機能不全家族で育った子どもが抱える「感情労働」とは?大人になってもしんどさが続く理由

この記事の内容

家の中で「感情を働かせる」子どもたち


「感情労働」という言葉を聞くと、
多くの人は接客業や看護、介護などを
思い浮かべるかもしれません。



でも実は、機能不全家族で育った
子どもたちもまた、
家庭という小さな社会で「感情労働」を
強いられてきた存在
なのです。

たとえば、親の機嫌を伺って空気を読んだり、
本当は泣きたいのに笑顔を作ったり・・・


それは仕事ではなく、生きるために必要な
「家庭内の感情労働」でした。

この記事では、機能不全家族に育った子どもが
どんな感情労働をしていたのか、
その後どんな影響があるのかを
一緒に見ていきましょう。



機能不全家族とは?


「機能不全家族」とは、
表面的には普通の家族に見えても、
子どもが安心して成長するために必要な
安全・愛情・一貫性が欠けている家族

のことを指します。

アダルトチルドレン・機能不全家族に関する記事一覧はこちら

  • 親がアルコールや依存症に苦しんでいる

  • 暴言や暴力が日常的にある

  • 感情表現が禁止される

  • 親が子どもに精神的な支えを求める

  • 無関心や放任で、子どもが孤独を抱える

こうした環境では、子どもは
「自然に子どもらしく生きる」ことが難しくなります。



代わりに、家族を支える役割を背負い、
自分の感情を後回しにしてしまうのです。

機能不全家族のイメージを、バラバラになったおもちゃの画像で表現



家庭内の感情労働とは?


社会学者アーリー・ホックシールドが提唱した
「感情労働」は、本来は仕事に関する概念です。
「自分の感情を管理し、
求められる表情や態度を演じること」

が労働の一部になる、という考え方です。

これが家庭の中でも起きます。
機能不全家族の子どもにとっては、
「家の中でどう振る舞うか」が命に関わるほど大事でした。

家庭内での感情労働の例

  • 親が怒らないように顔色を読み続ける

  • 自分の寂しさや不安を隠して「いい子」を演じる

  • 親やきょうだいの仲を取り持ち、家族の安定を守ろうとする

  • 自分の気持ちより「家族の平和」を優先する

これは単なる「優しい子」や
「しっかり者」だったわけではなく、
家庭のシステムに適応するために必死で感情を働かせてきたということなんです。



子どもが背負う二重のしんどさ


家庭内で感情労働をする子どもは、
二つの苦しさを抱えています。

内側の気持ちと外側の表現のズレ


 泣きたいのに笑顔を作る。
怒りたいのに我慢する。


本音と表現のギャップは、
心をどんどん疲れさせます。

自分よりも家族を優先する習慣


 「私はどう感じてる?」よりも
「親が怒らないためには?」が優先される。


 その結果、自分の感情がわからなくなるのです。

この「二重のしんどさ」は、
子ども時代を乗り越えても、
大人になってから
人間関係や仕事に影を落とします。



大人になっても続く「感情労働」


家庭で感情労働を繰り返してきた人は、
大人になっても同じパターンを持ち込みがちです。

  • 職場でいつも笑顔を作ってしまい、疲れる

  • 人間関係で「相手の顔色」が基準になってしまう

  • 本音を言うのが怖くて、自分を抑えてしまう

  • 「嫌われないように」「怒られないように」が先に立つ

これらは「性格」や「弱さ」ではありません。
幼少期から身につけざるを得なかった
「感情労働の習慣」なのです。



感情労働の代償


感情労働を続けることで、
次のような影響が出やすくなります。

  • 慢性的な疲労感

  • 感情が麻痺して、自分の気持ちがわからない

  • 人といても安心できない

  • 突然涙が出たり、怒りが爆発したりする

  • うつや不安症、心身の不調につながることもある

つまり「心の燃え尽き」が起きやすくなるんです。



回復のために必要なこと


感情労働のしんどさから回復するには、
いくつかの大切なステップがあります。

① 「しんどさの正体」に気づく


「自分が弱いから」でも
「性格だから」でもなく、
子どもの頃から感情労働を背負ってきたから今がつらいんだと理解すること。


これだけでも、心の重荷は軽くなります。

② 安心できる関係性を体験する


安全な場所で、本音を出しても大丈夫だと
少しずつ感じること。
これは信頼できる友人、パートナー、
そしてカウンセリングの中で育んでいけます。

③ 自分の感情を取り戻す


「私はどう感じてる?」
「本当はどうしたい?」と、
自分に問いかける習慣を持つこと。
少しずつ、自分の感情が輪郭を取り戻してきます。



あなたの笑顔は「生き延びるための努力」だった


機能不全家族の中で、笑顔を作り、空気を読み、
感情を押し殺してきたあなた。
それは「頑張りすぎ」でも「性格の問題」でもありません。

生き延びるために、
あなたが必死で身につけた感情労働だった
のです。

だから今、疲れてしまっても当たり前。
むしろ、ここまで頑張って生き抜いてくれた
ことにありがとう」と伝えたいのです。

そしてこれからは、あなたが安心して
「本当の気持ち」を出せる場所を見つけてほしい。
それが、回復の一歩になります。

回復の一歩のイメージを、一輪の白い花の画像で表現



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