もう死にたいと何度も思った私が、少しずつ『生きる』を選べるようになった話
私の「死にたい気持ち」との付き合い方
「もう死んでしまいたい」「消えてしまいたい」
——この言葉を、私は小学生のころから
何度も心の中で繰り返してきました。
大声で叫ぶように外へ出すわけではなく、
いつも胸の奥で静かに鳴っている
声のようなものです。
誰にも理解されない、どこにも居場所がない。
そんな感覚は、夜にひとりになると
強くなりました。
この文章は、過去の私と同じように
つらい気持ちを抱えているあなたに
向けたものです。
私が実際に経験したこと、
そして少しずつ変わっていった道のりを
そのまま書きます。
小学生の頃からの暗い気持ち~誰も味方がいないと感じた日々
私が初めて「死にたい」と思ったのは、
小学生のころでした。
唯一の味方だと思っていた母に叱られて、
世界にもう誰も私の味方がいないと感じた
瞬間です。
その後も、ちょっとしたことで
「生きているのがつらい」と思いがちでした。
人と比べたり、過去の出来事を何度も
思い出してしまったり。
そんな自分を責めて、
余計に苦しくなる悪循環が続きました。
「つらい」と感じる理由は人それぞれです。
けれど、共通しているのは
“誰かに受け止めてもらえていない感覚”が
根底にあること。
私の場合は家庭や学校の中で、
心の安全基地が十分に感じられなかったのだと
思います。
ある週末の恐怖~脇の下の腫れが教えてくれたこと
大人になったある週末、
脇の下に不気味な腫れを見つけました。
グリグリとしたしこりがあり、
不安が一気に膨らみます。
病院が閉まっている夜、
不安は最悪の想像へ向かいました。
「癌かもしれない」「手術になるかもしれない」
「もう手遅れかもしれない」
——悪い未来ばかりが頭に浮かび、
夜も眠れず涙が止まりませんでした。
週明け、病院へ行くと医師は抗菌剤を出し、
「菌が入ったのかもしれないね」と
アッサリ言いました。
数日で腫れは引き、
私の不安はまるで泡のように消えました。
この出来事で気づいたのは、
日常的に「死にたい」と言っていた私でも、
本当に死ぬかもしれない状況に直面すると、
強い恐怖を感じるということでした。
言葉では「死にたい」と繰り返していても、
心の奥底では「生きたい」「生き続けたい」と
思っている自分がいる。
矛盾しているようだけれど、
それは自然なことなのです。

悪い想像が暴走するとき、心はどう反応するか
不安は想像の力で大きくなります。
小さなサインを見て、
最悪の結末を勝手に書き上げてしまう。
そのとき、体は緊張し、呼吸は浅くなり、
眠れなくなる。
思考の渦に飲み込まれたときは、
論理的な説明も届きにくくなります。
『死にたい』と『死にたくない』の矛盾に気づく瞬間
脇の下の腫れのときに、はっきりと気づいたのは
「私は本当は死にたくない」という事実です。
言葉だけが先走ってしまっている
自分に驚きました。
自分の中の矛盾に気づくことは、
自己理解の第一歩です。
「矛盾しているのはおかしい」と
自分を責めるのではなく、
「そう感じるのは人間らしい」と
受け止めてあげてください。
日常でできる小さな安全確認(簡単に試せるセルフケア)
私が実際に役立ったと感じている、
シンプルで続けやすい方法を
いくつか紹介します。
- 現実確認をする
悪い想像が始まったら、まず
『今ここで何が起きているか』を具体的に数える。
痛みがあるか、出血はあるか、熱はあるか。
事実だけを書き出すと、
頭の中の最悪シナリオを少し外せます。 - 深呼吸をする
ゆっくりとした深呼吸を数回するだけで、
自律神経が整いやすくなります。
呼吸はいつでも使える道具です。 - 身体を動かす
軽いストレッチや短い散歩で、
身体の感覚を取り戻すと不安が和らぎます。 - 短いジャーナリング
『今の気持ち』を1分だけ書く。
長く書く必要はありません。
気持ちを書き出すと頭の中の整理になります。 - 安心できる人のリストを作る
誰に話せそうか、
電話しても大丈夫な人は誰かを書き出しておく。
いざというときのための保険です。
これらは奇跡を起こすものではありませんが、
感情の波を小さくする助けになります。
経験は必ず無駄にならない~過去の意味づけを変える視点
よく「過去は変えられない」と言われますが、
過去に起きたことの持つ意味は、
自分で変えることができます。
つらい経験があると、
それを=「自分はダメだ」というラベルで
固めがちです。
でも経験は、あなたの強さや
人への共感を育てる材料にもなります。
私が少しずつ変われたのは、
過去の出来事を“失敗”や“無駄”として
切り捨てるのではなく、そのときの
自分がどう感じ、どう生き抜いたかを
肯定するようになったからです。
誰かに話す勇気を持つためにできること
誰にも話せない孤独感は、心を重くします。
けれど、話すことのハードルを
下げる工夫はできます。
- まずは書くことから始める
口に出すのが難しければ、
メモやメールで気持ちを伝えてみる。 - 専門家に相談する
カウンセリングは特別なことではありません。
安全に話せる場を選ぶことで、
孤独を和らげる第一歩になります。 - 小さな共有をする
全部を一度に話す必要はありません。
今日はこの一部分だけ話す、
という具合に少しずつ慣れていきます。
話すことで、
あなたの世界は少しずつ変わります。
一人で抱えこむよりも、
受け止めてもらう体験で安心感が生まれます。
今はつらくても、笑える日をつくるために
「死にたい」という思いは、
決して恥ずかしいことでも怠慢でもありません。
多くの場合、それは心と体が『安全』を
感じられていないサインです。
小さな現実確認、深呼吸、
信頼できる誰かへの一言。
そんな小さな行動が、つらい波を和らげます。
過去の経験が
あなたを形作っているのは確かです。
でもその経験が
未来を決めるわけではありません。
今はつらくても、
いつか笑って話せる日が来る
可能性は必ずあります。

カウンセリングのご案内
もし「一人では難しい」と感じたら、
私のカウンセリングを検討してみてください。
安全で落ち着ける場で、
あなたの気持ちを丁寧に受け止めます。
無理な治療や早急な変化を求めること
はありません。
まずは話してみるだけで構いません。
話すことで、
あなたは『今』を少し楽にすることができます。
そして、いつか「過去の自分にありがとう」と
言える日が来るかもしれません。
その日は必ず来ます。
私と一緒に、その日を目指してみませんか?
もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。
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