感情が麻痺してつらいのに笑ってしまう心理~それは弱さではなく、生き延びるための反応
つらいのに、なぜ笑ってしまうのか
本当はとてもつらい出来事だったはずなのに、
誰かに話すとき、なぜか笑って話してしまった。
あとで一人になってから、
「なんで私はあんなふうに笑っていたんだろう」
と、自分がわからなくなったことは
ありませんか。
表面上は平気そうに見える。
むしろ明るく、冗談っぽくさえ話している。
でも心の奥には、
確かに傷ついた感覚が残っている。
そんなとき、多くの人が
「私って感情が変なのかな」
「こんな反応をするなんておかしいのかな」
と、自分を責めてしまいます。
でも、感情が麻痺してつらいのに
笑ってしまう心理には、
ちゃんと理由があります。
それは性格の問題でも、弱さでもありません。
感情が麻痺するとはどういう状態なのか
「感情が麻痺する」と聞くと、
何も感じていない状態を想像する人が
多いかもしれません。
けれど実際は、
感じていないのではなく、感じきれない
状態です。
悲しみや恐れ、痛みがあまりにも大きいと、
私たちの神経はそれを一度に処理できなく
なります。
すると脳と体は、
感情そのものを消すのではなく、
一時的にアクセスを制限します。
これは心が弱いから起きるのではなく、
壊れないためのブレーキです。
感情が麻痺しているとき、
・何を感じているのかわからない
・現実感が薄い
・頭では理解しているのに、気持ちが追いつかない
といった状態が起こりやすくなります。
感情が麻痺して、つらくても笑ってしまう心理
では、なぜその状態で
「笑い」が出てくるのでしょうか。
笑いは、余裕があるときだけに
起きる反応ではありません。
むしろ、緊張や危険を感じたときに出る
防御反応のひとつでもあります。
・相手を刺激しないため
・場の空気を壊さないため
・これ以上傷つかないため
そうした無意識の判断の結果として、
笑いが選ばれることがあります。
特に、
人間関係の中で我慢することが多かった人、
感情を出すと否定されやすかった
経験がある人ほど、
この反応は起きやすくなります。
笑いは、
本当の感情が感じられないほど
深いところにあるとき、
その代わりとして表に出てくる
「仮の出口」なのです。

笑いの奥に、本当は別の感情が隠れていることもある
私自身、過去にこんな経験がありました。
ある出来事について、
表面上は「すごく腹が立った話」として
認識していたのに、
人に話すときは、なぜか笑いながら
そのエピソードを語っていました。
当時は、
「私は怒っているんだ」
そう思っていました。
でも時間が経って、
安全な状態で振り返ってみたとき、
気づいたことがあります。
あのとき本当にあったのは、
怒りではなく、
深い悲しみだったのではないか、
ということです。
わかってもらえなかったこと。
大切に扱われなかったこと。
その痛みに、当時の私は触れられなかった。
だから、怒りというわかりやすい感情と、
笑いという防御を使って、
自分を守っていたのかもしれません。
笑ってしまう自分を責めなくていい理由
感情が麻痺してつらくても笑ってしまうと、
多くの人はその反応自体を責めてしまいます。
でも、笑っていた過去の自分も、
ちゃんと生き延びようとしていました。
怒りや笑いは、
本当の感情が安全に感じられる状態になるまでの
「橋渡し」のようなものです。
悲しみや絶望といった感情は、
安心が確保されてからでないと、
表に出てきません。
だから、
あとから涙が出たり、
急にしんどくなったりするのは、
悪化ではなく、回復の兆しであることも
多いのです。

感情が麻痺して笑ってしまう心理を知ることは、自分を守る第一歩
感情が麻痺してつらいのに笑ってしまう心理は、
弱さではありません。
それは、
そのときの自分を守るために、
体と神経が選んだ最善の反応です。
大切なのは、
無理に変えようとすることではなく、
「それほどつらかったんだな」と
理解してあげること。
もし、
一人では触れられない感情があると感じたら、
安全にその奥を見ていける場所があることを、
知っておいてください。
理解されることで、
感情は少しずつ、
元の流れを取り戻していきます。
カウンセリングのご案内
感情が麻痺して笑ってしまうほどのつらさは、
一人で抱え続けなくていいのです。
もし今、
・自分の本当の感情がわからない
・つらいはずなのに、なぜか平気なふりをしてしまう
・過去の出来事を思い出すと、心より先に体が反応する
そんな感覚があるなら、
それはあなたが弱いからではありません。
それだけ長い間、がんばって生きてきた証です。
カウンセリングでは、
無理に感情を出すことや、
過去を掘り返すことはしません。
まずは「安心できる状態」を整えながら、
今のあなたのペースで、
感じられるところから一緒に見ていきます。
一人では触れられなかった感情も、
安全な関係の中では、
少しずつ姿をあらわします。
必要だと感じたときに、
ここにそういう場所があることを
思い出してもらえたら嬉しいです。
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気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
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