体の声に耳を傾けていますか?〜不定愁訴と心のつながり〜
なぜ「体」にこだわるのか
カウンセリングの中で、私はよく
「体がどう感じているか」を大切にしています。
もしかしたら「体、体ってうるさいな」と
思われているかもしれません。
でも、それには理由があります。
悩みを抱える多くの方が、心だけでなく
体にも不調を抱えているからです。
「病院に行くほどではないけれど、
なんだかずっと不調が続く」
そんな状態を、医学的には
「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼びます。
不定愁訴とは?心と体のSOSサイン
不定愁訴とは、明確な病気の原因が見つからないのに、体や心に不調を感じる状態のこと。
たとえば次のような症状がよく見られます。
- 体がだるい、疲れがとれない
- 頭痛、めまい、息苦しさ、動悸
- 胃の不快感、吐き気、食欲不振
- 不眠、朝のだるさ
- イライラ、気分の落ち込み、不安感
多くの場合、自律神経の乱れやストレス、
心理的な緊張が関係しています。
でも、「原因はストレス」と言われても、
どうすればいいのか分からない人も
多いのではないでしょうか。

「ストレスを減らす」よりも先にできること
ストレスを減らそうと努力したり、前向きな
考え方を身につけようと頑張る方は多いです。
でも実際には、それだけでは
うまくいかないこともあります。
なぜなら、体が緊張状態のままでは心も緩まないからです。
思考をポジティブに変えようとしても、
体が防衛モードに入っていれば、
心の扉を開くのは難しいのです。
体が緩むと、心も自然とやわらぐ
想像してみてください。
体が軽くて、夜はぐっすり眠れて、朝はすっきり目覚める。
ごはんが美味しくて、どこにも痛みがない。
そんな状態のとき、気分まで明るくなりませんか?
体と心はいつも連動しています。
だからこそ、「思考を変えよう」とするよりも、
体をゆるめることのほうが先なのです。
体がほっと緩むと、防衛が少しずつほどけて、
心も自然と柔らかくなります。
「体のケア」とは、特別なことではない
体のケアというと、マッサージや整体を
思い浮かべるかもしれません。
もちろんそれも大切ですが、もっと身近なところから始められることがあります。
それは、「自分の体に意識を向けること」です。
- 今日はどんな姿勢で過ごしているかな?
- 呼吸は浅くなっていないかな?
- 少し疲れているのに、無理していないかな?
こうして体に気づきを向けるだけで、
体は「ちゃんと見てもらえている」と感じて
安心します。
無視し続けると、心と体が分断される
「まだ大丈夫」「年のせいだから仕方ない」
そんなふうに、体のサインを
頭で片づけてしまうことはありませんか?
そうすると、体は「もっと気づいて!」と
強いサインを出すようになります。
痛みや不調という形で、
私たちにメッセージを送っているのです。
体の声を無視し続けると、
心と体の分断が起こります。
そして、どんなに心を前向きにしても、
どこかで苦しさが残ってしまうのです。
体が安心を感じるとき、心も癒される
体からのメッセージに耳を傾け、
望んでいることを叶えてあげると、
体は「わかってもらえた」と感じます。
すると、少しずつ緊張がほどけ、
痛みや不調を出す必要がなくなっていきます。
体は、あなたを守るために
一生懸命働いてくれているんです。
だからこそ、体を責めるのではなく、仲良くなることが大切です。
体と仲良くなることが、心の回復の第一歩
心と体、どちらが先でも後でもなく、
どちらも大切。
でももし今、何をどうしても
心が落ち着かないと感じているなら、
「自分の体が何を伝えようとしているのか」に
目を向けてみてください。
体は、あなたの無意識の部分と
つながっています。
過去の経験にとらわれない、
純粋で正直なメッセージをいつも出しています。
体を感じることから、心の回復は始まります。
今日から少しずつ、
自分の体と仲良くなっていきましょう。

カウンセリングへのご案内
体の声に気づくことは、
心を癒す大切な一歩です。
けれど、自分ひとりではなかなか
感じ取れないこともあります。
もし「体の声をもっと聴いてあげたい」
「自分の本音を知りたい」と感じたときは、
どうぞ一度、カウンセリングに
いらしてください。
あなたのペースを大切にしながら、
心と体の両面から“安心できる自分”を
取り戻すお手伝いをしています。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、
エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
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