人と比べて苦しくなるあなたへ|アダルトチルドレンの生きづらさをやさしく解くヒント
「なんで、あの人みたいになれないんだろう」——心がチクリと痛むとき
ふとした瞬間、SNSで楽しそうな誰かの投稿を見たとき。
職場やママ友、昔の友達と話しているとき。
「あの人はちゃんとしてるのに、私は・・・」
「なんであの人にはできて、私はできないんだろう」
こんなふうに、自分と他人を比べてしまって、胸がギュッと苦しくなることはありませんか?
それは「性格が悪いから」でも「努力が足りないから」でもありません。
そう思ってしまう背景には、子ども時代の心の傷——“トラウマ”が関係しているかもしれません。

人と比べてしまうクセは、心のサバイバルだった
アダルトチルドレンの方がよく抱える「比較グセ」
このクセは、実はただの思考習慣ではなく「生きるために身につけた防衛反応」のひとつです。
たとえばこんな子ども時代、心当たりありませんか?
- 親に「〇〇ちゃんはできるのに、あんたはダメね」と言われ続けた
- 成績が良いと褒められ、失敗すると無視された
- 「誰かと比べて優秀でいないと、愛されない」と感じていた
こうした経験が続くと、「人と比べて自分の立ち位置を確認すること」が、安心を得るための方法になります。
ポリヴェーガル理論から見ると・・・
人間の神経は、「安全・危険・生命の危機」を自動で感じ取り、行動に影響を与えます(ポリヴェーガル理論についてはこちら)
比較して自分が下だと感じると、無意識に「危険」と判断して心や体が緊張してしまうんですね。
だから、人と比べてモヤモヤするのは、実は“あなたが危険を避けようとしてきた証”なんです。
それだけ、頑張って生きてきたということ。
責める必要なんて、ほんとにひとつもないんですよ。
「ないもの」ばかりに目がいくのは当然だった
私たちの脳は、危険から身を守るために「足りないもの」「不安なこと」に自然と目が向くようにできています。
とくに、過去に心を傷つけられた経験があると、それがもっと強く働いてしまいます。
でも本当は、
あなたの中には、すでにたくさんの“あるもの”があるんです。
それに気づくことが、「比べる」クセをゆるめていく第一歩になります。
自分の「ある」に気づくワーク|今日からできる小さな実践
では実際に、今のあなたにできる“やさしいワーク”をご紹介しますね。
ワーク:あなたの「持っているもの」を書き出してみよう
ノートでも紙でも、スマホのメモでもOKです。
思いつくままに、今のあなたが「持っているもの」を書いてみてください。
例えば、
- 安心して眠れるベッド
- 信頼できる友人
- 自分の好きな音楽
- 今日もちゃんと食べられたこと
- ここまで生き抜いてきた力
一見、特別なものじゃないかもしれません。
でもそれは、あなたが“ちゃんと持っている”すばらしいもの。
書いているうちに、「意外とたくさんあるかも」と気づけると思います。

心の中の「比べてしまうパーツ」に気づいてあげよう
パーツ心理学の考え方では、私たちの心は「いろんなパーツ(部分)」の集合体だと言われています。
たとえば、
- 他人と比べて落ち込む「傷ついた子どもパーツ」
- 自分にダメ出しばかりする「厳しい親のようなパーツ」
- 頑張りすぎて疲れている「責任感の強いパーツ」
などなど、心の中にたくさんの“私”がいるんですね。
大切なのは、それぞれのパーツを「悪いもの」とせず、「ああ、この子は必死で私を守ろうとしてくれてるんだな」って理解してあげること。
そうすると、そのパーツも少しずつ落ち着いていきます。
比較グセは「変えよう」としなくていい|まずは気づいて寄り添って
「人と比べないようにしなきゃ!」と思えば思うほど、うまくいかなくて苦しくなります。
だからまずは、「ああ、また比べてるなぁ」「比べて苦しいなぁ」と、気づいてあげてください。
そして、自分の中のパーツに向かって、
「今までもずっと、私を守ってくれてありがとう」
そんなふうに心の中で声をかけてあげるだけでも、少しずつ変化は訪れます。
あなたは、比べなくても「そのままで愛される存在」
あなたがどんなに人と違っていても、できないことがあっても、それでも「そのままのあなた」でいていい。
本当にそう信じられるようになるには、時間がかかるかもしれません。
でも、あなたの中にはすでに“そうなろうとする力”が眠っている。
だからこそ、今このブログにたどり着いてくださったのだと思います。
もっと深く、自分を癒していきたい方へ|カウンセリングのご案内
「比べてしまう苦しさ」や「自分を否定してしまうクセ」は、子ども時代の体験が深く関係していることが多いです。
カウンセリングでは、あなたの中にあるパーツにやさしく寄り添いながら、「どうしてそのクセが生まれたのか」「どうすれば安心して生きていけるのか」を一緒に見つけていきます。
もし、「ひとりで抱えるのがしんどいな」と感じたら、どうぞご相談くださいね。
あなたのペースで、あなたらしい生き方を見つけるお手伝いをさせていただきます。
もし長い記事が疲れるなと感じたら、エッセイカテゴリーに短めの文章もあります。
気軽に読める内容なので、ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が見つかるかもしれません。エッセイはこちら