな関わり”は、神経系にとっての栄養です。
無理に人と会わなくても、「この人といると落ち着くな」と感じられる相手とのやり取りを大切にしてください。

安心できるつながりのイメージを二羽のアヒルの赤ちゃんの画像で表現



カウンセリングでできること ― 安心の土台づくりから


当カウンセリングルームでは、過去を無理に掘り返すことはしません。

それよりも、

  • 今、どんな悪循環が起きているのか
  • どんな神経系の状態が続いているのか
  • どんな「私」が頑張りすぎているのか

を一緒に紐解いていきます。

そして、

  • 安心できる時間を少しずつ増やすこと
  • リソース(支えとなる資源)を育てること
  • 心と体のつながりを取り戻すこと

を大切にしています。

また、パーツ心理学の視点をベースに、今まで押し込めてきた自分の一部にやさしく目を向けていくことで、心の中に“協力関係”が生まれ、自然と生きやすさが戻ってくるのです。



悪循環から抜け出すカギは、あなたの中にある


あなたが今まで選んできた“頑張ること”は、過去のあなたを守ってきた大切な選択だったかもしれません。

でも、もし今そのやり方で苦しいと感じているなら、そろそろ「別の道」を選ぶタイミングかもしれません。

心の中のたくさんの“私”たちは、あなたの味方です。
その声に少しずつ耳を傾け、安心の中で再びつながり直すことで、あなたの中に本来備わっている回復力がよみがえっていきます。



カウンセリングへのご案内


「ずっと頑張ってきたけど、もう限界かもしれない」
「本当は、もっと自由に生きたい」
「一人で抱えるのがしんどい」

そんな想いが少しでもある方は、どうか一人で抱え込まないでください。

当カウンセリングルームでは、安心・安全の中で“あなたのペースで”心の声を聴くサポートをしています。

過去を無理に語らなくても大丈夫。
あなたの中の「今ここ」を育てながら、少しずつ自分自身とつながっていく旅を、ぜひ一緒に歩んでいきませんか?




もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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