不安な気持ちが止まらない時に──脳と心に効くやさしい対処法
「止めたいのに止まらない」不安の正体
眠ろうとしても、頭の中では不安や心配がぐるぐる。
「また朝が来てしまう」そんなふうに、毎日を迎えるのがつらくなっていませんか?
人はそもそも不安を感じる生き物です。
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それは「危険を察知して、命を守るための大切なサイン」でもあります。
けれど現代に生きる私たちが感じる不安の多くは、命を脅かすようなものではありません。
たとえば、
- 「もし嫌われたらどうしよう」
- 「また傷ついたらいやだ」
- 「ちゃんとできなかったら・・・」
こうした未来への不安や、過去の後悔が頭から離れず、苦しくなってしまうんです。
なぜ不安は「勝手に」やってくるの?
不安は私たちの「生存本能」が起こす反応です。
危険を避けるために、脳はあらゆる可能性を想定して「最悪のケース」に備えます。
でも、脳が繰り返し「同じこと」を考えると、その思考が回路として強化されてしまいます。
つまり、不安ばかり考えていると「不安になるのが習慣」になってしまうんです。
特に過去に傷ついた経験があると、「また同じことが起こるかも」と脳が予測を始めます。
その予測は、今ここには存在しない“恐れ”を現実のように感じさせてしまいます。
不安を「消そう」とすると、かえって苦しくなる
「こんなこと考えちゃダメ」
「不安にならないようにしなきゃ」
こうやって無理に抑え込もうとすると、かえって不安は大きくなります。
なぜなら、脳は「意識したもの」に注意を向けてしまうからです。
つまり、「不安にならないようにしよう」と思えば思うほど、不安を強く意識してしまうのです。
解決のヒントは「不安をなんとかしようとしないこと」
矛盾しているようですが、
不安から自由になる一番の近道は、「不安をどうにかしようとしない」こと。
不安も、私たちに必要だから存在しています。
たとえば過去のつらい体験から、「もう傷つかないように」とあなたを守ろうとしているのかもしれません。
そんな不安を無理に消そうとするのではなく、まずはこう声をかけてあげてください。
「あぁ、今わたしは不安なんだね」
まるで、大切な人に寄り添うように。
それは、あなたの中にいる「不安を感じているもう一人の自分」に向けた優しさです。

体にふれるだけで、心が落ち着くこともある
言葉だけでは難しいと感じるときは、
自分の体に触れてみてください。
胸に手を当てる
手をぎゅっと握ってみる
やさしく背中をなでてみる
それだけでも、体は安心を感じてくれます。
心と体はつながっています。不安は、頭の中だけの問題ではないのです。
心地よさの回路を育てる
不安が少しやわらいできたら、次は「心地よさ」に目を向けてみましょう。
- お気に入りの香りをかぐ
- やさしい音楽を流す
- 美味しいものをひとくち味わう
- 映画や写真で癒される
- 大好きな人やペットを思い浮かべる
そんなささやかなことで構いません。
「不安」だけで埋め尽くされていた脳の中に、新しい“心地よさの回路”を作っていくイメージです。
感情は敵じゃない。すべてに意味がある
不安も、恐れも、怒りも、悲しみも。
どれもあなたを守るために生まれた大切な感情です。
無理に追い払おうとせず、まずは「感じていいんだよ」と許してあげましょう。
あなたの中にある感情は、何一つ間違っていません。

不安が止まらない日々に終わりを──
ここまで読んでくださったあなたは、
きっと不安とのつきあい方に、少しずつ意識が向き始めているのではないでしょうか。
とはいえ、長年「不安」に囲まれてきた心をひとりで変えるのは、とても大変なことです。
安心感を育てるには、誰かの支えや、実際のワークを通じた体験がとても効果的です。
カウンセリングのご案内
当カウンセリングルームでは、不安をやわらげるための神経系ワークや、心地よさを育てる個別セッションをご提供しています。
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「話を聞いてもらうだけでも安心したい」
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気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
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