ストレスホルモンが増えるとき~心だけでなく体もSOSを出している
ストレスホルモンとは?
「ストレスホルモン」という言葉を
聞いたことがありますか?
これは、私たちの体がストレスを感じたときに
分泌されるホルモンの総称です。
その代表的なものが、
コルチゾールとアドレナリン。
どちらも「体を守るための防御反応」を
担っていますが、特にコルチゾールは
“長期的なストレス”に関わるホルモンです。
たとえば、締め切りに追われたり、
人間関係で神経をすり減らしたりすると、
体は「今は頑張らなきゃ!」と判断し、
コルチゾールを分泌します。
すると血糖値が上がり、
頭が冴えてエネルギーを作り出しやすくなる。
これは、もともと命を守るために備わっている
生き残りのシステムなんです。
だからストレスホルモンは
「悪者」ではありません。
むしろ私たちを守るために働く、頼もしい存在。
ただし、そのスイッチが長時間入りっぱなし
になると、体や心に少しずつ
疲れがたまってしまうのです。
現代人は常に「戦う」スイッチが入りっぱなし
ただ、現代社会では
猛獣に襲われることはありません。
代わりに、職場のプレッシャー、
人間関係の気疲れ、家事や育児の忙しさなど、
「止まらないストレス」が続きやすいのが
特徴です。
体にしてみれば、
「上司に叱られる」
「子どもが言うことを聞かない」
といった出来事も、昔の“危険”と同じように
感じてしまうんですね。
その結果、ストレスホルモンが長時間
分泌され続け、
・眠れない
・イライラする
・食欲が乱れる
・疲れが取れない
といった不調が出てきます。
特に女性は、ホルモンバランスが
変化しやすいため、ストレスホルモンの影響を
受けやすい傾向があります。

暑さ・寒さ・寝不足もストレスになる
「そんなにストレスを感じていないのに、
なんだか疲れる」
そんなときは、体が感じているストレスを
見逃しているかもしれません。
実は、ストレスホルモンは
「心のストレス」だけでなく、
・暑さ・寒さの気温差
・騒音や強い光
・睡眠不足
・栄養不足や過食
・感染症や炎症
といった身体的ストレスでも分泌されます。
たとえば、急に寒くなった朝、
布団から出るのがつらいのも、
体が「環境の変化」というストレスに
反応しているから。
心が元気でも、体が「今は無理!」と
感じているときは、ストレスホルモンが静かに
働いていることが多いのです。
ストレスホルモンが体に与える影響
ストレスホルモンの中でも、特にコルチゾールは体への影響が大きいホルモンです。
短時間であれば、集中力を高めたり、
炎症を抑えたりする良い働きをしてくれます。
でも、ストレスが長引くとコルチゾールが過剰に
分泌され、体はずっと「緊急事態モード」
のままに。
ブレーキを踏みたいのに、アクセルを踏み続けているような状態になります。
すると、
・免疫力の低下(風邪をひきやすい、肌荒れしやすい)
・自律神経の乱れ(動悸、めまい、頭痛)
・ホルモンバランスの崩れ(生理不順、PMSの悪化)
などが起きやすくなります。
さらに、コルチゾールが長期間高いままだと、
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの働きも
弱まり、気分の落ち込みや不安感が
強くなることも。
だからこそ、ストレスホルモンを整えるには、
「ストレスを減らす」よりも
「安心を感じる時間を増やす」ことが大切です。
体が「もう大丈夫」と感じた瞬間から、
コルチゾールの分泌も自然と落ち着いていきます。
ストレスホルモンを整えるセルフケア
ストレスを「なくす」ことは難しいですが、
ストレスホルモンを「落ち着かせる」ことは
できます。
たとえば、
- 深呼吸をして、ゆっくり吐く
- ぬるめのお風呂に入る
- 自然の中を歩く
- 好きな音楽を聴く
- 誰かと安心して話す
これらはすべて、副交感神経を整え、
ストレスホルモンの分泌を下げる働きが
あります。
特に「安心感」や「つながり」を感じる時間は、脳に「もう大丈夫」と知らせてくれる
重要なサインになります。

体の声を聞く時間を
ストレスホルモンは、心だけでなく体の状態を
教えてくれる大切なサイン。
「やる気が出ない」「眠れない」「涙もろい」
そんなときは、がんばりすぎている証拠
かもしれません。
体は、あなたに「ちょっと休んで」と
伝えているのです。
だから、自分を責めるのではなく、
労わってあげましょう。
あなたの体が今日も懸命に
働いてくれていることに、
少しだけ感謝の気持ちを向けてみてください。
それが、ストレスホルモンを穏やかにする
第一歩になります。
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気軽に読める内容なので、
ちょっとした息抜きにどうぞ。
あなたの心が軽くなる一言が
見つかるかもしれません。
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