親とは違う人を選んだのにうまくいかないのはなぜ?~ アダルトチルドレンの「ズレた判断」が生きづらさを生むとき~
こんなふうに感じたことはありませんか?
・「もう親みたいな人とは絶対に付き合わない」と決めていたのに、なぜか同じような人を選んでしまう。
・優しいと思っていた人が、実は何も感じていないだけだった。
・怒らない人を選んだはずなのに、なぜか心が通わない。
こんな経験がある人は、もしかすると「アダルトチルドレン特有の判断のズレ」に影響を受けているかもしれません。
「ズレた判断」とはどういうこと?
私たちは相手を選ぶとき、ふつうは「どんな性格の人か」「一緒にいて安心できるか」「価値観が合うか」など、さまざまな要素を見て判断しますよね。
でもアダルトチルドレン(AC)の人は、判断基準が少し違います。
それは「親のような人ではないかどうか」を優先して見る、ということ。
たとえば、
- 怒鳴らない
- 酒癖が悪くない
- 暴力をふるわない
など、親にあって嫌だった要素が“ない”ことを基準に相手を選んでしまうんです。
その結果、「ない」ことに安心してしまい、「ある」こと(=その人自身の性質や価値観)を見落としてしまうことがよくあります。
なぜそうなってしまうの?
これは、アダルトチルドレンの人が育ってきた環境と深く関係しています。
子ども時代に安心できなかった人ほど、「不安にならないかどうか」「怖くないかどうか」という視点が強くなります。
これは、ポリヴェーガル理論でいうと“防衛反応のスイッチ”が入りやすい状態。
無意識に危険を避けようとしてしまうのです。
その結果、相手を「危険かどうか」で見て、「安全そう」ならOKになってしまう。
けれど、実際にはその人の心の温かさや共感性など、本当に必要だった部分を見れていない場合があるのです。

ACの人がやりがちな3つの判断ミス
1. 「ない=いい人」と思い込む
たとえば「怒らないから優しい」と思っていたら、実はただ無関心だった・・・ということもあります。
「暴力をふるわない=安心」と思ったけど、感情の交流もない人だった、など。
「ない」ことに安心して、「ある」ことに気づかないと、同じようなパターンを繰り返してしまいます。
2. 相手に“期待”を投影してしまう
本当は自分のことを深く見てほしかった、理解してほしかった、という願いが強いと、 「きっとこの人ならわかってくれるはず」と理想を投影してしまいます。
でも、相手が本当にそれを持っているかどうかは、しっかり確認しないとわからないのです。
3. 自分の感覚より“過去の経験”で判断してしまう
相手を見たときに「この人は安全」と思う感覚は、実は“慣れ親しんだもの”に引っ張られている可能性があります。
たとえば、怒鳴る人に慣れていた人は、怒鳴らない人が逆に“何を考えてるかわからなくて不安”と感じることも。
どうすれば判断がズレずにすむの?
1. 「ない」ではなく「ある」に目を向けてみる
その人が持っているもの、たとえば
- 思いやりがあるか
- 話を聞いてくれるか
- 喜怒哀楽を出せるか
など、「ある」ことをちゃんと見て判断するように意識してみてください。
2. 自分の「感覚」を信じていい
違和感を感じたら、それを無視しないでOKです。
「でも優しいし」とスルーせずに、なぜ違和感を感じたのか丁寧に探ってみましょう。
これはソマティック心理学でいう「身体の声に耳を傾ける」というアプローチに近いです。
身体は本音を知っています。
言葉より早く、感情より正直に「なんか変かも」とサインを出してくれていることがあります。
3. 自分を知ることが一番の近道
判断をズラさないためには、自分自身の“フィルター”に気づくことがとても大切です。
「自分はどんな人に安心するのか?」 「どんなときに不安を感じるのか?」
自分の感覚や価値観を丁寧に知ることで、過去の経験ではなく“今の自分”で選べるようになっていきます。
これはパーツ心理学でもとても大事にされている視点です。
傷ついたパーツが判断を担っていると、今の自分とはズレた選択をしがちになります。
世代間連鎖を止めるのは「あなた」から
判断のズレを放置してしまうと、気づかないうちに「親と同じような家庭」を作ってしまう可能性があります。
それは、あなたの中にある“傷ついた記憶”が判断をコントロールしているから。
でも、それに気づいて修正していくことで、あなたの人生は大きく変わります。
そしてその変化は、次の世代にも影響していきます。
あなたの代で、繰り返される生きづらさを断ち切ってみませんか?

ひとりで抱えなくても大丈夫です
あなたの判断の“クセ”に気づいて、ほんとうに心から安心できる人間関係を築いていくために、カウンセリングがお役に立てるかもしれません。
過去のパターンをやさしくほどきながら、あなたらしい選択ができるようになるお手伝いをしています。
興味があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。
アダルトチルドレンについて、もっと知りたい・自分に当てはまるか気になるという方は、こちらのカテゴリー記事もご覧ください。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら