「心の傷は体が覚えている」ソマティック心理学で、安心を取り戻す方法



ソマティック心理学とは?


「ソマティック(somatic)」とは、「身体の、身体に関する」という意味の言葉です。

ソマティック心理学とは、心のケアをするうえで“身体”の反応にも注目しながら進めていく心理学のことです。

多くの方が、つらい記憶やトラウマ、ストレスなどを“頭の中”だけで何とかしようとします。

でも実は、その時の反応や感情は、身体の中にも深く刻まれていることが多いのです。

ソマティック心理学では、話をすることだけでなく、身体の感覚や反応にも意識を向けて、より深い癒しを目指していきます。



「心」と「身体」はつながっている


私たちは、日常の中でいろんなことを感じています。

たとえば、

  • 緊張すると肩に力が入る
  • 不安になるとお腹が痛くなる
  • 安心すると呼吸がゆったりになる

こうした身体の反応は、心と密接に結びついているサインです。

感情は脳だけではなく、神経系や筋肉、内臓の働きにも影響を与えています。

ソマティック心理学では、このつながりを大切にしながら、身体から心にアプローチする方法をとっていきます。



私たちの反応は身体が覚えている



過去に体験した怖さやつらさは、言葉で思い出せなくても、身体が覚えていることがあります。

  • ある場面で急にドキドキする
  • 声を出したいのに出せない
  • 身体が固まって動けなくなる

これは、過去の経験によって神経が「危険」を記憶している状態です。

頭では「もう大丈夫」と思っていても、身体が「まだ怖い」と反応しているんですね。

ソマティック心理学では、そうした反応を「悪いもの」とせず、あなたを守ってくれた大切な反応として受け止めます。



トラウマとソマティックなアプローチ



トラウマとは、心や身体に深く影響を残した出来事のこと。

それは、事故や災害のような大きな体験だけでなく、日常の中で繰り返された傷つきや我慢からも起こることがあります。

ソマティック心理学では、トラウマを「話す」ことだけでなく、身体が感じている安全・不安・緊張・ゆるみといった感覚にも注目していきます。

たとえば、

  • 呼吸に意識を向ける
  • 足の裏の感覚を感じる
  • 安心できる姿勢や場所を探す

そんな小さな身体の感覚を大切にすることで、自分の内側にある“安心”の感覚を育てていくことができます。



ソマティック心理学の実践方法



ソマティックなアプローチには、さまざまな方法がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。

  • グラウンディング:足の裏や座っている感覚に意識を向けて、今この瞬間に戻る練習
  • リソースを感じる:安心・心地よさ・支えになる感覚を身体で感じる
  • マイクロムーブメント:小さな動きを通して、身体の中の緊張や感情をゆるめていく
  • 感覚の名前をつける:感じている感覚(冷たい、ざわざわ、どっしり など)に気づいて表現する

どれも、無理に変えようとせず、“今ここ”にある感覚を丁寧に感じることを大切にしています。


ソマティック心理学の実践としてグラウンディング



こんな方におすすめです



ソマティック心理学は、次のような方に特におすすめです。

  • 頭ではわかっていても、気持ちがついてこない
  • イライラや不安がコントロールできない
  • 過去の体験が身体に残っている気がする
  • 安心する感覚がよくわからない
  • カウンセリングで話すことが苦手

身体の感覚を通して、ことばにならない気持ちにそっと寄り添うことができるのが、ソマティック心理学の魅力です。



心と身体の声にやさしく寄り添って



つらかったこと、怖かったこと、我慢してきたこと。

それらはすべて、あなたの心と身体が「生き延びるため」にがんばってきた証です。

ソマティック心理学は、そんなあなたの身体にやさしく耳を傾け、

「本当はどうしたかったのか」「今、何を感じているのか」を少しずつ感じていく手助けをします。

無理に何かを変えるのではなく、

「自分の中にある安心」を見つけていく旅に出かけるような、そんなやさしいプロセスです。

あなたが、もっと安心して、自分らしく生きていけるように。

心と身体の声に、そっと寄り添ってみませんか?



心と身体の声に寄り添うソマティック心理学のイメージとして、ハートとお花



ソマティック心理学は、あなたの味方



ソマティック心理学の魅力は、何かを「頑張る」必要がないという点です。

体の感覚にただ注意を向ける。呼吸のリズムに耳を澄ませる。少し緊張している肩に気づき、やさしくゆるめてあげる。

そんな小さなステップが、驚くほど大きな変化につながっていくのです。

実際にこのアプローチを体験された方からは、

  • 「言葉にできなかった不安が、自然と落ち着いてきました」
  • 「体を通して感情にアクセスできるのが新鮮でした」
  • 「無理に話す必要がなく、安心して向き合えました」

といった声を多くいただいています。

特に、トラウマや強いストレスを抱えた方、自分の気持ちがわからなくなっている方、話すことに抵抗がある方にとっては、体からアプローチすることで、心の奥にある「ほんとうの自分」とやさしくつながっていくことができるのです。



あなたの内なる癒しの力を信じて



ソマティック心理学は、何かを「治す」ためのものではなく、もともとあなたの中にある「回復しようとする力」を、そっと引き出していくものです。

あなたの体は、ずっとあなたを守ってきました。

これからは、その体と一緒に、もっとやさしく、もっと心地よく、生きていきませんか?

「言葉では届かない心」に、静かに寄り添うソマティック心理学。

もしあなたが少しでもその一歩を踏み出したいと思えたなら、いつでもそのお手伝いをします。


言葉では届かない心に寄り添うソマティック心理学のイメージとして青空の下のハート





当カウンセリングルームでは、ポリヴェーガル理論パーツ心理学・ソマティック心理学を組み合わせたトラウマセラピーを行っております。



あなたも過去の傷つき体験からくる生きづらさを、心と体の両面から癒していきませんか?